表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/100

シベリアの空2

4日目になってやっとナホトカ港が見えてきた。いよいよ上陸だ。

コンパートメントで荷物をまとめ入国カードを書き上げてじっと待つ。

緊張のひと時、やっと入国審査官が来た。


5分ほど厳しい顔をしてパスポートと荷物を調べる。

最後に真正面からパスポートの写真と見比べている、怖い。

パスポートを閉じるととても優しい顔でにっこりと微笑んでくれた。


あー、ほっとしたがなんとも肩がこりそうな国だ。

アナウンスのあとやっと上陸だ。

船から見るとナホトカはなんとなく薄暗くすすけて見えたがその理由はすぐに分かった。


長い船旅ふわつく足でインツーリスト(国営旅行社)付のバスに乗り市内を一巡する。

全く看板宣伝広告と言うものがない。時々あるのはめちゃくちゃ大きなレーニンの肖像画、

しかもバックは赤だ。ほかは青もなければ黄色もピンクもない。


色彩というものがまるでないのだ。最新式の労働者団地と説明されても、

日本で言えば相当古い市営団地みたいなものだ。

平等を突き詰めていけばこうなるしかないのかという印象を強く感じた。


インツーリストのガイドさんはとても親切で日本語も上手だった。

モスクワ大学の日本語科を卒業したんだそうだ。

通訳ガイドと言うのはエリート中のエリートなのだ。


翌朝ナホトカ駅からシベリア鉄道でハバロフスクへ向かう。

大きな線路に大きな客車。東の窓から見えるのは時折白樺の林と、

いつまでもどこまでも続く荒野の大平原。


西の窓から見えるのは、これまたどこまでもつづく黒い山々。

ほんとに沈む夕日は馬鹿でかく圧倒的であった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ