表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/100

緊迫のディスコで一瞬の神がかり

去年のクリスマスはミュンヘンでとても孤独な

一人ぼっちのホワイトクリスマスだった。

ビージーズを聞くと今でも涙が出てくる。


今年は、オサムとしてははなはだ不本意だが

マメタンにおんぶに抱っこ、いわゆるヒモだ。

彼女の面子をつぶさないように、いつもひかえめに、


無口で、じっと彼女の傍らに控えていた。

髪は肩までのびて口ひげを生やし、ジョンレノン風の


丸めがねをかけ、木靴を履いてジーンズのパンタロン。

顔青白くまるでカリスマ教祖だ。さて、


ノアポップでの仕事はテーブルのトレイをただひたすら、

一日中片付けるだけ。イエスキリストがおごそかに、民

の食したトレイとカップをひたすらもくもくと片付けている、


そんな感じで、それはそれで絵になっていた。

厨房の小林君が哲学者だったので、時折雲を掴むような

話をぽつぽつと二人で語り合ったりしていた。


小林君は眼差しの優しい仏様のような人だった。

神と仏がノアポップでいつもウィンクしあっていた。

長い長い冬の夜。年も押し迫ってきて、いよいよ、


クリスマスイヴの晩、コペン最大のディスコ。

東京館とノアポップ組みはフロア脇に陣取った。

数百人は入る大ディスコ。日本人もかなりいる。


アップテンポのハードロックで皆激しく踊りまくる。

ロッドスチアート、レッドチェッペリン、モンキーズ。

今はやりの強烈ディスコサウンドだ。


神も仏も時折厳かに踊った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ