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コペン村の拠点トーマスペンション

ベラホイのユースは旅行者の情報拠点だったが、

トーマスペンションは在デンマーク長期滞在

日本人の情報拠点だった。しかもその中心的存在が


マメタンだったから人の出入りが多く大変だった。

彼女はちゃきちゃきの江戸っ子で東京都の職員を

3年で退職し追いすがるストーカーまがいの彼氏を


振り切ってとにかく海外へという履歴の持ち主だ。

目にあまるほど面倒見がよく、そこまでしなくても

というほど、よくこまめに動き回る。マメタンその


ものだった。昔甲状腺を患ったことがあるらしく、

ときどきじっとしておれなくなることがあるそうだ。

血液型0型のせいもあるやも?八方美人で何にでも


ちょっかいを出す。その半面読書し始めると没頭して

オサムの声も全く聞こえない。結局オサムはその居候

になった。新しい彼氏を一目見ようと何かといろんな

人が出入りした。


「どんな人?元全共闘?」

「長髪でヒッピー風、無口なのね」

「ロマンチストで詩人らしいよ」


日本の旅行社、レストラン、商社員、領事館員、銀行、

芸能人そしてあの柔道の連中。無口でニヒルなミスターオサムは

ただひたすら働いた。暗くて長い北欧の冬だ。暗いうちに


出かけて暗くなって帰ってくる。夜はいろんな人がやってきて

彼女に相談やら愚痴話やら色んな悩みを打ち明けている。

オサムは黙って横で本を読みながらじっと聞き流している。


まるでカリスマ教祖のように。トーマスペンションには

部屋が30近くあってその半分が日本人の長期滞在者だ。

あの柔道関係者も入れ代わりが激しく次々と挨拶に来る。


そしてとうとう、あの佐藤武とクリスマスイヴのディスコ

パーティーでばったりと出くわすことになったのだ。


『ヘイジュードー。ドントビーアフレイド!』

ビートルズが励ましてくれた。

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