デュッセルのホモおじさん−2
北欧のノルマンやアングロサクソン系は皆、
背が高く金髪で目が弱々しいブルー、
病的な白い肌でそばかすが多い。
ドイツゲルマンはほぼ日本人並みの体型で、
栗色の髪にブルーの瞳。さらにラテン系フランス、
イタリア、スペインと、ずんぐりむっくり。
肌も黄白色から褐色へと変わっていく。
背も低め、だんだん黒髪、黒い瞳になっていく。
パリもロンドンも人種のるつぼだ。
かつての植民地時代の名残か、
衛兵にアジア人がたくさんいた。
ドイツ人は体型もほぼ日本人といっしょで、
カウホフ、ホルテンというデパートで
買い物をしても、服はぴったりとサイズが合う。
かえってラテン系、イタリア、スペイン、
フランス人のほうがずいぶん小柄な感じがした。
ドイツ人は信号をきちんと守るし、時間にも正確。
規律に従順で、皆で行進皆で合唱が大好きな国民性。
おせっかいなおばさんが子どもに注意する。
非常に日本人と気質が似ている。
フランス人、完全個人主義で流行に左右されず
全てマイペース、人当たりは良いが根は頑固だ。
フランス人はまるで京都人のようだ。
さて件のおじさんの部屋で二人並んでソファーに
座ってテレビを見ている。カラー画面に
美しい公衆トイレがバーンと映る。
肉体美の若者が現れ中に消えていく。また一人
キャミソール肉体美の若者が現れ、また中に消える。
隣のおじさんはだんだんと息遣いが荒くなってきている。
三人目が出てきた。褐色の美男子だ。
おじさんの目の色も変わってきている。
これはやばい!
そう思うや否やパッと立ち上がって部屋を飛び出た。
あえぎながらおじさんが手を伸ばし呼び止めている姿が
目に入ったが、そのまま走ってユースへ向かった。
ユース前のカフェテリアで名物の黒ビールを一杯。
うまかった。サイモンとガーファンクルの
ボクサーがかかっていた。