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無口で助平なシェフ−2

シェフはオサムのことを自分の弟子のヤパーナー

と説明しているみたいだ。2,3人くらいがオサムの

方を見ている。上目遣いに会釈をする。


他の連中はもう飲み食いで完全に無視されている。

早めに帰ろう、一人浮いている。食うだけ食って

飲むだけ飲んだら、シェフに「ツリュック」(戻る)

と言って先に帰った。


にぎやかだけど孤独だった。真夜中の大通り、

誰もいない遊園地のようだ。イルミネーションは

こうこうと輝いているのに音が全く聞こえない。


人の姿はなくてとても静かだ。雪が道脇に積み上げられている。

超大型のサンタクロースが、おいでおいでをしている。


オサムが通り過ぎても、誰もいない空間に向かって

ずっと、おいでおいでをしている。とても孤独だった。


子どもの頃クリスマスツリーはとても大きかった。

だけど今はとても小さく見える。ビージーズを

聞きながら毛布に包まってとにかく眠った。


うとうとしたら向こうのベッドのものすごいきしむ音で

目が覚めた。シェフがドイツ女とやりまくっている。

酒のせいかとても激しい。何故ドイツ女と分かったか?


静かになってしばらくして金髪女がオサムの部屋を

トイレと間違えて侵入、オサムに”まあかわいいべビィ”

と頬擦りしてきたからだ。


ふけた女だったが、なぜか顔は涙で濡れていた。

自分にもこのくらいの子どもがいたのかも?


オサムはむしょうにハラが立って寝返りうって

知らん顔をしてひたすら眠った。


早く春になれ。借金返して、スウェーデンで稼いで

来年こそは絶対に最高のクリスマスにするぞ。

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