第17話 首都高攻防戦!後編
[第17話]首都高攻防戦!後編
猛スピードで逃げる黒のワンボックス!
それを追うボッサンたちのムルシエラゴ.・ディーノ、ホヘトとオヴェ率いるパトカー群!
黒のワンボックスの後ろの扉が開き、RPG-7を構えるローさんが姿を現した!
「行くぞ!」
ボッサンはアクセルを踏んで、右から抜きに掛かる!
黒のワンボックスが、そうはさせまいと幅寄せして来た!
しかしムルシエラゴの加速の方が一歩速く、黒のワンボックスの前に出た!
ローさんはバランスを崩してRPGを構えられない状態!
黒のワンボックスが加速してくる!
「やべ!体当たりするつもりか?それだけは勘弁してよ!」
ボッサンはアクセルを踏み込んだ!
ローさんはRPG-7を構えて、ホヘトとオヴェのパトカーに照準を合わせていた!
ホヘトはローさんに撃たせまいと、助手席の窓から発砲した !
ホヘトの撃った弾丸は、ローさんの頭をかすめた!
「うわっ!」
ローさんはよろけながらRPGを発射!
発射された榴弾は、ホヘトとオヴェのパトカーが追い越した、10tトラックの前輪を直撃した!
オッパイとアオイの乗ったディーノが、右側の10tトラックを追い越している時に、トラックの左前輪が吹っ飛んだ!
トラックは火を吹きながらディーノの方に寄って来た!
「う~わっ!やっべ!」
オッパイはアクセルを踏み込んで、左ギリギリを走って何とか巻き込まれずに済んだ!
ルームミラーを見ると、トラックは炎上しながら横転して、道を塞いでしまった!
「まじでか!」
残るは、ボッサンたちのムルシエラゴ、オッパイたちのディーノ、そしてホヘトたちのパトカー!
ボッサンは、黒のワンボックスが左の車線に来るのを待っていた。
左の車線に来ないと、ホヘトとオヴェのパトカーが運転席側に着けないからだ!
ボッサンはアクセルを少し緩めた。
すると黒のワンボックスは左に寄って加速して来た!
「ユオ!今だ、撃て!」
ユオは窓から手を出して、フロントウインドウ目掛けてペイントガンを撃ちまくった!
黒のワンボックスのフロントウインドウは、ペイント弾のグリーンで埋め尽くされた!
Bは目の前が緑色になって慌ててワイパーを動かすが、前は見えないままだった!
「うわっ!なんだこりゃ!緑色のインキを撃って来やがった!前が見えねぇ!」
Bがパニックになって叫んだ!
「やるなぁ。ドアの窓を開けて前を見るんだ!」
ローさんが落ち着いて指示を出す。
ローさんはRPG-7からAK-47に持ち替えると、コッキングボルトを引いた!
「目障りなパトカーめ!蜂の巣にしてくれるわ!」
黒のワンボックスが左の車線に移って、右側が開いた!
「オベ!パトカーを横につけろ!」
ホヘトが叫ぶ!
オヴェはアクセルを踏んで、黒のワンボックスの右に並んだ!
その時、運転席の窓が開いてBが顔を出した!
ホヘトは発煙筒を点火させて、運転席に投げ込もうとした。その時、その後の窓が開いて、AK-47の銃身が出てきた!次の瞬間、連射速度の遅い発射音と共に火を吹いた!
「うわっ!」
ホヘトは肩に銃弾を食らって、発煙筒を落としてしまった!
パトカーはたちまち蜂の巣にされ、オヴェはたまらずブレーキを踏んだ!
オッパイとアオイの乗ったディーノは、ホヘトとオヴェのパトカーの後ろにいた。
「このディーノにキズでも付いたら叶わんからな。前の2台に任せて、高みの見物といくか。
パトカー!もっと気張らんかい!お!パトカーが横に並んだ。
ホヘトが発煙筒を?…
落とした~。しょ~もない!
ホヘト~!あ~あ、ボロボロや。」
その時、パトカーのガラスの破片が、ディーノのフロントウインドウに、カチンッと当たった。
「何してくれるんじゃい!このボケガスが!
いてもうたる!アオイ、ナイフ持っとるな!お前の出番やぞ!いくぞ!」
オッパイは、シフトダウンすると一気に加速した!
「アオイ、車を横付けするから運転手をやったれ!」
「やってみるッス。」
アオイはディーノのサンルーフを開けて、屋根から体を出した!
ディーノは黒のワンボックスと並んだ。
この時ローさんは、AK-47のマガジンを交換中だった。
アオイはジャックナイフを出すと、窓から乗り出しているBの肩に狙いをさだめた!
Bがこっちを向いた時にアオイはナイフを投げた!
投げたナイフは、見事にBの肩に刺さった!
「ぐっ!」
Bは中に倒れ込んだ!
その拍子にハンドルが回って、黒のワンボックスは横転!火花を散らして滑って行く!
そして壁にぶつかって黒のワンボックスは止まった。
ムルシエラゴとディーノも少し先で止まった。
ホヘトとオヴェのパトカーは、後方で既に止まっているようだ。
横転した車からローさんが這い出して来た!
頭から血を流しながら、AK-47を肩から下げてフェンスをよじ登ろうとしている。
「まて、ゴゥラ!」
ボッサンが走っていくと、ローさんはAK-47を撃って来た!
とっさに飛び退くボッサン!
「それ以上近寄らない… ゲホッゲホッ… でね。」
ローさんはフェンスをよじ登って、反対車線に飛び降りた!
"キーーーッ"
目の前に突然現れた男にビックリして、急ブレーキをかける車!
その後ろも急ブレーキ!
その後ろは止まりきれず衝突!
次々と衝突していく!
ローさんは、目の前の車のフロントウインドウ越しにAK-47を突きつけて叫んだ!
「ドアを開けてくれる?」
運転手が迷っていると、ローさんはAK-47を空に向かって1連射した!
運転手はビクッとして、助手席のロックを外した。
ローさんは助手席に乗り込んで、車を発進させた!
ボッサンたちがフェンスを乗り越えた時には、車は走り去った後だった……




