第16話 首都高攻防戦! 前編
[第16話]首都高攻防戦!前編
都庁爆破に失敗したローさんとBは、黒のワンボックスで逃走した。
その後を追う、ボッサンたちのムルシエラゴ・ディーノ、ホヘト率いる警察のパトカー!
「ボッサン、あそこ!首都高に入る!」
ユオが指差す先に、首都高入り口のレーンに強引に割り込む黒のワンボックスが見えた!
ボッサンは、シフトダウンしてアクセルを踏み込む!
途端にV12エンジンが唸り、ロケットのような加速をしていく!
黒のワンボックスは、ETCのゲートを破壊して通過!
その後を追うムルシエラゴ・ディーノ・パトカー!
黒のワンボックスは、車の合間を縫うように前へ進んでいく。
離されない様についていくボッサンたち。
道が渋滞してきて車が徐々に詰まってくると、前の車に体当たりして蹴散らして、前へ進んでいく黒のワンボックス。
「あ、ひっで~!なんて奴だ!」
「この車にはぶつけるなよ!ぶつけたら指が何本あっても足りねぇ!」
一般車両より自分の指が気になるボッサン。
そのちょっと後ろを走るディーノは、
「なんて奴や。どうせならムルシエラゴにぶつけろ!」
ボッサンの不幸を願うオッパイ。
黒のワンボックスは、前の車を押し退けながら進んでいき、ボッサンたちは離されていく。
「一般車両が邪魔だ!パトカーを先に行かせた方がいいな!」
ボッサンはオッパイに電話する。
「オッパイ、パトカーを先頭に行かせろ!」
オッパイは右に避けて、後ろのパトカーに先に行く様に手で合図した。
ホヘトとオヴェを先頭にパトカー2台が、けたたましいサイレンを鳴らしながら追い抜いていく!
途端に、一般車両が端へ避けた。
その先に黒のワンボックスが見えた!
パトカー2台が加速していく!
ムルシエラゴとディーノが後に続く!
ホヘトとオヴェのパトカーが、黒のワンボックスの後ろに追いついた時、黒のワンボックスの後ろの扉が開いた!
中ではローさんが、RPG-7を担いで狙いを定めていた!
「ホヘトさん!ローさんがRPGでこっちを狙ってます!回避します!」
「こんな所でぶっ放…わっ!」
オヴェがハンドルを左に切ったと同時に、RPGが発射された!
ホヘトとオヴェのパトカーは避けたが、後ろのパトカーに着弾!
爆発!
ボンネットがふっ飛んだ!
その後ろを走っていたボッサンたちのムルシエラゴに、ボンネットが飛んできた!
「なに~!」
ハンドルを切って避ける!
リヤが暴れるのを立て直すボッサン!
炎に包まれてスローダウンしていくパトカーを横目で見ながら、
「あぶね~な、まったく!」
胸を撫で下ろすボッサン。
「もう1発来る前に終わらせるぞ!」
そう言うとボッサンは、アクセルを踏んでホヘトとオヴェのパトカーに並んだ。
ボッサンはオヴェに窓を開けさせる。
「お~い!催涙ガス弾持ってるか~?」
ボッサンが大声で言うと、ホヘトが乗り出してきて、
「群衆制圧の時しか積んでない!」
「じゃあ~、足元に発煙筒があるだろ~!国産車はみんな付いてるはずだ~!それをあの車の運転席の窓から放り込め~!」
「窓は閉まってるだろ~!」
「これから開けさせる~!俺が前に出て注意を引くから~、窓が開いたら発煙筒を投げ込んでくれ~!いいな~!行くぞ~!」
「分かった~!」
ボッサンは窓を閉める。
ユオがボッサンに、
「でもどうやって開けさせる?」
「そこのグローブボックスにペイントガンが入ってる。それでフロントガラスを撃って目隠しをする。すると?」
「前が見えないから運転席の窓から顔を出す!」
「そうだ!多分フロントウインドウも防弾ガラスだから割れんだろう。」
「車内は発煙筒の煙で運転どころじゃなくなるわけね。」
「上手く行けばな?」
ユオはペイントガンを手に取って、
「でも何でこんなの入ってたの?」
「GTRから持ってきたんよ。 何かの時にと思って積んであったんだ。ユオ!頼んだぞ!」
今までの渋滞も無くなりスムーズに車が流れだすと、また合間を縫って逃げていく黒のワンボックス。
その車内では、ローさんがRPG-7に次の榴弾を装填し終わっていた。
「さ~て、次にこの対戦車榴弾を食らうのはだれかな~?ンフッ♪」
ボッサンは、猛スピードで逃げていく黒のワンボックスにピッタリ張り付いていた!
そして、黒のワンボックスの後ろの扉が開き、RPG-7を構えるローさんが姿を現した!
「行くぞ!」
ボッサンはアクセルを踏み込んだ!




