第13話 都庁爆破を阻止せよ!
[第13話]都庁爆破を阻止せよ!
ー東京都庁第一本庁舎前ー
Red-Foxのメンバー、ローさんとBとMの乗った黒のワンボックスは、東京都庁第一本庁舎前に到着した。
ローさんは車を降りると、第一本庁舎を見上げた。
その2本の塔は、何かを放つ巨大な兵器の様に、天に向かってそそり立っていた。
「眠っているこのメガ粒子砲を起動させてやるぅ。」
ローさんは、ほくそ笑んだ。
BとMも車から降りて、リヤのハッチを開けてダイナマイト入りのバッグを取り出す。
「いいかな、打ち合わせ通りに行くよ~。10時40分にスイッチオン。タイマーは20分ね~。11時ジャストにズキュ~ン!ンフッ♪」
ローさんとMは1つずつ、Bは2つバッグを持って、第一本庁舎の正面玄関に向かった。
ー第一本庁舎内エントランスー
ボッサンとユオは、一足先に都庁に着いていた。
「ユオ、おいでなすったぞ!オッパイと連絡取れたか?」
窓からRed-Foxの3人を確認したボッサンが言った。
「今、都庁に着いたとさ。あ、パトカーも来たよ。」
ボッサンと背中合わせで窓の外を覗いていたユオが言った。
「よっしゃ!役者は揃ったな!」
第一本庁舎正面玄関に向かう、Red-Foxのメンバー越しに、ディーノ246GTがみえた!
Red-Foxの3人は、中に入るとバラバラに散った。Mは左、Bは右、ローさんはエレベーターに向かった。
オッパイとアオイが入り口から入って来た。
オッパイはボッサンに気が付いた。ボッサンが指でMを追うように指示すると、オッパイは2本指で敬礼してアオイと2人でMの後を追った。
ボッサンとユオは、気付かれないようにBの後を追った。
そして、ホヘトとオヴェと警官隊も入って来た。
Bは、辺りを見回すと、ジュースの自販機の横にバッグを置いて、時計を気にし始めた。
ボッサンはユオに目配せをすると、Bに向かって歩き出した。後からユオが追う。
ボッサンは、うつ向きながらBの横を何気なく通り過ぎようとした時、Bがボッサンに気がついた。
「あ!お前は!」
Bが背中に手を回した!
ボッサンとユオはBに飛びかかって、背中に回した手を押さえた!
「くそ!」
ボッサンとユオは、Bを床に倒して背中の銃を取り上げた!
「グロックか。オモチャはお預けだ。」
ボッサンは、銃をBの後頭部に押し付けた。
「この前みたいに暴れるなよ。」
ボッサンは銃を背中に隠して、馬乗りになってBの両手を押さえた。
ユオはバッグを開ける。起爆装置のタイマーは、液晶が真っ暗のままだ。
「ボッサン、タイマーはまだ起動してないよ!」
「よっしゃ!都庁爆破なんて、百年早いんじゃ!このボケが!」
ボッサンとユオの捕物騒ぎに、ホヘトが気づいた。
「いた!あのゴミ探偵!また何かやらかしてんな?」
ホヘトとオヴェは、男に馬乗りになってるボッサンの所に走っていき、
「やっと見つけたぞ、荻野目勇次!殺人容疑、その他諸々で逮捕する!」
ホヘトは、男の腕を掴んでいるボッサンの右手を押さえて、手錠を掛けようとした。その時、ボッサンは右手を引いた!
すると、手錠はボッサンの右手ではなく、ボッサンの掴んでいる男の腕にガチャリとハマった!
「あー!」
ホヘトが叫ぶ!
「ハナクソ、でかしたぞ!こいつが池谷鉄也殺しの犯人だ!こいつのナイフから、ルミノール反応が出るハズだ!」
【※ルミノール反応:ルミノール溶液を血痕にかけると、青い蛍光が見える事。たとえ血痕を拭き取っていても、微量の鉄錯体で反応する。】
ボッサンはそう言うと、Bのポケットからジャックナイフを出してホヘトに渡した。
ホヘトはキョトンとしていたが、首を降って、
「いやいや騙されんぞ!お前の容疑が晴れたわけじゃないからな!」
ボッサンはBのポケットから、今度は鍵を出しホヘトに渡した。
「この鍵は多分、鉄也の部屋の鍵だ。これが鉄也殺しの犯人の証拠だ。
しかもこいつはテロリストだ!爆破も食い止めたな!」
ボッサンは、ユオの持っているバッグを指差す。ユオはバッグの中身のダイナマイトを見せた!
「え?え~!ほんとにテロリスト?」
ホヘトが混乱してると、
「まだテロリストが2人、この建物の中でダイナマイトを仕掛けようとしている。早くしないと手遅れになるぞ!」
ボッサンはホヘトから、Bに掛けた手錠のもう片方を引ったくって自販機の足に掛けた。
「ユオ、行くぞ!ハナクソ、着いて来い!」
ボッサンとユオは走り出した!
「おい、こら!待たんか!オベ、そのバッグ頼む!」
ホヘトが後を追う!
ボッサンは、エレベーターの前で登りのボタンを押しながら、
「ユオ、オッパイとアオイに合流して、Mを取っ捕まえろ!俺とハナクソは、ローを追う!」
ユオは親指を立てると、あっという間に居なくなった。
「おいゴミ探偵!俺はハナクソじゃねーぞ!俺は北川…… 」
「俺もゴミじゃねぇ!展望台にいくぞ!」
扉が開いたエレベーターに飛び乗るボッサン!
ホヘトも乗り込む。
2人を乗せたエレベーターは、展望台へと加速していった。
ユオは、オッパイとアオイに合流した。
オッパイが、ユオの耳元で言った。
「正面のトイレの前に、バッグ持っておるやろ。」
オッパイの言う通り、トイレの前でMが、時計を見ながらウロウロしている。
「トイレに仕掛けるつもりか?中に入られたら厄介やな。」
「タイマーをスタートさせたら止められないッスよ!」
アオイが言った。
時計を見ながらウロウロしていたMが、急に立ち止まって、トイレに駆け込んだ!
「あ、女子トイレ入った。」
ユオが言った。
「キャ~!」
謝りながらMが出てきた。
「アホか。」
オッパイが言った。
Mが気を取り直して、男子トイレに入った。
「ヤバい!行くぞ!」
3人はトイレに駆け込んだ!
Mは奥の個室の前で、ドアを開けようとしていた。
「おい!」
オッパイが声を掛ける。
Mは慌ててドアを開けた!
アオイがナイフを出して投げた!
投げたナイフは、Mの目の前を通ってドアに刺さった!
「うわぁ!」
Mはのけぞって倒れた!
オッパイがMを取り押さえようと駆け寄る。
が、オッパイの動きが止まった!
「後ろに下がるッスよ。」
Mの手には 、拳銃がにぎられていた。
オッパイがゆっくりと下がる。
Mはバッグを持って歩いてくる。
「トイレから出るッスよ。」
オッパイたち3人は、トイレから出てきた。
Mもバッグを持って出てきた。
Mは拳銃を向けながら時計を見て、
「邪魔はさせないッスよ。」
Mはしゃがんでバッグを開けた!




