第11話 神倉一家!
[第11話]神倉一家!
レミに教えてもらった隠れ場所は、レミの家、すなわちレミの親父さん、神倉義麿の家だった。
「ユオ、お前インタホン押せ!」
ボッサンはユオの背中を押した。押されたユオは、渋々インタホンのボタンを押した。
“ピンポーン”
しばらくして、
「誰だテメェ!」
ドスの聞いた声で聞いてきた。
ユオが遠慮気味に、
「あのー、荻野目探偵事務所の者ですが…… 。」
「あ~?お披露目パンティでムショ?なんだそりゃ?」
インタホンの向こうで、すっとんきょうな事を言ってきたので、ユオはハッキリした口調で言い直した。
「は~?おぎのめ!荻野目探偵事務所!」
「お城で探険チクショ~?」
「お・ぎ・の・め!」
ユオは、インタホンに顔をくっ付けて怒鳴った。
「…… ちょっと待ってろ!」
ユオはため息をついた。
待たされる事1分。
いきなり門が開き始めた。
「入っていいって事だよな。」
ボッサンとユオはGTRに乗り込み、中へと進む。
見事な日本庭園の中を進んで行くと、奥にでっかい屋敷が見えた。
「監視カメラや赤外線センサーがあちこちにあるな。」
ボッサンが辺りを見渡しながらつぶやいた。
シャッター付きのガレージの列を過ぎ、玄関の前に車を停めて2人は降りた。。
1箇所だけシャッターが開いていたので、ガレージの中を覗いて見た。
ボッサンは驚いた。
「スゲ~な!」
F50、ムルシエラゴ、300SL Roadstar、356A、ベントレー、などなど、
最新スポーツカーやクラシックカーがズラリと並んでいた。
ボッサンとユオが、車を見てヨダレを流していると後ろから、
「こちらへどうぞ。」
といきなり言われたもんだからボッサンは、
「は、はい!」
と声が裏返ってしまった。
ボッサンとユオは、そのパンチパーマの兄ちゃんに連れられて、部屋に通された。
そこは30畳位の畳の部屋で、奥の床の間には鎧兜と掛け軸と壺が飾ってある。
その前に3人座っていた。
3人の前まで行くと、真ん中であぐらをかいている、着物を着た恰幅のいい男が、
「まぁ座れ。いつも娘が世話になってるな。ボッサンにユオ。神倉だ。」
2人は座布団に正座して、
「いやいや、レミにはいつも怒られてばっかりっすよ。」
とボッサンが言ったとたん、右の男が立ち上がってドスを抜き、
「てめぇ!お嬢に失礼だろ~が!レミさんと呼べ!レミさんと!」
すると神倉親分は立ち上がって、ドスを向けてる男のスキンヘッドをひっぱたいた!
「おいスズ!やめね~か!カタギの方にヤッパ向けるんじゃねぇ!」
「へい。」
スズは頭を撫でながら渋々座った。
神倉親分は座りながら、
「すまねぇな、ボッサン。こいつは血の気が多くてな。」
「大丈夫っすよ。それよりスズさんって、レミ、さんを荻野目探偵事務所まで送り迎えしてくれてる人っすよね?」
「ああ、そうだ。それがどうした!」
「レミさん言ってましたよ。『スズには感謝してるのよ。いっつも私を守ってくれてる。』ってね。」
それを聞いたスズは、
「え!レミお嬢がそんな事を!… お嬢~!」
スズはその場で泣き出した!
それをみて、神倉親分がまたスキンヘッドをひっぱたく!
「泣いてんじゃねぇ!バカ!」
ユオがボッサンに聞いた。
「え?レミって車で送り迎えしてもらってんだ。」
それを聞いた左の男は立ち上がって、ピストルを抜いてユオに向けて、
「テメェも呼び捨てにしてんじゃねーぞ!ぶっ殺すぞ!」
「ひぇ~!」
ユオが頭を抱えて丸くなる!
神倉親分は、ピストルを向けてる男の鬼ゾリの頭をグーで殴った!
「おいノア!このバカ野郎!カタギの方にチャカ向けてんじゃね~よ!」
ノアは、鬼ゾリの頭を擦りながらふてくされて座った。
「すまねぇな、ユオ。こいつは後先考えねぇで行動しちまうんだ。」
ユオは頭を上げて、
「全然大丈夫っすよ。」
するとボッサンが、
「レミさん言ってましたよ。『ノアさんは男らしいわ。』ってね。」
それを聞いたノアは、
「レミお嬢が…俺の事を…お・と・こ・ま・え。ウヒョ~!やった~!」
小躍りして喜んでいるノアの鼻先に、神倉親分は日本刀を抜いて向けた!
「これ以上ばか騒ぎしてると、叩っ斬るぞ!」
「へ、へい。」
ノアはションボリして座った。
ユオはボッサンの耳元で、
「ほんとにレミがそんな事言ったの?」
「言うわけないじゃん。あのじゃじゃ馬が。」
「ボッサン。それバレたら、ほんとに殺されるよ。」
ボッサンとユオは、苦笑いした。
神倉親分は日本刀をサヤに収めながら言った。
「それから、俺の事は『ラッキー』と呼んでくれ。」
ボッサンは聞いた。
「なんで『ラッキー』なんすか?」
「そりゃ~ラッキーな男だからさ~。ラッキーハロも40個以上貰ってるしね。」
「ラッキーさん、40個っておかしいっしょ!絶対バンナム脅してるでしょ!」
「な~に言ってんだろな。心の綺麗な人は、たくさん貰えるんだよ。ま~そんな事はどうでもいいさ。サツに追われてんだって?何処かいくんなら、車庫にある車使っていいぞ。」
「え?まじっすか!あざ~っす。」
ユオが横目で伺うとボッサンは、どの車に乗ろうかとニヤニヤしていた。
ーRed-Foxのアジトー
倉庫を出たアオイは、裏で待っているオッパイの元に向かった。
車の所に行ってみると、オッパイは腕を組んで寝ていた。
アオイは静かにドアを開けると、シートに座って思い切りドアを閉めた!
「うわぁ!」
オッパイは飛び起きた!
「ただいまっ!」
アオイはにこやかに言った。
オッパイはアオイをにらみながら、
「アオイ~!脅かすんじゃね~よ、まったく~!」
怒ってるオッパイを無視して、アオイは冷静に喋り始めた。
「明日の正午、12時に都庁を吹っ飛ばすらしいッスよ。
タイマー付きの起爆装置とダイナマイトを入れた黒のスポーツバッグが3つ。これを、BとMと俺で仕掛けるッス。
1つのバッグにダイナマイト30本。バッグ1つで、アジトの倉庫は軽く吹っ飛ぶ威力らしいッス。
明日の10時にアジトに集合して、都庁に出発ッスね。」
アオイは一気に喋って深呼吸した。
「明日か!とりあえず事務所に戻るぞ。」
オッパイは、キーを1つひねりウェーバーに燃料を行き渡らせてから、もう1つキーをひねりエンジンをかけた。
オッパイとアオイを乗せたディーノ246GTは、ゆっくりと走り出した。
その後を1台の車が追って行った……




