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須臾ノ欠片達

雫より映す、欠片達

作者: 月影彩依

少年は拳を握り

少女は泣いていた

少年は、全てから遠ざける為に

少女は、全てから心を守る為に


どちらも共通しているのは

何かを得たかった、それだけだった

得たいと願って、何がいけなかった

希うことは、罪なのか


……否

違う、但し、肯定ではない

否定でも

肯定でも

どちらも当てはまらない


なぜなら

希うことでは

何も成されない、何も生まない

成されなければ、論点さえも合わないのだ


少年は何を望んだ

少女は何を望んだ

ただ、この不合理な世界から

逃れたかっただけだというのに


それでも

闇の中では、何もできず


だから

少女は縛られ

少年は嘘を吐く


それで、命が助かるなら


それで、手に入れられるのなら


しかし、彼らは、迷う

彷徨い、震え、怯え、恐怖する

後悔の念が、押し寄せる


少しでも、和らぐと願って

赤雫が流れるまで拳を握り

温かな泉が枯れ果てるまで


清々しいほどに蒼い空を

禍々しいほどに紅い月を


少年少女は眺め

草木はそれを観る


心に、数えきれぬモノに、嘘を吐く者達を観て


草木は揺れて 嘲笑う

嗚呼 なんて滑稽なのだと


雫より映す、その色は

あまりに儚く美しく

そして

あまりに憐憫だったのか

僅かばかりの奇跡を


久遠の闇より

冷たくなった、者達へ



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