蛙の子は蛙
拙作「彼方へ…」はほぼ実話。あの物語に出てくる真実くんは実は女の子で、称理と言います。
この称理、通称あぐりんは、私と同じようにデカ女、若い頃の私と同じような職種を希望し、同じように声優オタ……
ま、放送開始時2歳のあぐりんに、「金田一少年の事件簿」と「名探偵コナン」を毎週欠かさず見せて情操教育した母が悪いか。
その甲斐あってか? あぐりんが初めて読めた漢字は何と「殺人事件」、2個目は「犯人」だったんですよね。ネタとしてブログに載せたりしましたが、親としては複雑です。あ、カタカナはかわいく「ポケモン」で覚えましたけど。これもゲーマー母の影響と言えばそうかも。
だけど……このあぐりん、中学生までまったく本を読まない子だったんです。アニメは見るけど、コミックスもあまり読まなかった。私のリア友に、「たっちゃんの子なのにね」と言われてきた奴なんですよ。
そのあぐりんがアニメをきっかけに二次(所謂夢小説と言う奴)にはまりました。最初はひたすら読むだけだったんだけど、そのうち書き始めちゃいました。
で、私が某ポータルに登録したとき、彼女も登録したいと言いだしたんです。聞けば、二次じゃなくオリジナル長編を書くと。目眩がしたけど、夫のアドで登録させました。
その時ペンネームが必要でしょ。あぐりんは母と違って名付けはあまり好きじゃなく、
「ママ、そのハンドネでさんざんあたしのことネタにしてんでしょ。いいよ、そのままもらっちゃう」
と、何とも短絡的に神山 称理と付けてしまいました。
最初はその名で二次も書いていたんですが、後日やっと二次は別名を冠してくれるようになりました。名前が一緒だと、母としては、ネタにしにくかったので、ちょっとホッとしてます。
ちなみに、その名は苗字まで書いてしまうとしかられるので、名前だけにしますが、凜。でも、それって、あぐりんのりんじゃねぇの? やっぱ我が娘、短絡。
親子で物書きをしていると言うと、うらやましがられることも多いけど、娘は母の作品だけは見ようとしませんし、母は娘にログインパスワード(夢小説は細かいパスワードを入れないと開けないタイプがあるでしょ)を教えてもらえません。声優の〇〇さんの誕生日なんて、知るかいっ! (いや、私の好きな声優さんなら分かるんですけどね)
ただただ、家でパソの争奪戦が繰り広げられるだけです。それに疲れた母はポメラに逃げました。
とまれ、これはあぐりんが幼児の頃には想像もできなかった事態です。『魔女の宅急便』でキキが
『魔女は血で飛ぶのよ』
と言うように、
「モノは血で書くのよ」
というのももしかしたらあるのかもしれません。