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魔葬少女外伝〜白き薔薇と希望の人形〜  作者: 暗黒神ゼブラ


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第十三話

本編の閑話その2と第十五話と同じです

第十三話


私が葵と魔を取り込んでいるとあの子の記憶が流れ込んできた。



「……はぁ、はぁ、なんの冗談なの蛍(ほたる)ちゃん!!」


「冗談? 日暮(ひぐらし)さんが願いを叶えてくれないから当然でしょ」


「当然って何よ……なんで私を殺そうとするのよ蛍ちゃん!!」


「だ~か~ら~、さっき答えたでしょ。私の願いを叶えてくれなかったって!!」


「その願いってなんなのよ、私聞いてないよ」


「はっ? 何それ、私話したよね死にたいって……それを否定したのは日暮さんでしょ」

「否定なんて、してない」


「アンタは否定したのよ! 私が死にたいって言ったら『普通に生きてたら思わないよ。大丈夫だよ蛍ちゃんは普通なんだから』っさ……私の身体の傷を見てもよくそんなこと言えるよね! 私は普通じゃないんだよ……楽になりたいんだよ。こんな地獄生きてるだけ価値がない。……だから必ず死ねる魔葬少女になったの、死ぬ前に誰かの役に立ちたかったから」


「……じゃあなんで私を殺そうとするの? 私は生きたいの……弟がやっと産まれたのに、まだ顔も見れてないのに……お願いだから、殺さないで、まだ死にたくないよ」


「ここで死ぬことは決まってるの。"惑て狂いて踊りまわれ、怨念奏樹(おんねんそうじゅ)"」


「蛍ちゃん、それだけはやめて……殺すなら普通に、痛みなく殺してよ。嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁぁぁぁぁ!!」


「さて次は誰を殺そっかな~、魔法を使ったら感情が減るって聞いたから魔法使いまくってるのに"自殺願望"が減らないじゃん。せっかくなら道連れは多くほしいなぁ……はぁ、なんで私生きてんだろ。良いなぁ日暮さんは死ねて……私も死にたい」


「ゴギァァァ!!」


「あっ、魔物だ。今度こそ私を殺して!!」


ドン……グチャ


「潰すだけじゃダメだよ。魔法が勝手に再生させるんだから。ほんと嫌になるよ死にたいって思うほど死ねなくなる魔法なんて……君は私を殺せないみたいだから、私が成仏させてあげる、羨ましいなぁ」


死にたいって言い続けたら契約霊にも見限られて結局一人……誰か私を殺して。


次は誰にしようかな、殺してくれそうな人がいいな。


確か最近顔合わせした雛がいるみたいなこと噂で聞いたけど、感情が極端に薄すぎる子がいるんだったよね。

その子なら私を殺してくれそうだなぁ、探してみよっと。


……いつかは誰かに必要とされたい、な~んていじめられる私がそんなことを願うこと自体がおこがましいよね。


死にたい


ザクッ……ザクッザクッ


もう嫌だ、楽になりたい。

なんで堕ちれないの……堕ちたら死ねるんじゃないの?


死にたい死にたい死にたい死にたい……ダメこれ以上考えたら魔法でまた死ねなくなる。

それだけは嫌だ私は絶対に死ぬんだから!


────


「お~い、クソビッチ何度男に股を開くんだよ~」

「違う、それは私の意志じゃ」

「結果が全てだろうがよ、テメェは男に股開いて三回も妊娠したクソビッチだろ」

なんで私は地獄を生きてるんだろ。

こんなの死んだ方が、楽じゃない……なのに死ねない。

何度死のうとしても毎回毎回止められる。

何が生きていれば幸せになれるよ……こんなになってまで幸せになって意味なんて無い。


……いっそのこと必ず死ねる方法があればなぁ、殺してもらえたら死ねるよね。


その後私に希望が訪れた。


「やあやあ、私と契約して魔葬少女にならないかい?」

「魔葬少女、そんなもんに興味はない。死ねるなら別だけど」

「魔葬少女はね、最終的には必ず死ねるよ。時間はかかるかもだけど……魔物っていう化け物と戦ったりもするから今よりは死にやすいはずだよ」

「それなら契約するよ。私を殺してね」

「約束するよ。私はミサト、君は?」

「私? 私はクソビッチだって……名前なんてあってもなくても変わんないよ」

「だったら君がなりたいものとかでもいいんじゃない?」

「…………蛍、誰かを照らせる蛍になりたい。死んだ後にでも」

「そっか、なら今日から君は蛍だね、よろしく蛍ちゃん」

「よろしくミサトさん」

「それから今日から君には相方の子と顔合わせしてもらうからね」

「……嫌だ!!」

「大丈夫、その子ならきっと君を殺してくれるよ」


────


いやぁ、私も変わったもんだね。

私を虐めた奴らは死んだけど、ま~ったく気持ちは晴れてないんだよね。

私の手で殺せれば晴れたかもなぁ


「……おおっ、強そうな子発見」


私は蛍、死にたがりの魔葬少女さ!


そうなんだね、私も最近特に思うよ。


私には葵に隠していることがある。


葵が魔葬少女になったきっかけであり、魔法の感情の飢えを作り出したこと。

私は葵のお母さんを殺して喰らったこと。

葵にお母さんのあんな残酷な姿を私が見せてしまった。


あの頃は感情が無に近かった、だからなんとも思わなかった。

そんなのただの言い訳だと、分かっているのに今になって胸が苦しくなる。

"人間らしく扱ってもらいたい"私の未練を葵が満たしてくれた。

そのおかげで少しずつだけど、感情を取り戻してきているのが実感としてある。


葵には私の過ちを知った上で今まで通り接してほしい。

だから私は焼肉の時に葵に伝えようとした。


葵は私が魔物だと言っても些細なことと言ってくれた。

私にとってその言葉が感情を取り戻してくれる。

葵を堕とさせるわけにはいかない、絶対に。


たとえ私が再び感情の無い魔物になっても、葵だけは私が守る。

そして最期は葵に成仏させてもらう。

葵以外は受け入れない。


「美月、魔を取り込みすぎではなくって!?」


大丈夫、葵のためならこれぐらい


「なんともない」


葵は私がお母さんを殺したことを知ったら……どうなるのかが分からない。

受け入れられなくても葵が私にしてくれたみたいに、私から少しずつ歩み寄ろう。


「蛍っていうんだね。安心して、貴女の願い通り私が殺すから。"傀儡の心(マリオネットゲミュート)"」


今なら私がどの感情を使っているのか理解出来る。

"期待"だ。

傀儡のように心のなかった私に葵が心を与えてくれた。

葵なら私の知らない世界を見せてくれる。

たとえどんな形でも満たされることは今の私でも理解出来る。


「この痛み、ようやく……ようやく願いが叶う。やっと……やっと死ねる」

蛍の最期の言葉を私はメモに残した。

彼女が精一杯生きた証になればと考えたからだ。

考えたから……ね、人間みたいになったけど、肉体は魔物なのは変わらない。

人間を裂くことだって造作もないほどの身体能力だってある私が人間らしくなった。

おかしな話だ。


葵と一緒に蛍を成仏させた私はある提案をした。


「葵、ご飯食べに行かない?」


その時の葵の表情ときたら、餌を求めて口をパクパクさせる鯉みたいで……葵の言葉で言うと愛いかった。


「みみみみみみ美月から、ごごごごご飯のお誘いですわ!! ふぁあ」


バタン


「葵!?」


葵は私に誘われたのが嬉しかったようで気絶した。


「私が絶対守るから葵」


柊さんに見つからないようにするのは多少苦労した。

町に降りた私は葵を起こした。


「葵、どこで食べるの」


葵は飛び起きながら叫んだ。「夢じゃありませんでしたわ!!」に私はクスッと笑ってしまった。


「美月が笑いましたわ……本当に何がありましたの? 普段の美月と変わりすぎですわよ」


私は変わった理由を説明した。


「わっ、私のおかげで変わったのですか? なんだか照れますわね~!」


今度こそ、葵に真実を話す。


決意した私は葵に食事をする場所を決めてもらった。

読んでいただきありがとうございます!!

更新は出来る時にしますね

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