表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

金子花梨の感慨

 私と爽子は、いつものように屋上でお弁当を食べながら、紗理奈の話を聞いていた。

 彼女は普通に話しているつもりのようだが、これはもうはっきり言って惚気のろけである。正直聞くに堪えないので適当に返事をしておくことにした。


「うー、『私の初めてを貰ってください』って迫ってたのに、実はヤリマンだったのが裕也さんにばれちゃったよー」

「それでも付き合ってもらえてるんでしょ」

「嘘をつき続ける手間が省けてよかったんじゃない?」


「今までちょっかいかけても反応がなかったから童貞かと思っていたら、エッチもかなり上手いんだよ。あれは相当に女慣れしているな。許せん!」

「紗理奈がそれを言う?」

「ほんと、どの口で言ってんだって感じだよね」


「かと思ったらさ、昨日なんか、高尾山へ行こうっていうから、帰りにラブホに寄るのかな、それとも外でするのかなと思って、すごく楽しみにしてたのに、何にもしないんだよ。ただ一緒に山に登って降りただけ。それも六時間もかけて」


「それで、楽しくなかったの?」

「え、楽しくなくはなかったけど、、、」


 途切れなく続く紗理奈の話をさえぎって、爽子が口を開いた。

「そんなことよりさ、ねこちゃんに、一発やったら回してあげるって約束してたでしょ」

「そうだよ。紗理奈がそんなに上手いっていうなら、楽しみだなー」

 

 紗理奈の表情がこわばって、口をパクパクさせている。これはマジ面白い。


「「冗談だよ」」

 たちまち彼女の表情が緩み、涙を浮かべている。


「ねこちゃんの馬鹿!」だってさ。

 あのヤリマン紗理奈をここまで変えてしまうなんて、恋ってすごいもんなんだなー。


「紗理奈、今すごく幸せだよね。よかった。よかった」

「…ん」

 

 私たちは、泣きだしそうになるのをこらえて唇をかんで頷く紗理奈の肩を抱いて、頭をよしよしと撫でてあげた。


「「めでたし、めでたし」」


(完)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ