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本郷裕也の来訪

 スーツにネクタイ姿の裕也さんが、私のマンションを訪れてくれた。

 リビングで母の前に座った裕也さんは、きちんと自己紹介をすますと、私の方へ向きなおった。


「紗理奈さん、好きです。僕と、お付き合いしてください」


 パトカーの中で「好きな女」と言われていたので、裕也さんの彼女になれるんだとは思っていたが、突然の、しかも母の前での告白に少なからずびっくりした。

 当然私に否はない。首を大きく縦に振りながら「はい」と返事した。


 裕也さんは母の方に向き直ると言った。

「お嬢さんは、ずい分と危っかしいところがあるみたいですが、でも僕はもうすぐ二十歳です。保護者になったつもりで彼女を見守ります。紗理奈さんとお付き合いすること、ご了解ください」

 

 私にはそれこそ星の数ほど男はいたけれど、ママにきちんと挨拶をした男性は初めてだった。彼の真摯な態度によほど安心したのだろう、ママは返事をすることも忘れて、泣き出してしまった。

 

 裕也さんは、困惑した顔を私に向け、小さな声で言った。

「お前、今までどんだけお母さんに迷惑をかけてきたんだよ?」


 ようやく感涙が収まると、ママが用意してくれた食事を、真っ赤な目をしたママと三人でいただいた。

 和気藹々とした食事が終わると、その日夜勤だった母は「自分の家だと思っていつでも遊びに来てね。紗理奈をよろしくお願いします」と何度も繰り返して、仕事に出かけた。


 三人の時はあんなに話が弾んでいたのに、二人になったとたんに私は何も言えなくなってしまった。

 こんな気持ちは初めてなので、それだけにもうどうしていいのかわからず、私は下を向いていた。


「それで、あの話はまだ生きているのかな」

「え、あの話って?」 

「私の初めてを貰ってくださいってやつ」


 裕也さんが、私が心の中で望んでいたことを言ってくれた。

「俺、紗理奈としたいんだけど、いいかな」


 裕也さんは私を立たせると、唇を重ねて来た。少し背伸びをして長身の彼の唇を受け止めた私は、それだけで膝がガクガクして立っていられなくなってしまった。

 

 私の部屋でベッドの上で、互いの服を一枚ずつ脱がせていった。

 裕也さんは、私のブラを外すと、胸の突起にキスをした。胸の鼓動が彼に聞こえてしまいそうなくらい高鳴なり、彼の唇が触れたところを熱源に、私の身体中が熱くなった。

 

 いよいよ最後の一枚を裕也さんが私の足から抜き取った。

 生まれたままの姿になった私の身体は、彼を受け入れる準備ができていたのだけど、それが恥ずかしくて、私は思わずしっかり太腿を閉じてしまった。

 今まではあんなに簡単に足を開いていたのに、一体自分はどうしちゃったんだろう。

 

 私の太腿の間に彼の手が滑りこみ、彼の指がゆっくりと私の中心の凹凸をなぞった。私は彼にすっかり身体を預けて、彼の指がもたらしてくれる快感に身を任せた。

 

 もうこれ以上は、と思った時に、ようやく裕也さんが私の中に入ってきた。

 すごく気持ちいい。でもそれだけではない。羽根布団に大切にくるまれたような安心感がある。こんな気持ちの良さは初めてだった。

 

 私の身体はあっという間に高みに引き上げられ、私はどこかに飛んで行ってしまわないように必死に彼にしがみついた。



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