日常:始まり:3.2
「んで、何が起きたって?理解できなかったんでもう一度言ってもらってもいいか?」
出入りの少ない、簡素な倉庫、そこに響き渡るのは低く、威圧的な声だった。
ほぼ廃棄されたその場所、保管されているものもめったに使うことのないもので、年に一度すら使用があるのか怪しい、その割には広いく、薄暗く、目立たない。
そんなこの場所は悪を気取る彼等にとって最高の条件の隠れ家であった。
それなりの広さの室内、奥に乱雑に積まれた荷物の一番上、大将でも気取るように腰を下ろす人物がいる。その下には先ほど痛い目を見た二人組が座らされていた。
先ほどの高圧的な様子とは別人のように萎縮し、怯えの色が見て取れた。
黙ったままでいる2人に上にいる人物は明らかな苛ついている様子で語りかける。
「技術化の連中にやられたって」
静かではあるが、有無を言わせぬ圧を感じさせる。
「しかも、1年のガキ1人に」
しばらく無言空間が続いた。
見下されている2人にとって、この時間は重く長い時間だった。
「お前等と俺が、つるんでるのはみんな知ってる話だ」
反応をうかがうように、見下ろす二人をじっと見る。
次の瞬間、
『ドンッ!!』
強く壁を叩く音に、眼下の2人はビクッと怯えた反応を見せる。
「この話はいずれ広まる」
何事も無かったように話を続ける上に座る男、
「俺に、恥、かかせんなよ」
そう言うと男は顎をクイッと上げ出口の方を指す。
「は、はい!!」
その意図を察したのか2人は慌てて立ち上がる。
「詫びは、落とし前つけてから聞いてやるよ」
その言葉に2人は深く頷き、惨めにこの倉庫を出ていく。
「やってくれたな」
1人残る男は誰に向けてでもなく呟いた。




