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New world  作者: 巻Salmon
同じ景色
10/15

日常:始まり:3.1

「魔術科の生徒2人相手か…」

2人きりの生徒会室、半開きの窓から差し込む風は未だ冷たい。

難しい顔をし壁にもたれ掛かり、腕を組むのはこの学園の生徒会副会長、『ジェスター=ステイシア』と、もう一人その書記役を務めるリアであった。

「はい、しかも相手は、あの一派です」

淡々と報告しながら風に揺れる髪をかきあげるミア。

「厄介な」

「技術科の実習棟付近に居たようです。」

「ふっかけたのは、奴らか…、平和の価値を理解できない、馬鹿どもが」

静かだがその怒りは本物だった。

「この件会長には?」

「いえ、まだ副会長だけです。」

「そうか、神出鬼没だからなあの人は」

何かを思い出したのか辟易した表情を見せるジェスター。

「…たしかに」

それに対しリアは他では見せることのない笑みを見せた。

見る人が見れば、目を奪われるそのリアの表情も、見慣れているのか、ジェスターは驚きもしない。

「定例会の時にでも伝えるか」

「定例会は来月ですが?」

「知っている。まあ、耳の早いあの人の事だ、すぐに聞きつけるだろう」

「何か、変な事を思いつかなければ良いのですが…」

リアの心底困った顔に、ジェスターはため息をつくことしかできない。

「…それは無理だろうな」

かけたメガネに太陽光を反射させ、ジェスターは風の入り込んでくる窓を静かに閉める。

「そうなる前に我々で何とかしよう」

決意を胸に、2人は生徒会室を後にする。

ジェスターを先頭に生徒会室を出て行く2人、あとにつくリアは何事も言わず、部屋の扉を施錠し少し、先を行くジェスターの後を早歩きでついて行った。


けして追いつかないが離れないようについて行くリア、この立ち位置が2人の関係性を物語っていた。


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