憩い
1ヶ月後 キーニア王国 女王私室
「マリー、紅茶を頼むのじゃ」
「かしこまりました」
この日、ルルンは私室にローシュを招いていた。まだ戦後復興の慌ただしい中、合間の時間を見つけてはローシュとお喋りをしたいからである。
「ローシュのおかげ戦争が終わり、順調に復興が進んでおるのじゃありがとう。今後、其方はど、どうしたいとかあるのか?」
視線を下げ、不安そうな表情にルルンに年相応の可愛らしさを感じたローシュ。
元来、何にも縛られることを嫌うローシュであったがシキと同じ黄金色の瞳だが光の輝きはそれ以上の少女に興味があった。
「ルルンの将来が見てみたいわね。そばにいられたら楽しそうなのだけれどどうかしら?」
パッと花が咲いたように笑みを溢し顔を上げ、やや興奮気味にローシュに尋ねる。
「それならこの国の相談役になってくれぬか?他の重鎮には妾が説得するのじゃ!」
小躍りするルルンをマリーは諌めながらローシュは微笑みながらいいわよとか答えた。
「お待たせいたしました。ハーブティーとお菓子です。」
マリーの淹れたお茶の香りを楽しみ、ひと口飲みルルンはむふーっ!と今日1番の笑顔であった。
「それでじゃがここ最近忙しくてな
ローシュの事を教えてくれぬか?
吸血鬼は伝承や伝説、文献などでしか知らぬのじゃが人間との差違と生活に必要なものがあったら言って欲しいのじゃ」
絹のようなブロンドが揺れるルルンの質問に
「基本的は人と同じ生活はできるわよ。
日光もにんにくも銀の釘も弱点ではなくにんにくは大好きよ♪
あとはそうね〜吸血行為は負傷した場合のみかしら?
私は少し特殊な吸血姫だから必要ないわね」
「ふむふむ了解なのじゃ。
何か不自由なことがあれば何でも言ってくれていいんじゃぞ?わ、妾達は友なのだから」
照れる顔にそっと優しくローシュなのだった。
コンコンッ
「サルジュ様でございます」
部屋の外の近衛から伝えられたルルンは少し溜息を吐きながらすぐに行くと伝えローシュを見上げた。
「今日はもう終いじゃ...すまんが執務にもどるのでな。
また明日、お茶でも付き合って欲しいのじゃ」
労いを込めてまた明日ね、相談役の件よろしくと伝えローシュは光となり消えていった。
「あぁ、また明日な」
その小さな女王の声は空へと霧散した。
小説って難しいですね。
各キャラの設定がまだ曖昧にしか表現されてませんが私の中ではガチガチに決まっています。
徐々に放出していきます。
あとがきは言い訳場所です。