僕は、僕たちは、命の上に生かされている
僕たちは今、生きている
命の上に生かされている
何かを犠牲にして生きていて
何かを犠牲にせず生きられない
どんなに小さな命であっても
何かを対価に命を得ている
そうして得られた命の上に
僕たちは日々生きている
生きてくことがとても辛くて
けれども助けを求められずに
一人で辛さを抱え込んだまま
流す涙さえ枯れてしまって
ここから逃げる事も許されず
明日から逃げる事も許されず
生きてく意味を見出だせないまま
夜を迎えて、朝を迎えて
自分に価値は見出だせなくても
何かを対価に生きているのなら
身に取り込んだ命の価値は
世界のどこかに消えたのだろう
誰も信じることが出来ずに
生きることを止めることも出来ずに
ただ、今、生きていく、それだけを
機械のように繰り返してた
そのうち自分の生きる世界は
この手の届く範囲だけになり
隣で誰かが泣いているのに
そんな姿にも気付けなくなり
自分の知った事が全てで
自分の考えた事が全てで
それが何を引き起こすかなんて
どうでもいいとさえも思わない
自分の決めた事が全てで
自分の信じた事が全てで
それが世界の意志かのように
当然のように引き鉄を引く
僕たちは今、生きている
命の上に生かされている
何かを犠牲にして生きていて
何かを犠牲にせず生きられない
価値ない僕が出来ることなど
価値ないことかもしれないけれど
それでも何かがしたいと思う
僕は今、ここに生きているから
生きてくために命を奪う
それが生きてく者の摂理で
植物だろうが動物だろうが
変わることのないそれが真実
捕食以外の目的のために
人は命を奪うけれど
人でない生き物だって
同じように命を奪う
人が他と違って見えるのは
「生きるために必要な犠牲」が
多種多様になりすぎていて
だから比較が困難なだけ
自分の価値を高めるために
何かを犠牲にするものもいれば
自分の心を守るために
何かを犠牲にするものもいる
誰かを助ける、そのためだけに
自分を犠牲にするものもいれば
多くの人の幸せのために
何かを犠牲にするものもいる
目的は全部違うようで
目的はどれも一貫している
自分にとっての生きてく価値を
実現したいという目的で
僕たちは今、生きている
命の上に生かされている
何かを犠牲にして生きていて
何かを犠牲にせず生きられない
隣の誰かが泣いてることも
気づくことのない僕なんかでは
誰かのために出来ることなんて
何も無いのかもしれないけれど
それでも何かがしたいと思う
僕は今、ここに生きているから
だから僕は今、前に踏み出す
命を対価に生きているから