第二十九話
魔法研究所を出た晴也達は、ティカーレン川のほとりを歩いていた。
エルンティカから湧く水によって流れるこの川は、しかし晴也が想像していた以上にその規模は大きいものだった。対岸が辛うじて見えるくらいに川幅が広く、流れは意外にも早い。
川に橋を架ければ移動もしやすいだろうに。そう思っていた晴也だが、しかしこの川の規模を見ればそんな意見も引っ込む。確かに、橋を架けるよりも船で川を渡ったほうが安上がりだ。
そう思った矢先に、晴也の中に疑問が浮かぶ。南部から西部へ移動するのに最も速いのは川を渡ること。その割には、川には船が一隻に見られなかった。思えば、川を渡るのにも神殿からの許可が必要だと言っていた。神殿が出張ってくるということは、この川にも何かしらの所以があるということだろうか。
「見えてきましたよ、シオタ様。あそこが船着き場です」
そう言ってエルノアが指差したのは、晴也が想像していたよりも貧相な掘っ立て小屋だった。その小屋の屋根にはエルダフィートの国章が入った旗が風に揺れ、川に伸びる桟橋には確かに何隻か船が停められている。確かに船着き場に見えるが、魔法研究所が管理していると聞いたら、もっと大きく立派な施設を想像していた。
そんな晴也の様子に気づいたのか、ジルバが晴也の肩を叩いた。
「言いたいことはわかるが、研究所のほうに金を使い過ぎたんだ」
「ああ、それで……」
研究所の一面ガラス張りの渡り廊下。高価なガラスをふんだんに使ったあの施設ばかりに資金を集中させれば、こういった施設の質が悪くなるのも無理はないだろう。そんな二人の会話を聞いてエルノアも苦笑を浮かべた。
船着き場の中では、魔法研究所に勤務している青年がつまらなそうに頬杖をついていた。他にも騎士が数名、卓を囲み札遊戯に一喜一憂する声だけが虚ろに響いている。
しかし、そんな緩み切った空気も、船着き場の戸が開かれる音で一気に引き締められる。
戸を開けたのはジルバだった。彼女が船着き場の中に入ると、後にエルノアが続く。彼女の姿を見た途端、青年も騎士達も一気に背筋を正した。
「で、殿下! お早いお着きでしたね」
慇懃に首を垂れた青年は、驚いたようにそう口にした。
「ええ。少し早めに研究所を出たので。それで、船を一隻貸していただけますか?」
エルノアの言葉に合わせて、ジルバが懐から二枚の許可状を取り出した。一枚は魔法研究所から管理している船を出す許可を。もう一枚は、神殿から川を渡る許可を出したことが記されている。
それを短く一瞥すると、青年は机の上に置いてある印章に朱を塗り、それらに力強く捺印した。
「はい、これで大丈夫です。少し待っててください。今、船を出す準備をするので」
そう言うと青年は、卓で遊戯に興じる騎士を一瞥し、裏口から外に出た。青年に睨まれた騎士達は、ゆったりした動作で椅子から腰を上げ、同じように裏口から外へと出ていった。
船着き場の中に人がいなくなって、ジルバがあからさまに溜息をついた。
「まさか、ここまで杜撰な管理をしているとは」
騎士達が囲んでいた卓の上に散らばった遊戯用の札や、掛け金と思しき硬貨を見て、ジルバは落胆したようにそう吐き捨てた。
「流石にこれは、抗議しなくてはいけないな」
所属が違えど、騎士団の長であるグライダムはそう口にした。もとより第四騎士団は、魔法研究所の協力という、騎士の本懐から外れた任務を与えられ、一部の騎士から左遷騎士団などと揶揄されている。それに思うところがないグライダムでもないが、些か先ほどのような態度は問題だった。
「あれ、そう言えば……」
それに気づいた晴也は、思わず船着き場の外を覗き、別の騎士がいないか確かめた。他に騎士の姿がない。視線を船着き場の中に戻すと、晴也の声に三人の視線が晴也へと向いていた。
「どうかしましたか?」
「いや、今回の護衛はグライダムさんだけなんだなって思って。この前は結構な数の騎士がいたから、今回も大勢いるのかって思ったんだけど……」
グライダムの実力を疑っている訳ではない。晴也は監視塔での出来事を忘れていなかった。頭を下げたその一瞬の間に距離を詰められ、下げた頭を上げさせないように首筋を掴まれていた。戦いの素人でしかない晴也にはそれが途轍もない技術のように見えた。しかし、それとエルノアの護衛とでは事情が違うだろう。王族の護衛は身を守る以外にも、王族としての権威を象徴しているのだと晴也は考えていた。故に大仰な人数を引き連れているのだとばかり思っていた。しかし、今回はグライダム一人。それが妙に思えた。
「神殿側もやたらに俗人を川の中に入れたくないんです。だから、許可ができたのは一隻分。他の人まで連れていく余裕がなかったんです」
「ああ、それで……」
そう言う意味ならここにグライダムしかいない理由も納得だ。そう思う一方で、神殿も随分とけち臭いとも思った。川を渡るのに許可が必要なんていうのは不便すぎる。
などと思っていると、裏口から出ていった青年達が戻ってくる。
「お待たせしました。船の用意ができたので、こちらへどうぞ」
そう言うと青年は晴也達を裏口へと招いた。青年について行って外に出ると、以前エルンティカの塩の柱に行くのに使った手漕ぎの船とほとんど同じものが川に係留されていた。
四人で川を渡るのだからそこまで大きなものではないと考えてはいたが、まさか以前と同じ小舟で大きな川を渡るとは思いもしなかった。
晴也は一度川を見る。その流れは早いが穏やかだ。しかし、場所によっては川底の石や幾線の流れが絡まって白波が立っている場所もある。そんな場所を渡るには、些かその小舟は頼りなかった。
そんな晴也の思いとは裏腹に、他の三人は続々と青年が用意した船に乗っていく。ジルバは船頭に、グライダムは船尾で櫂を手に持つ。その間にエルノアが腰を下ろす。
「さあ、シオタ様。どうぞ」
「あ、ああ……」
エルノアに促されて、晴也も船に乗り込む。川の流れで揺れる船体にまごつきながら、どうにか晴也も船に乗り込み、エルノアと対面するように腰を下ろす。
全員が船に乗ったのを確認すると、青年が対岸のほうを見た。そして、手に持っていた何かの道具を掲げる。すると、その道具が緑色の光を放った。その光を左右に何度か揺らすと、今度は対岸から黄色い光がゆらゆらと揺れるのが見えた。
青年がそれを確認すると、光を消し、道具を懐に収め、船を係留していた縄を解きにかかった。
「それでは、お気をつけていってらっしゃいませ」
その言葉を最後に、船と桟橋とを結びつけていた縄は解かれ、川の流れに従って船が進み始めた。
緩やかな流れに乗った船は、随分と安定感があった。川を眺めようと少し乗り出してみても揺れは少ない。ただの小舟と思っていたが、魔法研究所が管理する船だ。何かしら魔法的な細工が仕組まれているのかもしれない。
「そう言えば、さっきの人は船を出す前何をしてたんだ? 向こうから黄色い光が光ってたけど……」
「あれは合図です。片方が勝手に船を出しても、対岸で迎えてくれる人がいないと、留めるのが大変ですから」
「西部側の船着き場に船を出すって知らせてたのか。じゃあ、さっきの光は魔法の道具?」
「はい。エルディンに反応して自在に光を発する道具です。ただ、消費するエルディンの量が多いので、専ら連絡用に使われています」
「船着き場の仕事は他にもある」
エルノアの説明に付け加えるように、後ろからグライダムが話に混ざった。
「船着き場の役割は船の管理だけではなく、船が無事に川を渡れるようにすることも仕事の一つだ。船着き場を出た船が、無事に対岸を渡れるように、双方の船着き場で魔法を行使している」
「魔法?」
グライダムの説明を受けて、晴也は試しに船を揺らして見せた。しかし、まるで何かに支えられているように船がびくともしない。この絶対的な安心感は、船に魔法的な細工がされている訳ではなく、岸の船着き場で魔法を行使しているための物だったということだ。
「それに、見た目こそ自分が船を操舵しているように見えるが、実際は櫂を使う必要はない」
「魔法で船を動かすから?」
晴也のその言葉に、グライダムは頷いた。
「もっとも、今櫂を抜いてみせても、川の流れに押されているように見えるだろうけど」
そう言ってグライダムは笑みを浮かべた。
以前から感じていたことだが、エルダフィートの魔法の技術はかなり高いように思えた。そもそも、上下水の概念が存在しないという時点で、どれだけ魔法が万能且つ、人々の生活の根底に根付いているのか推し量れる。
この世界に来たばかりの頃、晴也が魔法の無い世界から来たと口にしたとき、ジルバがどれだけ野蛮な世界から来たのかと驚いていたのを思い出した。確かに、これだけ魔法技術が根底にあると、魔法のない世界とは酷く原始的な世界に映るだろう。
魔法の万能性。それは確かに、神から授かったと言っても過言ではないだろう。一方で、どうにもこれだけ魔法に依存した世界を、晴也は少しだけ気味が悪いとも感じた。それは、晴也が自在にエルディンを利用できないためのやっかみという意味合いもあるが、どこかあやふやな、神の奇跡というものに生活を支えられているという事実が、現代の日本の価値観を有している晴也にはどこか覚束なかった。
「どうかなさったのですか?」
心配そうにエルノアがそう訊ねる。考えが顔に浮かんでいたのか、晴也はすぐに笑みを浮かべて誤魔化した。
「いや、それだけ船を渡す技術が栄えてるなら、もっと川を渡ろうとする人とか、そう言う商売をする人とかいそうだなって思ったんだけど……やっぱり神殿がうるさいの?」
晴也の言葉に、エルノアは思わず苦笑を浮かべた。
「確かに、川を渡るときの神殿はうるさいですね。エルンティカから伸びるティカーレン川を、神殿は聖地への階と捉えている人が多いんです」
「経典の最後にも似たような記述がある。神より塩を授かった者は、やがて塩が示す階を通い、聖域へと揺蕩う。神殿はこの塩が示す階をティカーレン川と捉えているんだ」
「塩が示す階……」
それが川というのも奇妙なものだ。あるいはエルンティカ同様、この川も海のようにしょっぱいのだろうか。試しに船から腕を出して指で水面を浚い、僅かに濡れた指を口に咥えた。
水を含んだ瞬間、口内に蔓延する泥の生臭さ。決して人が口にするようなものではないその臭いに、晴也は慌てて口の中の水を川へと吐き捨てた。
「お前、何やってるんだ?」
晴也の奇行を呆れたように眺めていたジルバが、溜息交じりにそう口にした。せき込みながら口の中の泥臭さを可能な限り吐き出してから答える。
「いや、エルンティカの水がしょっぱかったから、この川もしょっぱいのかなって思って……」
「流石に、ここまで流れてくるまでに塩が薄くなるみたいで、この辺りはほとんど普通の水と変わらないんです。上流のほうだと、しょっぱいところもあるみたいですけど」
咳き込む晴也の背中をエルノアが優しく擦る。
エルノアに礼を言いながら、晴也は一つ息を吐いた。未だ口の中は泥臭さが目立つが、それでも少しはマシになった。できることなら水で口の中を洗い流したいところだが、今はそれよりも気になることがあった。
塩。ジルバの物言いでは、経典にもそれは登場するらしい。そして、聖剣の力にも関わってくる。これが単なる偶然とは晴也には思えなかった。
そこからなら、もっと聖剣について理解できるのではないか。そう考えた晴也だが、次第に腹から何かがせり上がってくる気色悪さに、顔色が青くなり始めた。
乗り物酔いには強いはずだったが、如何せん口内の泥臭さが気持ち悪さを助長させた。
酔いを紛らわせるように晴也は空を見る。吹き抜ける風が頬を浚うと少しだけ気分が紛れる。それでも、口の中から泥の臭いが抜けるまでは、しばらくこのままだろう。
対岸の遠さに晴也は絶望しながら、早く向こう岸の船着き場に着けと心の中で唱え続けた。
*
グリムシャニス内にあるメンティア邸の一室に、オーセムはいた。
部屋の卓に着いているのは、メンティア邸の主である領主、アルトーラ・メンティア。そして北部シューエバッフ領の領主、ノディス・シューエバッフ。三領主とその従者一名が背後に付き、一室に集っていた。
「――これが、今回の件の顛末です」
南部監視塔の事実的な陥落事件。その仔細を説明し終えたオーセムは、呼吸を整えるように一つ深く息を吸い、卓に置かれていた木杯の水を口に含んだ。
「で、では何か? 監視塔に在籍している騎士は、あるいはガグランダの手先の可能性があるということか?」
青ざめた顔をし、卓に手を吐きながらアルトーラがそう詰問する。
「そう考えるのは些か早計かと。確かに南部監視塔はガグランダの手に落ちていました。しかしこれは、彼らが計画していた隧道の建設地との兼ね合いだと考えられます。メンティア領で何かしらの企てがないのであれば、監視塔が掌握されている危険性は少ないと考えます」
「ぬるい! 可能性は確実に排するべきだ! 身の安全は注意を怠った瞬間から亀裂が走るのだ」
そう言うとアルトーラはすぐ背後に控えていた自らの侍従に命令を下す。初老の侍従は彼は恭しく頭を下げると、きびきびと部屋の外へと出ていった。
安全に固執するのは、アルトーラが臆病であることが理由ではない。勿論、それも理由には含まれているが、西部を統治する彼の領地の防衛が穴だらけということはすなわち、王国全体の防衛線が後退すること意味している。つまり、彼がここまで安全に固執するのは、ひとえに王国への忠義の現れであると言える。
「しかし、南部監視塔なんて国境から最も遠い場所です。連中は、どのようにして監視塔を掌握したのでしょう?」
誰しもが頭の中に明確に浮かぶ疑問をノディスがそう口にする。
「それは殿下とも話し合いましたが、地位の高い人間に、裏切り者がいるのではないかと」
「つまり我々領主か、他の貴族共。騎士団長やその副官もあるか。大臣、王族ということもあり得る」
オーセムの言葉にアルトーラは忌々し気にそう吐き捨てた。地位の高い人間と絞っても、その数は多い。そこから南部監視塔と繋がりのある人間を組み合わせていけばもっと絞ることもできようが、表を浚っても、裏での繋がりとなると深く探りを入れなくてはならない。今のエルダフィートに、それほどまでの調査をする余裕はないだろう。
アルトーラやノディスは南部監視塔の件の報告が本題と考えているが、オーセムはここからが本題と考えていた。
「これは、エルノア様の考えなのですが」
先日、魔法研究所でエルノアが語った考えをオーセムがその場で説明した。あるいは、ガグランダがこの時期に攻め込んでくるかもしれない。それに反感を持ったのやはりアルトーラだった。
「攻め込んでくる? この時期にか? いや、確かに不意打ちとしては好機かもしれないが、その程度で揺らぐほど国境の防衛は柔くないぞ」
国境防衛にはアルトーラも意見を出し、尚且つ資金や物資の提供も惜しみなく行っている。それ故に、彼の領地は他の領地に比べると租税が高いが、それでも防衛能力の拡充は他の領地とは比べ物にならないだろう。外敵に対する安全性。それがメンティア領の売りだ。
「ええ、それは重々承知しています。ですが、内部への防衛力は外部の防衛力に比べれば見劣りするでしょう」
その言葉を聞いて、いち早くオーセムの意図を察知したのはノディスだった。
「まさか、オーセム殿は既にこの領内に、ガグランダの手先が潜伏していると申すのか?」
「あり得ない!」
強い語調でアルトーラは否定する。彼は国境防衛以外にも、検問所への支援も欠かしていない。国境防衛は第一騎士団の領分だが、検問は第三騎士団の任務だ。アルトーラはそのどちらの騎士団にも多額の寄付を行い、彼の意見によってかなり厳しい審査項目を設けている。アルトーラは自ら考えた項目に自信を持っている。故に、その項目を乗り越えた人間に、不審な人物などいないと考えている。
「ですが、ガグランダはほぼ不可能とされることを成してきました。今回も、あり得ないと考えるよりも、可能性があると捉えて、それを潰しに動くのが合理的では?」
「……っ」
つい先ほどの問答が役者を変えて繰り返されたことに、アルトーラは音がなるほど歯噛みする。
「承知した。確かに、国内に裏切り者がいる可能性は捨てきれない。内部の調査は行おう」
「こちらも了解です。帰り次第、自分の領でも調査を行うこととします」
「よろしくお願いします」
オーセムのその言葉を最後に、話は一度締められた。
緊張感の漂う部屋の空気が、僅かに弛緩する。一つ嘆息を吐いたアルトーラは、背もたれによりかかり肩に手をあてがった。
「それにしても、俺が領主の内にガグランダが侵攻を企てるとはな」
侯爵家メンティアが西部の領主となってから、五十年近くたっている。その間にメンティア家は三世代と代替わりし、各代の当主はそれぞれ他国からの進攻に常に気を遣っていた。そのためか、メンティア家の当主は代々短命であるというのは有名だ。
それを思うと、自分の命はガグランダが攻め込んでくるまでかもしれない。そう思うと、今まで多くのことに怯えていたのが馬鹿らしくなってくる。寿命も底が見え始めると、人は大胆になれるのかもしれない。悔いを残さないように。
「悲観することはありませよ、アルトーラさん」
どこか諦観を表情に浮かべるアルトーラに対して、オーセムは微笑みかける。
「あなたが今までしてきた努力は無駄になりません。あなたが作り上げたこの領こそが、あなたを守る盾になるのです」
「そうですよ! それに、アルトーラさんが外国から国を守るために築き上げてきたものを、アルトーラさん自身が信じてあげなくちゃ、誰もこの領の信じて守ろうと思えません!」
二人のその言葉は、アルトーラの心に染み渡るようだった。
どこかで打ちひしがれていたのだ。他国からの進攻を食い止め、国を守るため、そして民を守るために様々な対策を行ってきた。しかし、いざ自分の代で他国からの進攻が始まるかもしれない。そう聞かされて、自分がしてきたことは果たして正しかったのか。今の状態で本当に進行を食い止めることができるのか。そんな不安に苛まれた。そして、そんな不安を諦めの言い訳にしてしまっていた。
「……二人の言う通りだ。確かに、俺が俺のしてきたことを信じてやらねば、誰も俺を信じてはくれないか」
領主となったならば、最後まで責任を持たなくてはならない。守り切っても、守り切れずとも。生きている限りアルトーラはメンティア領の領主なのだ。領主として、その責任を全うせねばならない。それは、怖いからと諦めて放棄していいものではない。
「すまない、少し悪い方向に考えすぎていたようだ」
「アルトーラさんは臆病ですからね」
そんな軽口を叩いたノディスに、アルトーラは鋭く睨みつけた。二人の様子眺めながらオーセムは、ノディスから貰った焼き物の小瓶の封を開け、中の蜂蜜を指で掬い舐めた。
痺れるような甘さに、オーセムはほくそ笑んだ。
第二十九話を読んでいただきありがとうございます。
次話もよろしくお願いします。




