十三名の決死隊
第三堡塁まで前進してきた砲兵隊が牡丹台に向けて砲撃を始めた
「おお、春樹無事か?」
幸助が立ち寄る
「ああ、大丈夫なんとも無い」
「あれ、お前銃は?」
「壊れちまっただからずっと軍刀で戦ってた」
「お前よぉ軍刀で戦えたなぁ」
「昔剣術やってて良かったぜ」
二人はお互いの無事を確かめ合った
「それにしてまさかガトリング砲が備え付けてあるとな」
「俺たちもあの持って来た銃を使えばいいんだよ、名前はマキ、マキ、マキなんだっけ?」
「マキシム機関銃な、それにあれは総攻撃前に故障して使えないらしいしな」
マキシム機関銃については明治二十年にマキシム機関銃が日本に数丁輸入され無断でコピー生産された明治二十七年の時点では野戦用、要塞用に200丁近く生産されていたが当時の生産技術では精巧なコピーを作れず故障や動作不良を頻繁に起こす質の悪い物がほとんどだった、日清戦争に用いられたかどうかは定かではないが用いられたとされる資料も「活躍した」という記述はない
それからしばらく時間が立ち八時ごろ大砲の砲音ともに何かが崩れた音がした
「牡丹台の一郭が崩れたぞ」
牡丹台の一郭が崩れたと同時に待機していた歩兵部隊が突撃する
「進めー突撃ー!」
午前八時ごろ守備兵との交戦の末、牡丹台を制圧したそして両支隊の砲兵は乙密台の清軍に対し集中砲火を与えた
「これより玄武門開城のための決死隊を発表する」
支隊長から決死隊の選抜あったその選抜者たちは原田重吉他十三名が選抜されその中に春樹の名前もあった
「死んでもいいから門を開けてこいってことか、それに幸兵団(第三師団)の奴らと一緒か」
春樹は何か探し始めた
「お前何しとるん、選ばれたんじゃけぇ早う支隊長とこ行かにゃ」
「うんわかってる 今銃探してんだよ流石に刀持って行くわけには行かないだろう、お、あったあった、ちょっと借りるぜ」
そう言うと春樹は他の兵士の村田銃を拾った
「それじゃあちょっくら門開けてくるわ、あ、そうだ後この刀持っててくれ」
「どして?」
「近接戦は銃剣より軍刀方が得意なんだよ、じゃあよろしく」
と、言うと春樹は走っていった
春樹たち決死隊が支隊長の前に集まると支隊長の訓示を聞いた
「貴様ら決死隊にはこの平壌陥落の鍵が掛かっている 賢くも大元帥陛下におかせられては大本営を広島にお進めになり自らも広島にお行きになり指揮をとっておられるこの大元帥陛下のお働きにこの平壌陥落の報を持って答えるのだ」
「はい!」
「よし、かかれ!」
春樹たち決死隊は玄武門開門のため玄武門の城壁に向かっていった




