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真・恋姫†夢想~朱霊伝~「六人目の大将軍」  作者: 羅貫厨
3章・董卓+何進=動乱
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~洛陽動乱~――我が君は――

書き上がったので投稿します。


やっと通常の流れに戻せました。


いやー、漢中での話からここまでホントにグダグダで読んで下さってる皆様に申し訳なかったです。


駄文なのは変わらないんですけどね(笑)


そして今回も例に漏れず駄文の嵐ですがお付き合い下さい。

 廖化に伴われた審配は韓忠の伴侶である黄月英がいるという厳顔の屋敷に来ていた。



「おい、廖化。何もここまでするこたぁねえだろ!?こんな事しねぇでもこのじじぃは逃げやしねぇ!」


「逃げる逃げぬの問題ではない。最悪の状況を想定した上でこうしているだけの話だ」



 現在審配は後ろ手に縛られ、目隠しをされた状態で膝を折らされている。


 その様は断罪を待つ罪人その物。



「テメェ…まさかとは思うが、じじぃが奥方様を害するかもしれねぇなんて下らねぇコト考えてんじゃねぇだろうな」


「そのまさかだ。言った筈だぞ。最悪の状況を想定した上でこうしているとな」



 厳顔の屋敷に到着してからここに来て廖化と周倉の心配に対する態度は激変。


 審配を罪人の様に扱う廖化に対し、周倉が審配を庇う様に食って掛かった。



「――周倉。私が厳顔殿の屋敷を探している間、審配殿に何か吹き込まれたか?随分と庇い立てするではないか」


「んだと!?俺が裏切ったとでも言いてぇのかテメェは!」


「そうは言わぬ。だが、今のお前は――「そこまでにしておけ。ここに二心を抱いておる者はおらぬ」」



 言い合いになった周倉と廖化を審配が制した。



「ようやくここまで来たのだ。つまらぬ啀み合いなどするでない。

 其れがしは逃げも隠れもせぬし、ましてや奥方をどうこうするつもりもない」


「だからってよ!これはねぇだろうよ!?これじゃまるで罪人じゃねぇか…」



 審配の扱いに納得いかないのか、周倉が顔を顰めるものの、



「はっはっは!これで良い。廖化殿の危惧は最もだ。主君筋の者を守らんとするなれば当然の事よ」



 当の審配は縛られ目隠しをされているにも関わらず笑っていた。



「理解して貰えている様で何よりだ。後は奥方様がどうなされるかで全ては決まる。

 ――私は奥方様を呼びに行ってくる。周倉、ここは任せたぞ」



 審配の言葉に安堵したのか、廖化はこの場を周倉に任せ屋敷の中へ姿を消した。



「……じじぃ、すまねぇな。俺にはもうどうしてやる事も出来ねぇ。

 ただ、もし奥方様がテメェを斬れと言ったら苦しませねぇ様に一太刀で終わらせてやるよ…」



 それだけ言うと周倉は腕を組み、目を閉じて沈黙した。



 ◇◇◇



「奥方様。廖化に御座います。屋敷の前に我が連れの者等を案内して参りました」



 廖化が部屋の入口で膝を着き頭を垂れ声を掛けた。



「廖化君ありがとう。もう少し待って貰えるかしら?すぐにお茶の準備を終わらせちゃうから。

 あなたの言っていたお友達の皆さんはまだお外なのかしら?」



 部屋の中から年若い女の明るい声が廖化の声に応えた。



「はい。ひとりは周倉と申す者で私と同じく韓忠様の配下だった男です。

 ……もうひとりは…、――我々と敵対していた官軍の将に御座います」


「え……?官軍の、将――?」


「はっ。漢の三傑がひとり、朱儁の配下で名を審配と申す者です」


「…なんでその審配さんがここに………まさかっ――」



 審配の存在を知り、何かを察したのか慌てた様に部屋の中から女が姿を現す。


 相当慌てていたのか、その手には盆が握られたままだ。


 この女こそ韓忠の妻、黄月英である。



「…その『まさか』です。宛を占拠していた我々荊州黄巾軍は官軍を相手に敗れました」



 頭を垂れたまま廖化は事実を口にする。



「…っ!――あの人は…韓忠はどうなったのですか?」



 月英は言葉を詰まらせながら韓忠の身を案じたものの、



「我々は宛が陥落する前に韓忠様によりこちらへ派遣された故、詳細はわかりませぬ。

 ただ、審配の申していた事が本当であるならば韓忠様は既に…」


「――っ!!」



 希望とは真逆の事実を廖化が仄めかした。



「…その審配という方はなんと言っていたのですか…?」


「――主である朱儁の命と韓忠様の願いを受け、奥方様を保護すると申しておりました。

 そして、韓忠様は生きてはいないだろうと…」


「………………っ!」



 廖化の言葉に『ミシリッ』と木材が悲鳴を上げる音がした。



「!?」



 慌てて廖化が視線を上げると、木製の盆が無残にも破壊される所であった。


 女性でありながら大した握力である。



「なっ・・・!?お、奥方様――?」



 握力のみで盆を粉砕した月英は唖然とする廖化を尻目に言葉を紡ぐ。



「…保護ですか。廖化君、その審配という方に引き合わせて貰っても良いかしら?」


「ははっ。…元よりそのつもりですが…、その前にひとつだけ宜しいでしょうか?」


「何かしら?」



 廖化は額から嫌な汗が滲むのを感じていた。


 厳顔の屋敷を探し出し、面会を求めた時に見せていた柔和な雰囲気はどこへ消えてしまったのか…。


 当初、廖化は月英の柔和な雰囲気を見てこれならば事を必要以上に荒立てず穏便に済ませる事が出来るやも知れぬと計算していた。


 だが、そんな廖化の計算とは裏腹に月英は冷たい殺気を纏い彼を圧倒していた。



「心中お察し申し上げますが、復讐は益になりませぬ。

 もしどうしてもと言うのであればお止めする事は出来ませんが…、審配を害せばどうなるか――」



 怒りを含んだ彼女の言葉と思いも寄らぬ怪力に廖化は戦々恐々といった感じで必死に且つ慎重に言葉を選びながら連ねていく。


 廖化は知らなかった。


 月英は韓忠に嫁ぎ、家庭に入るまでは荊州南部にて長沙太守である韓玄配下の将として弓を引いていた事。


 そして、韓忠でさえ腕を使い物にならなくしてしまった程の強弓である『颶鵬』の本来の持ち主が彼女であった事を。



「それに審配は韓忠様より大和の真名を預かった身。

 …もしこれを斬れば韓忠様の意に背く事となりこちらの義が立ちませぬ」



 廖化は額を流れる汗を拭う事無く、月英が怒りに任せて審配を害してしまわぬ様に言葉を繋いだ。



「…それは会ってみてから決めるわ。さぁ、二人の所へ案内してくれるかしら?」



 しかし月英は廖化の胸中を知ってか知らずか、会ってから決めると言い、目を細めた。



「――はっ」



 月英の圧に飲まれた廖化はそれ以上言葉を紡ぐ事が出来ず、首を縦に振る事しか出来なかった…。



 ◇◇◇



 両の手を縛られ、目隠しをした状態で膝を折らされてからどれだけの刻が過ぎただろうか。


 視覚を封じられた状態であるからだろうか?


 研ぎ澄まされた五感は鋭敏となり、僅かな衣擦れの音や肌を撫で付けていく風の感触のひとつひとつを余す事なく脳裏に刻み込んでいく。


 そんな中、不意に前方から言い様の無い圧迫感が流れて来たのを審配はひしひしと感じ取っていた。


 開かれる扉の音と共に二人分の足音が近づいて来るのが分かる。


 後方からザッっという地を踏みしめる音と共にパシッっという乾いた音。


 周倉が姿勢を正し礼を取ったのが感じて取れる。



「お、お初にお目に掛かります!俺は韓忠様の配下で周倉と申します!」



 周倉の言葉が緊張を含んでいるのが感じられる。



「そう。良くここまで来てくれました。ありがとう」


「…はっ!勿体無きお言葉!」


「――それで、そこの方が審配殿ね…」


「――!(むぅ…。これ程の圧と刺す様な鋭い視線―。只者では無いな)」



 聞こえたのは艶のある年若い女の声。


 だが、その感じる存在感は視線だけで射殺せるのではないかと思える程に鋭い。



「ふむ。韓忠殿も並外れた男であったが、その奥方も並ではないな」


「…………」


「――ふむ」



 探りを入れる様に言葉を投げた審配だったが、月英は反応せずに鋭い視線を投げるばかり。


 成り行きを見守ろうとしていた周倉と廖化であったが、月英の沈黙と発せられる圧に耐え切れなかったのか、



「…審配殿。屋敷にて事のあらましは奥方様に御報告した。何か申し開きはあるか?」



 と、廖化が声を投げた。



「いや、其れがしに語る言葉は無い。廖化殿が語ったのであれば後は奥方に全ての判断を委ねるのみよ」


「そうか…。わかった。奥方様、今一度良くお考え下さい。

 この者を処断したとしても韓忠様がお戻りになられる訳ではありませぬ。感情のまま復讐に身を焦がせば先に待つのは破滅のみです」



 審配の意を確認した廖化は向き直り、月英を諭す様に言葉を紡ぐ。


 周倉は沈黙したまま事の成り行きを見守っていたが、



「周倉君はどう思っているのかしら?」



 月英の矛先が自身に向くと、



「…っ!俺は…、俺は奥方様の意思に従うだけです。斬れというのであれば斬ります。生かすというのであれば生かします」



 唾を飲み込み月英に対し頭を垂れた。



「そう。なら………」



 周倉から審配に視線を移した月英。



 鋭いその眼差しは冷たく審配と捉えている。



「……っ」


「むぅ…」



 周倉と廖化は月英が何を考えているのかが読めず、額から頬に伝う汗を拭うばかりだったが、



「―――斬りなさい」


「「――――!!」」



 月英の下した命に目を大きく見開いた。



「…やっぱこうなっちまうか」



 半ば諦めた様な呟きが周倉の口から零れた。



「奥方様!本当によろしいのですか!?」



 廖化が再度確認する様に月英に対し言葉を強く投げ掛けるが、



「………」



 月英は目を閉じ沈黙で返すのみであった。



「…じじぃ。奥方様の判断が出た。分かりきっちゃあいた事だけどよ、約束通りテメェの首は俺が落としてやるよ」



 ジャリッっという音と共に周倉が審配の背後に立った。



「うむ。…斬られる前にひとつ良いだろうか?」



「あ?なんだよ?」



「目隠しを外して貰いたい」



「そんな事で良いのか?」



「うむ」




 するりと目を覆っていた布が解かれ視界に光が戻る。


 審配は膝を折ったまま器用に体の向きを変え洛陽のある北へ視線を向けた。




「おい、じじぃ何を…?」




 審配の行動に首を傾げた周倉であったが、




「ふっ…。我が君は北におわすのだ」



「ああ、そうかい…」




 北に目を向け笑みを零す審配の言葉に納得した。



 周倉が腰に履いた剣に手を掛け、抜き放たれる剣が鞘と擦れ合い独特の音を奏でる。




(この世に生を受けてから四十余年。この様な形ではあるが我、死地を得たり。

 願わくばこの憎しみの連鎖が其れがしの命を以て終わらん事を――)




 北に目を向け姿勢を正した審配。



 その表情に曇りはなく、ただ真っ直ぐ主のいる方角を静かに見ていた。




「…あばよ、じじぃ――」




 周倉がその首に別れの言葉と共に断頭の刃を振り下ろした―――


今年ももう残す所残り僅かです。


皆様は今年は良い年になりましたでしょうか?


羅貫厨はこの朱霊伝を書き始めてからあっという間に時間が過ぎちゃいまして夏に遊びすぎたくらいの記憶しかありませぬ(汗)


え?まだクリスマスが残ってるって?


恋人もいない独り身の羅貫厨には全く関係のないイベントですよ(笑)


末永く爆発しやがれリア充共!(祝)



次回も投稿予定は未定ですがなるべく早く投稿出来るように頑張りまーす!

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