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真・恋姫†夢想~朱霊伝~「六人目の大将軍」  作者: 羅貫厨
3章・董卓+何進=動乱
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~洛陽動乱~腐る命・憎しみの連鎖

書き上がったので投稿します。


駄文ですがお付き合い下さい。

 審配、廖化、周倉の三人は二日ほどの休みを摂った後に成都を発ち、目的地である江州へ到着していた。


 道中、周倉が恒例の如く審配を挑発するかと思われたのだが、成都を発ってからは逆であり、江州までの道程で口を開く事は無かった。


 余りにも周倉が静かだった為に廖化が心配になって声を掛けたものの、



「うるせぇ。今は話し掛けんな」



 と、取り付く島も無かった。


 江州が近付くにつれ眉間に刻まれる皺が深くなっていく様は、審配を斬る事になった時の為に極力関わりを絶とうとしているかの様に見えた。


 城下に入ってから周倉の強ばった表情の眉間に刻まれた皺はこれ以上に無いと思える程に深く、両の拳は固く握り絞められている。



「…審配殿。申し訳ないが少しの間だけ周倉の事を頼む。私は奥方様が世話になっているという厳顔殿の屋敷を探してくる」



 今は声を掛けても無駄だと判断したのか、廖化は審配に周倉を任せ返事を待つ事無く街中へ消えて行った。


 廖化を見送くると審配は黙ったまま微動だにしない周倉の隣へ並び、その表情を伺うが、



「じろじろ見てんじゃねー。気色わりぃんだよ」



 と、言葉を投げ放ち周倉は顔を逸らしてしまった。


 その子供の様な反応に審配の脳裏にふとある考えが過る。



「…まさかとは思うが、お主臆しておるのか?」


「――っ!!……うっせーな。わりぃかよ?戦場で敵を殺すなら割り切れるってもんだがよ…。

 こんな街中で無抵抗の奴を処刑しなきゃなんねえっつーのは胸糞がわりぃんだよ」


「ふむ…。そうであったか」



 ここに来て素直に心情を吐露した周倉。


 審配は自らの考えが間違っていた事に気付いた。


 周倉が審配を挑発していたのは覚悟を決めさせる為だけでは無かった。


 彼自らが断頭の刃を振り下ろす為の覚悟を決める為だった。



「……じじぃ、ひとつ聞かせろ。テメェは死ぬかもしんねえっつーのになんでそんなに落ち着いてやがる」



 そっぽを向いたままそんな疑問を口にしてくる。



「――それは其れがしにも解からぬ」


「は?てめーの事だろうよ。わからねぇハズがねーだろ」



 審配の言葉に苛立ったのか、周倉が審配を睨みつける。


 審配は軽く周倉へ視線を向けると、そのまま天を仰いだ。


 その視線の先を一羽の小鳥が飛び過ぎて行く。



「…いや、本当に解らんのだ。未練も数え切れぬ程に残っておる。

 …だが、不思議と恐怖は無い。もしかすると其れがしの命は既に腐っておるのやもしれぬな」


「命が…腐る…?」



 審配が吐き出した言葉に周倉の目が点になる。


 聞いた事もない言い回しであった。


 そんな周倉の反応を知ってか知らずか、天を仰いだまま審配は言葉を紡いでいく。



「うむ。其れがしは長きに渡り戦場で多くの命を奪って来た。その代償やもしれぬ。

 命を奪う事に慣れ過ぎたが故、其れがしの命は腐り、奪われる事にさえ何も感じ無くなってしまったのだろう」


「なんなんだよそりゃ…」


「簡単な事よ。其れがしの中で命という物が軽くなってしまったのだ。敵味方、自身を問わずにな。

 それだけ敵だった者を屠り、味方を死なせて来たのだ」


「納得いかねぇな。ならなんでテメェは漢中で医学なんぞに手を出したんだよ?命が軽いっつーなら医学なんぞに手は出さねぇだろうよ」


「…ふむ。言われてみればそうだな。この歳になって未だ自身の事さえ見極められぬとは…、其れがしも未熟よな」


「ちっ!変な事聞くんじゃなかったぜ。…いつか俺もテメェみてえに命が腐る日が来んのか……?」



 周倉が審配の視線を追う様に天を仰ぐ。



「其れがしには何とも言えぬな。これからも世が乱れたままであるならば可能性は低くはあるまい。

 この先お主がどれだけ戦場に立つ事になるかは分からぬが、命を奪えば奪った分だけ心は死に腐って行くだろうよ」


「これからの世が乱れたままだったら、それは俺達黄巾を潰したテメェら官軍のせいだぜ」


「さて、それはどうであろうなぁ。『もしも』の話に意味は無いが、黄巾が勝っていた場合世は泰平に向かっていたやも知れぬし、変わらぬ可能性もある」


「――じじぃ。テメェの命が腐ってるって意味がなんとなく分かったぜ」


「ほう?其れがし自身に解からぬ事がお主には解ったのか」


「ああ。テメェは疲れちまったのさ。ずっと戦い続けて来たっつー終わりの視えない乱れた世ってヤツによ…。

 俺達は世が変わるかもしれないなんて甘っちょろい希望に縋って勃ったんじゃねぇ。

 俺達が絶対に世を変えてやるんだって気持ちで勃ったんだ!

 まぁ、負けちまったんだけどよ…」


「…ふむ。そうか…。フッ、全く人の世は侭ならぬ物よな」


「ちっ。俺達黄巾と敵対してたテメェにソレを言われると皮肉にしか聞こえねぇよ」



 周倉は視線だけを審配へ流し、軽く舌を鳴らす。



「おい、じじぃ。テメェが奥方様の前に立った時、奥方様はテメェで恨みを晴らそうとする可能性がたけぇ。

 もしそうなった時、俺はテメェに声を掛ける事は出来ねえだろう。

 言い残す事があるってんなら今の内に聞いておいてやる」



 不器用ながら出来る限るの気を使った言葉を周倉が投げた。


 その言葉が意外だったのか審配は一瞬目を丸くし、次の瞬間に大きく笑った。



「はっはっはっは!よもやお主からその様な気の利いた言葉が出るとは思わなかったぞ。流石に少々面食らったわ」


「ぐっ…!笑うんじゃねーよ。未練が数え切れねー程残ってるってほざいたのはテメェだろうが」



 審配に笑われた事に恥ずかしくなったのか、周倉は頬を掻きながら視線を逸らした。



「いやいや、すまぬ。人間思わぬ事を言われると笑いを堪えられぬ様だ。

 くっくっく…。ああ、お主のその心意気を有り難く利用させて貰うとしようぞ」



 笑いを堪える様に喉を鳴らしながら懐から一枚の文を取り出した審配。


 笑みを堪えていた表情が一転、真面目な物と変わる。



「もし、其れがしがこの地で果てたのであれば、この文と我が首級を殿へ届けて貰いたい」


「コイツは…?」


「これはもし韓忠殿の奥方が其れがしを弑した場合、お主や廖化殿を含めその罪が咎められぬ為の嘆願書だ。

 命を奪い奪われる事で連鎖する憎しみはどこかで歯止めを掛けねばならぬからな」


「――――じじぃ…、テメェは…。いや、わかった。もう何も言わねぇ」



 審配に何かを言いかけた周倉であったが、途中で言葉を切り急ぐ様に文を懐にしまい込んだ。


 周倉のその目が二人へ向かい小走りで駆け寄って来る廖化を捉えていた。



「廖化!奥方様のいるっていう厳顔殿の屋敷は見つかったのか?」


「ああ、少し前にな。だからこうやって急ぎ戻って来たのだ。厳顔殿は留守であったが、奥方様は在宅であった」


「ふむ。韓忠殿の奥方はなんと?」


「まだ何も話しておらぬ。…審配殿。ここから先は私の指示に従って貰うぞ」


「心得た」


「では、先ずこちらに剣を渡して貰おうか―――」



 江州に着くまでの途上とは違い、廖化から放たれた言葉は冷たさを伴った物だった。



本来はサクッと江州での話が進んでいるハズだったのですが、思いついたまんまをねじ込んでしまったので全然話が進んでおりません!


今回の審配さんと周倉君のやりとりもねじ込んだ思いつきのせいでグダグダでした。


次回の予定も未定です。

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