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真・恋姫†夢想~朱霊伝~「六人目の大将軍」  作者: 羅貫厨
2章・歌姫+黄巾=乱
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〜黄巾の乱〜終戦

黄巾の乱編が終わります。


駄文ですがお付き合い下さい。

  敵総大将の波才を打ち破り戦も一段落。


 波才の首を華琳に渡して功にして貰ったら俺の計画通りです。


 ただ、受け取ってくれるかがわかんないんだよねー。


 朱霊です。



 戦場に残してきた兵達は俺の行動に困惑してる様です。


 勝ち名乗り上げちゃうと黄巾の残兵が死兵になって襲って来る可能性が高かったので敢えて放置しました。


 波才は思ってた以上に求心力が強かったみたいで、黄巾兵達は悲しみに暮れたまま大人しくしてる模様。


 そのまま大人しくしてて貰おう。


 近くに烈火、白蓮、星がいるので後はなんとかしてくれると思う。

 

 みんな丸投げしてごめんよ。




 さて、波才の首を渡す以外にやらなきゃいけないことがもう一つ。


 左豊という臭い肉だるまのおっさんの処置。


 黄巾兵の前で首を落とすのが効果的だろうか?


 護衛の二人は生かしたまま派遣してきた奴の下に送り返してやろうかな。


 十中八九、宦官共だろうけどね。


 以前、荀爽の私塾では玉蘭に止められたから先送りにしてた宣戦布告。


 左豊の首を以て今度こそ宣戦布告してやろうじゃないか。


 そんな事を考えながら華琳率いる曹操陣営へ到着。



「ご苦労様。見ていたけれど波才はあなたの相手としては小物すぎたのではなくて?」



 出迎えてくれた華琳が波才を小物と断じた。


 この覇王様から見たら大概の人間が小物だろうよ…。



「首だけの奴の存在をアレコレ言うつもりはないさ。で、コレは受け取って貰えるんだろうな?」



 華琳に波才の首を投げ渡す。



「趣味の悪い贈りものね。受け取って欲しいというのなら貰ってあげるわ」


「…是非貰ってくれ。華琳には早いトコ地力を着けて貰わないと俺の計画に差し障る」


「わかったわ。受け取ってあげる。その代わり…」



 波才の首を抱えニヤリと悪い事考えてそうな顔をする華琳。


 ちょー怖い!



「いずれ私の願いを聞いて貰うわ」


「あん?華琳の願い?まぁ、構わないけどよ…」


「…ふっ。今の言葉、忘れるんじゃないわよ。春蘭、秋蘭。帰るわよ」


「「はっ!」」



 言いたい事を言ったら踵を返して去って行く。


 華琳の願いってなんだろうなぁ…?


 ちょっと早まったかもしれん。



 と、思ったら春蘭が引き返して来て、



「忘れるところだった!おい志牙!波才とかいうあんなザコ相手になにをやっている!?少し弛んでるぞ!次会うまでに変わってなかったら私がお前に気合を入れ直してやるからな!はっはっはー!」



 と、コイツも言いたい事だけ言って去って行った。


 流石は脳筋代表と言いたい所だけど、俺の騎乗戦の拙さはちょっと不味いかもしれん。


 気の鍛錬と一緒に騎乗戦闘の訓練も白蓮さんに付き合って貰おう…。





 華琳達が去った後、俺も自陣へ戻り森羅に報告。



「波才の首は華琳に渡した。計画は概ね順調だな」


「そうか。所で烈火達から苦情が来ている。『せめて冀州袁家の兵を困惑させる様な事はするな』だそうだ」


「…すんまそん」



 烈火達が収めてくれたみたいだけど、後で謝っとこう…。



「それよりも、だ。督郵の左豊をここらで使ってしまいたいのだが」



 どうやら森羅も俺と同じ考えだったらしい。


 問題はどうやったら最も効果的に使えるかなんだが…。



「左豊は俺が斬った方が良いか?それとも黄巾兵に殺らせるか?」


「ここは志牙だろうな。東海王が参陣しているからこそになるが、不正を働こうとした督郵を東海王の命を以て処断するというのが最も効果的かもしれんな」



 皇帝の血族にあたる東海王である桃香の命。


 王族が後ろ盾であり、王族が不正を糾弾するという良い策だ。


 だが、俺は桃香に英雄になるなと言った。


 出来れば命を奪う命令は出させたくないと言うのが本音だ。


 ――これは俺の甘さだろうか…?



「桃香、か…。森羅、桃香の名を出さずに使うのならどうすれば良い?」


「…?どういう事だ」


「桃香を後世の為に英雄になるなと言ったもんでな。出来ればアレには無辜のまま後世の語り部に置きたくてな」


「ふむ…。――後世の為か。なら直接の命は避けたいという事で良いな?」


「ああ。そういやこの事は森羅に言ってなかったか…」


「ふっ、構わん。事前だろうと事後だろうと俺のする事に変わりはないからな」


「すまん。助かる」


「気にするな。そう難しい問題ではない。左豊は皇帝の名を使って賂を要求した事実があるからな。処断する理由としては十分だ」


「わかった。俺は左豊の所へ行く。準備が出来たら呼んでくれ」


「心得た」



 準備を森羅に任せ左豊の下へ。


 コイツを送り込んで来たのは間違いなく宦官、若しくは宦官の息が掛かった奴だろう。


 まぁ、左豊がただの馬鹿で何も考えずに賄賂をせびりに来たとかじゃなければだけど。



「よぅ左豊。気分はどうだ?もう少しでお前の処刑が始まるんだが、言い残す事があったら聞いてやるぞ」



 どう考えても悪役のセリフですね有難うございます。



「…いくらだ?いくら包めばこの左豊を見逃してくれる?」


「それが辞世の句か?随分と欲に塗れてるな」



 コイツは金でなんでも思い通りになるとでも思ってるのかね?



「こ、この左豊はまだ死にとうない!左豊は張譲様に言われて来ただけなのだ!」


「――張譲、ねぇ…。ある程度は予測してたとは言え、十常侍の筆頭とはね…」



 張譲。字は不明。


 霊帝に我が父とまで呼ばれ敬愛された男だ。


 実はこの張譲という男は正史の記述で黄巾党の信奉者だったとされている。



「この左豊を殺せば張譲様と敵対する事になるんだぞ!良いのか!?」



 虎の威を借る豚ってところかね。


 張譲が虎とは思えないけど。



「お前は俺の宦官共や不正を働いてるクソ野郎共に対する宣戦布告の贄になって貰う。今まで良い思いをして来たんだろ?その報いが来たってだけさ」


「頼む!この左豊を助けてくれ!」



 命乞いをする左豊がうるさかったが、森羅の準備が整ったと伝令がやって来たので左豊とその護衛二人を引っ立て刑場へ引き摺って行く。



 刑場周辺には皇甫嵩と包先生率いる官軍、諸侯三軍に孫家と曹操軍。


 そして義勇軍と投降した黄巾兵達が居並んでいる。



 俺は引き摺って来た左豊達を群衆の前に放り出し、腰に穿いていた剣を抜く。



「ここに集う者達はよく聞け!我らは命を掛けそれぞれが国の為に戦って来た!そんな中で督郵という地位に在りながら皇帝の御名を使い賄賂を要求してきた愚か者がいる!」



 俺の言葉に群衆の視線が左豊達に集中するのが分かる。



「この者は左豊。十常侍の一人である張譲の手の者だ!事もあろうか陛下より乱の平定を仰せつかった盧将軍に賄賂を要求、拒否した盧将軍を陛下に讒言し罷免に追い込もうとした!」



 張譲という名を聞き群衆がざわつく。


 皇帝に侍っている十常侍が皇帝の意に反し、乱を平定する為に軍を率いている将軍を陥れようとしたという事に驚いたのだろう。



「討伐軍側は乱を平定する為、黄巾側は朝廷の腐敗を正す為に本来であればしなくとも良い闘争に身を投じる事になった!それは単にこういった左豊の様な汚吏管理が原因である!!」



 俺の言葉に黄巾兵達が呼応し『そうだ!そいつらが漢を腐敗させてるんだ!』や『こいつらは民を苦しめてるだけだ!』といった言葉を荒げている。



 ―ここで俺は漢を滅ぼす第一歩を踏み出す―


 もう後戻りは出来ない。



「因って此処に陛下の御名を使い不正を働こうとした左豊を処断する!」



 俺の側に控えていた烈火が左豊を無理やり立たせ俺の前でその膝を折らせた。


 俺に対し首部を垂れている格好とをなった左豊が震え、チョロチョロという水音と共に強いアンモニア臭が立ち篭めた。



「…げ、コイツ漏らしやがった…」



 烈火が小さく悲鳴を上げる。


 うん、その気持ちが良くわかる。


 マジで臭い。



「さて、左豊。覚悟は良いな?」



 断頭の刃を頭上に振り上げる。



「ひ、ひぃ、お、お助―」



 刃を振り下ろし、左豊の命乞いの途中で首を刎ねた。



「―さて」



 転がり落ちた左豊の首を見て護衛の二人は顔を真っ青にして震えている。



「お前達は生かしておいてやる。左豊の次はお前達の番だと飼い主に伝えろ」



 取り押さえられていた左豊の護衛二人は開放されると這々の体といった感じで走り去って行った。


 処断した左豊の首と体は黄巾兵達が八つ裂きにし、火を放って焼き払っていた。



「これで漸く目的への一歩だな」


「まぁ、道程は長そうだけどな」



 森羅と烈火が俺の隣に並び焼かれた左豊の肢体に目を向ける。



「ここからが本番だ。今まで以上に忙しくなるだろうな。森羅、烈火。これからも宜しく頼むよ」


「任せておけ」


「おうよ!あ、そうだ!!志牙、開戦前にオレッチが言おうとして止められた話はちゃんと聞いてくれよ?」


「白蓮を嫁にしたいんだろ?」


「そうそう!それよそれ!ちっとばっかし相談に乗ってくれよ」


「やれやれ…。こういう時は最後まで締めろと言いたい所ではあるが…、俺の著書が役立つかもしれん案件である以上無視は出来んな」



 結局なんだかんだ言いながら俺達のアホさ加減はどこでも変わらないらしい。



 次は反董卓連合…。




 俺は彼女らと戦わねばならないのだろうか―――


やっと黄巾の乱が終わりました。

もうしばらくは戦争を書きたくないでござる。

と、いう訳でしばらくはほのぼのとした話を書いていこうかなと思っております。

次回から新章に入るので宜しくお願いします。

次回は9/12に投降予定です。

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