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真・恋姫†夢想~朱霊伝~「六人目の大将軍」  作者: 羅貫厨
2章・歌姫+黄巾=乱
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~黄巾の乱~朱儁と韓忠

盆休みに入ってから友人達と遊びすぎて更新が遅れました。

すいません。

駄文ですがお付き合い下さい。

 ~荊州宛城門前〜



 朱儁は使者の劉辟に伴われた褚貢、韓忠、裴元紹と対面していた。


 三人は当初後ろ手に縛られ目隠しをされた状態で引き出されており、まるで処刑を待つ罪人であった。


 漢朝に刃を向けたのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、朱儁には彼らを罪人として扱うことは出来なかった。


 直様目隠しを外させ、拘束していた縄を切らせた。


 三人は『罪人である我らを何故?』と訝しんでいたが、



「誇り高き烈士達をだだの罪人として斬る事は出来ぬ」



 という朱儁の言葉に納得するしかなかった。


 こうして彼らは漢の腐敗の除かんと立ち上がった烈士として正式に朱儁と対面したのである。



「朱儁殿は随分と奇特な奴なんだなぁ。さっさと首を刎ねてしまえば良いだろうによ?」


「はは、ただの匪賊であれば容赦はせんよ。俺は漢を想うが故に立ち上がった貴殿らの様な者達がいたと陛下に報告する為にも…、と言うのは建前だ」



 苦笑しながら言葉を並べる朱儁だったが、表情が曇り建前だと本音を吐いた。



「建前?そいつはどういう事さね」



 韓忠の表情に疑惑が浮かぶものの



「陛下は此度の乱、然程も気にしておられないという事でしょう」


「…は?」



 褚貢の投げた言葉に絶句した。



「…漢の中枢はそれほどに腐っているのです。そうでなければ私は官軍にいたでしょう」



 首を振りながら諦めと共に心中を吐露する褚貢。



「俺は漢の臣として貴殿らを斬らねばならぬ。ただ、漢が貴殿らを忘れようとも俺が貴殿らを覚えておこう。…その為にこの場を設けたのだからな」


「波才の旦那や俺達が立ち上がた意味は…。いや、朱儁殿が覚えていてくれるというのであればそれで満足しとくかねぇ…」



 漢を立て直す為に立ち上がった。


 だが、負けた。


 負けた者達を忘れぬと言った朱儁。



「…意味はあるはずだ。俺の倅はこの乱の先に何かを視ている節があったからな」


「俺達が起こした戦争の先か…。あんたの倅は俺達が敗れるのを見越しているってことかい?」


「…わからん。ただ、倅は俺に視えない何かが視えているんだろうなぁ」


「おいおい、出来る倅の自慢にしか聞こえないさね。…なぁ、俺達が敗れた後俺達の兵や家族はどうなる?」



 朱儁の倅自慢の様な言葉に呆れつつ、真剣な顔で残された者の行く末を案じる。



「兵やその家族の身の安全は保証しよう。たが、韓忠殿や褚貢殿の家族に関しては…、正直俺にもどうなるかはわからん。朝廷上層部が問答無用で消しに掛かる可能性はあるな」



 苦虫を噛み潰した様に顔を顰める朱儁。


 朝廷上層部が見せしめとして生贄にする可能性は十分にあった。



「…そうか。いや、覚悟はしていた。もう聞きたい事はない」


「韓忠殿や褚貢殿が望むのであれば保護しよう。奴ら上層部も俺には手を出せないだろうしな」


「良いのか?」


「構わんよ」


「…感謝する。俺の家族は益州に避難させている。俺の配下の周倉と廖化が向かっている筈だ」



 朱儁の言葉に頭を下げた。



「わかった。審配!蔣寄!」


「「はっ!」」



 朱儁に呼ばれた二名が進み出る。



「審配は益州へ向かい韓忠殿の家族と配下の二人を。蔣寄は褚貢殿の家族を」


「「承知!」」



 朱儁の命を受けた二人が陣幕から出ていく。



「…審配殿!」



 その背中に韓忠が声を掛けた。



「…何か?」



 足を止めた審配は振り返らず僅かに視線を韓忠へ向ける。



「大和。…俺の真名だ」



 彼は静かに己が真名を投げ渡した。



「……確かにお預かり致しました。では」



 臧洪を負傷させた男の真名を預かる…。


 複雑な気持ちを抱えたまま審配はその場を後にした。



「さあ、終わらせましょうか」



 褚貢が幕引きを促しす。


 朱儁は最後に言い残す事はあるかと問うたが、『敗軍の将に語る言葉無し』と、兵に伴われ褚貢は自らの足で刑場へ消えていった。


 裴元紹と劉辟は韓忠の『生きろ』の言葉に首を縦に振らず、褚貢に倣い刑場に消える事を選んだ。



「あいつらも馬鹿だよなぁ…。いや、俺もそう変わらねーんだけどさ。生きてりゃ出来る事もあったろうによ」



 寂しそうに刑場を見やる。



「武人というのは死に場所を求める悪癖がある。それは俺も同じだ。韓忠殿もそれは変わるまい」


「…死に場所かぁ。平和になれば俺らみたいな馬鹿は減るのかねぇ?」


「命を惜しむ時代になれば変わるだろうな。いつそんな時代が訪れるかは分からんが…」



 朱儁は言葉を投げつつ、韓忠の足元に剣を突き立てた。



「刑場に消えるか、武人として散るか選んでくれ」


「……。あんたも随分甘いな。とは言っても、俺はもう満足に剣も振れる腕じゃないんだが…」


「劉辟殿から聞いている。韓忠という男を罪人として死なせたくないという俺の我儘に過ぎん」


「そうかい。最後が娘の我儘じゃない所が残念だ」



 苦笑しながら足元の剣を引き抜き肩に担いだ。



「黄巾党、第四軍団長、韓忠。字を紀章。真名は大和」



 名乗りを上げ構えた型は八双。


 攻撃も防御にも向かない型。


 鎧や篭手、具足を全て装着しなければ全く意味のない型と言われる。


 死に臨んだ者であるが故、選んだ物。



「朱儁。字を公偉。真名は志真」



 対する朱儁は無為の構え。



 右手に宝刀『朱雀鳳翼』


 左手に大刀『朱雀鳳嘴』



 朱霊が『斬馬槍刀』と呼んだソレと、対を成す大刀。



「「………」」



 朱儁と韓忠の間に静寂が流れる。



「…来い!」


「おうさ!」



 朱儁の投げた声に反応し一気に間を詰める韓忠。






 次の瞬間、翻った剣閃に韓忠の上半身が宙を舞った…。



(…紫苑、璃々。ごめんよ)



 薄れゆく意識の中、韓忠は愛する家族に想いを馳せた。





 黄巾党、第四軍団長、韓忠。   戦死。





 朱儁率いる官軍と荊州黄巾軍の戦いは幕を閉じた。



「白兎。韓忠殿や褚貢殿達を丁重に埋葬せよ」


「はっ!」



 埋葬の指示を出し、眭固が兵に指示を出すのを見やってから空を眺める。



「荊州は終わった。…だが、本当にこれで良かったのか…?」



 ポツリと零れた朱儁の呟き。


 それは誰の耳にも届かず荊州の空に溶けて消えた…。


次回は恋と何儀がぶつかるお話を書きます。

投降は8/17を予定してます。

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