~猫耳フードの少女~
覇王の執務室を出た所近くに不審な白い猫耳フードを発見。
コソコソ此方を伺っている様だが猫耳フードがその存在をこれでもか!って位に主張している。
隠れているつもりがあるのか無いのか判断に困る。
このまま見なかった事にしても良いが後が怖そうなので声を掛けた。
「おい。それで隠れてるつもりか?猫耳フードが思いっ切り見えてるんだが?」
指摘してやったらビクンッ!と小さく肩が跳ねたのが見てとれる。
「うっさいわね」
と、悪態を突きながらもおずおずと少女が出て来た。
此の少女は「荀彧 字を文若 真名を桂花」と云う。
我等が覇王は彼女を張子房に例え喜んでいたが、俺は蕭何の再来だと踏んでいる。
政務に於いては超一流。だが、謀には向いてねー。
自分で仕掛けた罠に自分で引っ掛かる残念属性の持主だしな。
此の子とは色々あったが、其れは追々語るとして。
「こんな所で何やってんだ?桂花」
不審な行動の理由を聞いてみる。
「通り掛ったら華琳様が御怒りになりながらあんたと執務室に入って行くのが見えたから」
簡潔且つ分かりやすい理由でした。
とは言っても覇王様の叱言で結構な刻が経ってる筈なんだが、此の子はその間ずっと此処に居たんだろうか?
「あんた何やらかしたのよ?」
「知らん」
俺が聞きたい位だ。
「知らんって、あんた華琳様を怒らせたのよ?あの方が理由も無しに怒るわけないでしょ!?」
華琳と云うのは我等が覇王様の真名である。
が、やはり覇王様の事も追々以下略。
「それがなぁ、全く身に覚えが無い事で叱言を受けてな。俺もどうして良いのか分からねーんだわ」
「はぁ…全く。で?どんな叱責を受けたのよ?」
睨め付ける様に視線を此方に向けてくる。
「ん〜ほぼ聞き流してたからなぁ。最後の方で貴方がそんなだからうんたらかんたら?後は聞こえない位小さくぶつくさなんか言ってたけど聞こえなかったもんはしゃーない。」
「あ、あんたって奴は…。まさか華琳様の叱責を聞き流してるとは思わなかったわ……。馬鹿なの?」
呆れた様に溜息を吐いた桂花が俺を睨む。
うん。めんどくなって来た。
「あー、とりあえず沙和ん所行かなきゃなんねーし俺はもう行くわ」
志牙は逃げだした!
「あっ!?ちょっと、待ちなさいよ!まだ話は終わっ…へぷっ!?」
しかし桂花に回り込まれてしまった!
逃げられ…
あ、コケた。




