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真・恋姫†夢想~朱霊伝~「六人目の大将軍」  作者: 羅貫厨
2章・歌姫+黄巾=乱
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〜黄巾の乱〜平原の戦い・4

駄文になりました。

お付き合いください。

「袁紹、この周辺の地図はあるか?」


「え、ええ…」


「ならそれを寄越せ。それから今から本陣を丘陵へ移す。明日からそこで指揮を執る」


「今からですの!?」


「今直ぐにだ!時間が惜しい。急げ!」


「わ、わかりましたわ!」



 司馬懿の無茶振りに慌てて天幕から出て行く袁紹。



「淳于瓊殿、直ぐに部隊を動かせる様に手配を頼む。陣を移動させている最中に相手が動いたら被害が出る」


「いいだろう。だが、指揮を預かりここまで好き勝手するのだ。成果が出ねばどうなるかはわかっているな?」


「重々承知。伝令、丘陵に布陣したら全軍の各軍師達を俺の元へ呼べ」


「はっ!」



 淳于瓊の問いに短く答え、伝令を飛ばす。


 袁紹が各将を動かし、本陣が近くの丘陵へ移される準備が進められ移動。


 その間并州袁家の軍が睨みを利かせ黄巾を牽制していた。




~丘陵本陣~


 本陣を丘陵へ移し、司馬懿の下に袁紹、淳于瓊、そして各軍師が集まっていた。



「この場に集まって貰ったのは各軍師に俺の指揮を円滑に回す為の中継を頼みたいからだ」



 全員を見渡しそう告げる。



「待て!司馬懿!たかが義勇軍如きの指揮官が全軍の指揮を執るつもりか!?」



 司馬懿に喰って掛かったのは逢紀。



「そのつもりだが?」


「ふざけるな!あれほどの無様を晒しておいてそんな事がっ!?」



 激昂している逢紀の怒声が一人の手によって塞がれた。



「ほっほっほ。青いのぅ…。いや、不躾な弟子がすまんこって。許されよ、司馬家の」



 逢紀を制したは許攸。


 并州袁家の筆頭軍師である。



「逢紀よ。先のアレを無様な失態と思うとるのはお主だけじゃぞ?」


「「え?」」



 反応したのは淳于瓊、逢紀。



「っほ!淳于瓊もであったか。一端になったかと思うたが、まだまだ精進が足らん様じゃの。ほっほっほ」


「ぐっ…」


「ぬぅ…」



 許攸の言葉に恥じたのか顔を赤くし俯く淳于瓊と逢紀。


 目を細めそれを見る許攸は好々爺といった風。



「して、司馬家の。先の事で得る物があったようじゃの。儂の権限で許可する所以、好きにするがよいぞ」



 司馬懿の肩に優しく手が置かれる。



「その言、有り難く」



 司馬懿は違和感を覚えた。


 淳于瓊や逢紀からはある程度の反意や敵意が見て取れる。


 しかし、許攸からは全くといって良い程それらが感じられない。


 袁基絡みでそれなりの因縁があるにも関わらずだ。


 組織には色んな人間がいるものだ。


 そんな事を思う。


 そして并州袁家は当主とその息子は無能だが、臣下は有能な者が多数いると理解した。


 少し考えればわかる事だった。


 臣下まで無能者で占められていたのであれば、并州袁家などとっくに消えている。


 袁基との私怨で視野が狭まっていたか…。


 自らの不明を恥じた。


 頭を振り思考を切り替える。



「許可も出た事だ。全軍俺の指揮下に入って貰う。それから本陣には俺の他に張勲、許攸殿、程昱も入ってくれ」


「えー?イヤですよ。美羽さまと離れ離れとか拷問じゃないですかー。ヤダー」


「……田豊。代わりに本陣に入ってくれ」



 一瞬で張勲は使いにくいと判断。



「はい。わかりました」



 田豊が本陣へ入る事に。


 それぞれに指示を出し再戦に備える。



「あのぅ、もしかしてなんですが…、志牙さんがやったアレを参考に軍を動かすおつもりですか?」



 恐る恐るといった感じで尋ねる田豊。



「もしかしなくてもそのつもりだ」


「や、やっぱりぃぃぃ…。無茶ですよ!あんな奇跡みたいな事が普通に出来るわけないじゃないですかぁ!?」


「いや、出来る。それを志牙が証明したんだ。

 俺が、俺たち軍師が頭の中で描いてきた物が実現可能だとあいつが示してくれた。机上の空論として手放してきたそれを、な」



 朱霊が見せた横撃。


 そして失敗したとはいえ、敵総大将を討つための包囲陣形。


 司馬懿はそれに魅せられた。


 生涯に於いて唯一無二の親友とも言える男が見せた可能性。


 それを偶然の一言で片付けるつもりはなかった。


 不可能だと断じられるのならば可能にするまで。


 ある意味、司馬懿は開き直っていた。






 翌日、戦闘が再開され司馬懿の下で指揮を統一された并、冀、朱の合同軍は黄巾軍を相手に猛威を振るっていた。


「報告!文醜隊が敵を撃破!次の指示を!」


「文醜隊はそのまま右方へ転進。顔良隊が抑えている敵部隊へ横撃を仕掛けさせろ!」


「はっ!」


「報告!牽招隊が敵部隊を撃破!張楊隊が押されていた為、そのまま援護に向かわれました!」


「わかった。牽招隊はそのまま張楊隊の援護に回せ!代わりに趙叡隊を麴義隊の後方に回せ!」


「はっ!しかし、麴義隊は交戦状態にはありませんが…」


「既に敵部隊が麴義隊の後方に接近している。急げ!」


「はっ!」



 本陣は目まぐるしく動く戦況に慌ただしく、伝令がひっきりなしに出入りし次々と新しい情報が入ってくる。


司馬懿の額には珠のような汗が浮かび、鬼気迫る迫力を滲ませている。



「報告!敵兵糧庫らしき物を発見したとの事です!」


「!呂威璜隊を向かわせろ!全て焼き払わせるんだ!」


「はっ!」



 地図を盤面とし駒を細かく動かしていく。



「報告!義勇軍第五軍が敵本陣への奇襲に成功!第三軍、第四軍と共に戦闘に入りました!」


「よし!敵総大将の二人は関羽と張飛に任せろ!第三軍と四軍は第五軍に敵を近づけさせるな!」


「はっ!」


「伝令!紀霊隊を中央に移動させその場で迎撃態勢を取らせておけ!」


「はっ!」



 盤上は既に合同軍が圧倒的な優勢である事を示していた。


 黄巾軍は前日と全く違う戦況に大混乱に陥っていた。


 次々と変わる戦況に対応出来ず後手に回ったのである。


 唯一戦況を覆す事が出来るであろう丁遠志と鄧茂は動けずにいた。


 いや、動きを封じられた。


 前日の中央突破により丁遠志と鄧茂の力を真近で感じ取った司馬懿は彼らを最も警戒し早い内から丁遠志に関羽、鄧茂に張飛をぶつけたのである。


 この為、黄巾軍は指揮が真面に機能せず、司馬懿の指揮下で縦横無尽に戦場を駆けずり回る合同軍に掻き乱され混乱し蹂躙される事になった。


(将棋で例えるなら黄巾は歩と王のみで王手を取られ、合同軍は全駒揃って黄巾の歩を蹂躙しているというような状態)


 ただ、混乱していたのは黄巾軍だけではなく、合同軍の半数近くは同じ様に混乱していたのだが…。


 冀州軍では顔良隊、紀霊隊。


 并州軍では趙叡隊、張楊隊。


 この四隊はほぼ混乱していた。


 最も混乱していそうなのは文醜隊なのだが、将である文醜が、



「わからないもんはしょーがないよなー」



 と開き直り、命令通りにしか動かない、命令が終われば迎撃のみに集中という選択をしたため混乱していなかった。



 そんな、味方ですら混乱する様な状況でありながら有利に戦況を進められたのは、各軍に配置された軍師達の尽力の為。


 伝達された命令の誤差の修正、戦況の逐次報告、その場での戦闘の采配。


 これが各軍師に出された司馬懿の指示である。


 この時代、十万を超える大軍同士の戦に於いてノウハウなど何も無かった上、即席の合同軍を支配する為に司馬懿が考えついた事。



 彼はこの一戦で本陣の軍、冀州軍本隊、并州軍本隊を温存したままで、敵の指揮を撹乱すると共に丁遠志、鄧茂という最大の矛を押さえ、即席の合同軍を手足の様に操り敵軍を圧倒するという離れ業をみせたのである。


 そしてその戦闘の最中、戦況を完全に有利な物とした事象があった。



 それは、盧稙率いる官軍の参戦。



 これにより丁遠志と鄧茂率いる黄巾軍は開戦二日目にして壊滅の危機に晒されたのである。

司馬懿さんは正史だと軍師ではなく将軍です。

続きます。

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