~黄巾の乱~平原の戦い・1
戦争シーン。
書き表すのが難しいですね。
羅貫厨の頭が爆発しそうです。
駄文ですがお付き合い下さい。
「全軍進め!第二軍は第五軍の接敵直前に一斉射撃!!第三、第四軍は両袁家の隊に動きを合わせさせろ!」
ついに始まった戦争。
ここから俺はどれだけの血を流すのだろうか?
両袁家はこちらの援護のためか、前衛から顔良、呂威璜、中衛から張郃、牽招の各隊が着かず離れずの距離で展開している。
中央先鋒である第五軍の勢いが凄まじく、開幕直後から思ったより敵を押し込んでいる。
龐統がいるから出過ぎるという事はないだろうが…。
~司馬懿視点~
「第五軍が押し込んでいるか…。伝令!杜預隊を第五軍に追従させろ。鳳統に状況によっては第五軍の指揮下に組み込んで構わんと伝えよ」
「はっ!」
目に見えて第五軍の勢いは凄まじい。
関羽と張飛。
朱霊の義妹になったという武人。
その躍動に目を見張る。
まさに破竹の勢いとでも言うべきか…。
「桁が違うな。あれほどの武人をどこで見つけて来たのか…」
第五軍の行く手を遮る黄色い波が弾け、宙を舞う、舞う、舞う。
「今の所、第五軍はこのままで問題はなさそうだな」
次いで第三軍に目を向ける。
第三軍は第二軍と連携するように歩調を合わせている。
押し込んでもいないが押し込まれてもいない。
淡々と迫り来る黄色い波を跳ね除け続けている。
「第三軍は随分と安定しているな。顔良隊、張郃隊との連携も悪くない。こちらも問題はないな」
次に第四軍へ目を向ける。
「第四軍は第五軍に合わせているか…随分と派手にやっているようだが…」
こちらも破竹の勢いと言って良い程。
気になるのは呂威璜隊、牽招隊が僅かに遅れている事か…。
とは言え、これは仕方がない事なのかもしれない。
どう考えても第四、第五軍の勢いは彼らが想定していたであろう域を超えてしまっている。
むしろ僅かな遅れで済んでいるぶんだけ呂威璜隊が奮戦していると見て間違いないだろう。
「ふむ…。不安要素が無いわけではないが…もう少し様子を見るべきか」
思考を切り替え第五軍に目を向ける。
義勇軍の兵は少ない。
「これならば二万の兵の援助を断らせる必要はなかったか…」
袁逢からの兵の援助の申し出を高覧に断らせたのは彼だった。
朱家義勇軍で実戦経験があったのは朱霊と高覧のみ。
多すぎる兵は統制が効かなくなる可能性が高いと踏んでいた。
この時は新たに彼女らが参入するなど司馬懿は想定していなかった。
そして今、彼女達の力を目にした。
「もっと早く彼女らを知っていれば…な」
小さくごちる。
幽州から帰ってきた朱霊は五人もの人材を抱えていた。
もっと早くに彼女達を知っていれば司馬懿の考えは変わっていただろう。
「やれやれ、これは嬉しい誤算と言うのだろうな」
そう呟く彼の顔には笑みが浮かんでいた……。
~第五軍~
「はああああああ!!!」
「うりゃりゃりゃりゃあああああ!!!」
二人の少女が容赦無く黄巾の波を切り裂いていく。
たったひと振りで優に5~6人の命が消えていく。
それを畳み掛けるように義勇軍の兵が続く。
「こちらは寡兵です!それぞれ敵には一人で当たらず必ず五人ひと組で対処して下さい!」
「「おおおおお!!!」」
先鋒を任された第五軍。
その指揮を執るのは龐統。
たった2000の第五軍。
先鋒としては余りにも少ない。
彼女の判断は少ない数を減らさないことであった。
関羽と張飛という規格外の並外れた武を持つ少女達がいたからこそ採れる戦術。
盾兵三人に対し槍兵二人。
関羽と張飛の武によって切り崩された敵に対し盾兵を前面に配し、その間から槍を突き出すだけという単純な戦法。
だが、単純であるが故に急造の義勇軍には効果的だった。
なにより、後方に司馬懿隊が控えているという事。
それは龐統が前面の指揮に集中出来るという大きな優位性を齎した。
そのため関羽と張飛により崩され、陣形が乱れた敵は龐統指揮下の義勇兵に摘み取られていくだけの的と化していた。
「伝令!司馬懿様の命により杜預隊が追従しております!状況次第では第五軍の指揮下に組み込む様にとの事です!」
「!森羅さまが…。分かりました。では杜預さんにそのまま鳳統隊の後方に着く様に伝令を」
「はっ!」
司馬懿からの援軍により追加された杜預隊600。
今の状況的を観るに無理に組み込む必要は無い。
瞬時にそう判断し戦場を睨み思考を巡らせる。
勝利の為に――。
~第三軍~
「でええええりゃああああ!!!そいやあああああああ!!!!」
気合と共に敵を斬り倒していく。
高覧はかつてない程に奮起していた。
何故か?
公孫賛がいるからである。
惚れた女に良い所を見せたいと思い、頑張ってしまうのは男としては仕方がない事である。
「おーい。張り切ってるのは良いけど、前に出過ぎるなよー?」
が、調子に乗って突出してしまう事を許さないのが公孫賛だった。
「うぇ!?お、おう…おりゃ!(くそぅ!こんなはずじゃ…)」
実はコレ、荀攸の策だったりする。
開戦直前、
「いい?絶対に烈火は調子に乗って、良い格好しようと張り切って前に出るから、あんたが後について前に出過ぎない様に見張ってなさい」
「あ、ああ。わかった。烈火が前に出過ぎない様にすれば良いんだな?」
と言うやりとりが行われていた。
沸騰寸前の高覧に水を挿す役割の公孫賛。
そして第三軍の2000は高覧が并州袁家から引き抜いてきた元高覧隊である。
急造の義勇軍とは練度が全く違う。
そして隣には顔良隊。
公孫賛と顔良は昔からの顔馴染みで連携が容易であった。
それらが要因となって第三軍はかなり安定した戦闘を繰り広げていた。
つまり荀攸は暇だったりする。
~第四軍~
「少し不味いですね」
そう呟くのは第四軍の指揮を執る諸葛亮。
最前線で猛威を奮っているのは趙雲。
別に不味いのは趙雲ではない。
状況が悪いのは右軍。
彼女の眼には敵軍の猛攻に晒され押し込まれている并州袁家が見えていた。
第四軍に隣接している呂威璜隊、牽招隊は奮戦している。
ではどこが猛攻を受けているのか…。
最右翼の趙叡隊と張楊隊である。
そこまで酷く押されているわけではないがそれも時間の問題だろう。
このままでは呂威璜隊が横擊に晒される可能性も出てくる。
右軍の中陣から増援は出ている。
増援がでているにも関わらず全く敵の勢いが衰えていない。
「このまま右軍の先陣が崩されたら敵の勢いを止めることは厳しそうですね。主上さまにも見えていると思いますが…」
第一軍の方へ目を向ける。
「!?」
第二軍の後方に位置している第一軍。
翻る旗は程と劉のみ。
朱の旗が消えていた。
慌てて朱の軍旗を探すものの彼女の眼に朱の旗は見えなかった。
「まさか、総大将自ら動いた…?風さんがそれを容認するとは思えませんが…。
伝令!本隊へ行き主上が動いたのかを確認して下さい!大至急です!」
「はっ!」
諸葛亮は朱霊という人物をよく知らなかった。
~第一軍~
「ねぇ、風ちゃん。志牙君を行かせちゃって良かったの?」
「そうですねぇ、あまりよろしくはないでしょうねー」
「それならどうして…」
劉備は心配そうに朱霊が消えていった先を見つめている。
「まぁ、お兄さんだからとしか言い様がありませんね」
眠たげな目で朱霊が消えていった方を見やる。
~~~~~~回想~~~~~~~
「右軍先鋒が押されてるな。敵の勢いが強すぎる」
「思った以上に強いですねー。このままだと右軍は飲み込まれてしまう可能性がー」
「だよなぁ。よし、ちょっとひと当てしてくるか」
思い立ったが吉と言わんばかりに兵を動かそうとする朱霊。
この男はバトルジャンキーである。
戦場に在ってじっとしていられるわけがなかった。
「総大将にもしもの事があれば義勇軍が瓦解してしまうので賛同はできないですよ?」
「そうだよ!志牙君!下手に動かない方がいいと思う」
二人が釘を刺すものの、
「大丈夫、大丈夫。ひと当てしたらすぐ戻ってくるからさ。それに今動いておかないと不味い気がするんだわ」
戦いというものに対する嗅覚。
バトルジャンキーである彼だからこそ感じる危機感。
程昱や劉備には無いモノ。
「全体の指揮は風に任せた。そいじゃ、ちょいと行ってくる」
止める間もなく出撃してしまう朱霊。
「「はぁ…」」
残された二人からため息が漏れた。
~~~~~~~~~~~~~~~
「ちゃんと戻ってきてくれるかな?」
「それは大丈夫かと思いますよー」
涼州で朱霊が董卓軍の将達と武を競わせていたのを何度か目にしている。
呂布は置いておくにしても、際立った武を持ち合わせている張遼、徐晃、華雄、徐栄、高順。
相性の善し悪しはあったが朱霊は彼らに引けを取らない武を持ち合わせていた。
ソレを知っていたから慌てることはなかった。
「お兄さんが帰ってくるのをのんびり待ちましょう」
劉備を宥めながら前線を見やる。
中央を押し込んで破竹の勢いの義勇軍。
ジリジリと戦線を押し上げている左軍。
前線が崩されかけているものの奮闘している右軍。
戦闘はまだ始まったばかりである。
続きます。




