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真・恋姫†夢想~朱霊伝~「六人目の大将軍」  作者: 羅貫厨
2章・歌姫+黄巾=乱
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~黄巾の乱~始動

この話から本格的に黄巾の乱の話になります。

黄巾のスローガンは適当に弄ってあるので気にしないで頂けると幸いです。

 ~豫州~



「波才殿。洛陽にて謀っていた弟が処刑されました」



 それは最も恐れていた事。



「…そうか、馬日磾殿。総決起と各地に伝令を」


「…分かりました」



 内部工作を頼んでいた馬元義が露見し処刑された事により朝廷内部から混乱させ指揮系統を乱すという目論みは失敗した事となった。


 伝令を飛ばすために陣を足早に去る馬日磾を見送る。



「急がねば後手に回る。…ままならないものだな」



 時間を掛ければ掛けるほど不利になるだろう。


 各地で賛同した諸侯達も劣勢になれば敵に回りかねない。


 短期決戦を挑み、指揮系統が混乱し弱体化した官軍を相手にするのならば十分に勝機はあった。


 しかし、今回の件で官軍は直ぐにでも動き出すだろう。


 指揮系統を混乱させられなくなった今、勝機は五分に満たないのではないだろうか。


 波才は立て掛けてあった剣を穿き天幕の外へ。


 陣内に居並ぶ十万を超える将兵たち。


 その中で一際存在感のある男が波才に声を掛けて来た。



「波才殿。決起の時が早まったようだな?」


「何儀殿…。朝廷内部を謀るのに失敗した。急がねば後手に回る」


「話は聞いているよ。俺と高昇は三万を率いて出る。既に官軍も動き出してるみたいだからな」


「わかった。武運を祈る」


「任せろ」



 そう言い残し出陣の準備に掛かる何儀。


 その背中を少しだけ見送り、中央の壇上へと歩を進める。


 壇上から見える黄巾を掲げた同志達。


 彼らの視線が波才に集中する。


 波才はこれより彼らを死地へと送ることになる。


 迷いはない。


 その為に集まった志を同じくした英雄達なのだから。


 腰に穿いた剣の柄に手を掛ける。


 それと同時に『『ザッ』』と規則正しく同志たちが足を揃える。


 彼らの視線が波才へ訴え掛ける。



『今こそ立ち上がらん!』と…。



 剣を抜き放ち天に掲げ、激を飛ばす。




『聞け!!!!黄巾を掲げし同志たちよ!!!』



『今天下は乱れ、汚吏官吏が蔓延り国家は混迷の極みにある!!!』



『民を導き安寧を齎すべき国家は疲弊し、このままではいずれ滅びの道を辿るであろう!!!』



『国が滅べば大陸は群雄割拠の戦乱を招き、血で血を洗う終わり無き殺戮が大地を赤く染めることになる!!!』



『そんな未来が来る事を傍観し、次代や、次代を担う子供達に押し付ける事を善しとするか!!!』



『『否!!!』』



『そうだ!!!!断じて否!!!!』



『今こそ我らが立ち上がり、天より堕ちた古き蒼龍を癒し黄龍として目覚めさせ天へと誘わん!!!』



『立ち上がれ!!同志たちよ!!!!』



『剣を掲げよ!!!槍を掲げよ!!!』



『志を一つとし、国を安寧へと導かん!!!!』



『蒼天すでに死す、黄天まさに立つべし!!歳は甲子に在りて、天下大吉ならん!!!!』



『『『蒼天すでに死す、黄天まさに立つべし!!』』』



『『『蒼天すでに死す、黄天まさに立つべし!!!!』』』



『『『蒼天すでに死す、黄天まさに立つべし!!!!!!』』』



『鬨の声を上げよ!!!』



『全軍総決起!!!!!!』



『『『おおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!』』』





 黄色を掲げた英雄達の裂帛の気迫が大地を震わせる。




 張角、張宝、張梁。


 たった三人の歌姫が起こした黄色い風。



 彼女たちの手を離れたそれは今、国家を救わんとする烈風へと姿を変えていた。






 黄巾軍始動。







 ~洛陽~



「傾を大将軍に、朱儁、皇甫嵩、盧稙、董卓を中郎将に任ずる。巷で噂になっているという、こうきんとうとやらを任せるわ。…黄、これでいいかしら?」


「はい、陛下。とても凛々しくて素敵です~」


「朕は疲れたわ。あとは任せるわよ」


「それではみなさん。後は傾さんの指示に従ってくださいね~」



 簡潔な任命をしただけで興味無さ気に奥へ消える霊帝と趙忠。


 これがこの国の実情だった。



「はぁ…陛下がこれでは兵達に無駄に命を捨てろと命じるだけにしかならんな…」



 半ば諦めに近いため息を吐く何進。



「だが、勅命とあらば従わぬ訳にもいくまいよ」


「志真の言う通りです。既に諸侯も迎撃に出ているとの報告を受けています」


「でも、状況はかなり悪いみたいです」


「勅命を受けたからにはやるしかないわ。将軍、指示を」



 四人の視線が何進に集まる。



「…朱儁は荊州を、皇甫嵩は豫州を、盧稙は冀州に向かえ。董卓は皇甫嵩とは別に豫州で何儀が率いている軍を狙ってくれ。

 諸侯と連携がとれるのなら出来る限り連携して事に当たって欲しい。

 冀州袁家から援助を受けているから各軍への物資や支援はなんとかなるだろう」


「「はっ!」」



 各軍の動きは決まった。


 しかし、何進は不甲斐ないと頭を振る。


 実戦経験もない一介の肉屋に過ぎなかった自身が大将軍に据えられ、眼前に迫った危機に皇帝は興味を示さず、援助を受けなければ満足に軍を動かすこともままならない。



「クク…、一介の肉屋風情が大将軍か。世も末だな…」



 苦笑と共に自嘲が漏れる。



「はっはっは!宦官共が大将軍になるよりは遥かに良いと思うがな」


「…朱儁。お前の倅には随分と世話になった。アレが冀州袁家に支援を取り付けてくれたのだからな」


「ああ、志牙から話は聞いてる。俺はお前さんを賄賂を受け取り国を腐らせてる佞臣だとばかり思ってたんだがなぁ…」



 バツが悪そうに頬を掻き苦笑する朱儁。



「私も志真と同じ意見です。彼から文を貰い現状を把握するまで私も何進殿を佞臣だと思っていましたから。

 志牙君は我々に見えていない所まで見えているようですね」


「今はそんな事を話している場合ではないわよ?直ぐにでも軍を動かさないと手遅れになったらどうするつもり?」



 歓談に興じようとしている三人に釘を刺す皇甫嵩。



「我が軍は直ぐに豫州へ向かいます。みなさん、どうかご武運を」



 そう言い残しその場を後にする董卓。



「董卓殿。志牙から君の事は聞いてるよ。ま、落ち着いたら志牙について色々教えてやる」



 その背中に朱儁がニヤニヤしながら着火する。



「!!…はい。その時を楽しみにしております。それでは」



 小さく会釈をし、今度こそ董卓はその場を後にした。



「さ、俺らも動きますかね」


「「応!」」



 黄巾軍とは対照的な宮中。






 一応、官軍始動。







 ~冀州~



「志牙。黄巾が動き出したとの報が入った。直ぐに動くか?」


「袁家は動いたか?」


「既に兵を動かしたようだ」


「そっか…。全将兵を集めてくれ」


「承った」



 居間を出ていく司馬懿。



「始まりますねー」


「終わりがな」



 漢という国の滅びの序章。




『黄巾の乱』




 皮肉にもこの世界の黄巾は国家を救わんとする烈士達であった。



「行くか」


「はいー」



 程昱を伴い居間を出る。







『朱霊』として存在することになった一人の男。







 彼の長い戦いの日々が幕を開けた。





戦争とか上手く書ける気がしないですね~。

駄文に次ぐ駄文の嵐になるかと思われますがよろしければお付き合いください。

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