~黄巾の乱~桃園の誓い 中編
最近物凄く気温が高いので熱中症には気を付けてください!
羅貫厨はおでこが太陽光と共に熱を反射してるのでたぶん熱中症にはなりません。
羅貫中の作品を読んでくれた友人が「※誰がどのセリフ言ってるかよくわからん」と言っていたので過去話から順にセリフ前に名前を入れていきます。
文才があれば名前入れなくても良いんでしょうけどね。
※友人は恋姫を知りません。
さて、愛紗と鈴々を連れて飯屋に行きました。
愛紗はともかく、鈴々の食欲は恋並み。
一気に財布が軽くなりました。
朱霊です。
食事を終え軽く談笑して時間を潰し頃合を見計らって白蓮や桃香が戻って来ていないかを確認しに行きましたがまだ戻ってきていない御様子。
「まだ戻って来てないようですね。
入れ違いになるとめんどくさいので…、そうですね、暇つぶしと言ってはアレですけど、お互いに武を合わせてみると言うのはどうでしょう?」
あの関羽と張飛。
もうこの二人に関しては説明とかいらないっしょ。
武を嗜む者として気にならないわけが無い。
「望むところ」
「にゃはは!楽しみなのだ!」
と二人も乗り気の様子。
勝手知ったるとは言ったもので、昔は天才白蓮さんとよく鍛錬してたのでどこに何があるかは把握している。
納屋に置かれていた木剣と棍をいくつか拝借。
「お好きな物をどうぞ」
と勧める。
愛紗と鈴々が選んだのは棍。
俺は木剣。
「なぜ納屋に木剣や棍があることを?」
「ここに住んでる公孫賛とよく鍛錬してましたから」
「なるほど」
納得したように頷く愛紗。
「ではどちらから?」
「鈴々がいくのだ!」
と元気よく躍り出る鈴々。
お互い間合いを計り合うように対峙。
「始め!」
~朱霊vs張飛~
合図と共に弾かれる様に突進してくる鈴々。
「にゃにゃにゃにゃにゃ~!!!」
「!?」
いきなり降り注ぐ打突の嵐。
これをバックステップで躱す。
油断してた訳じゃないけど少々面食らった。
豪快で軽快な動き。
「面白い…!」
ニヤリと笑みが漏れる。
流石は燕人張飛。
長物を相手にする時の基本は間合いに入らず相手の隙を狙う、若しくは間を詰め振らせないこと。
鈴々の場合は前者が有効。
後者は愚策。
理由として前者は運動量の多い動きの為、必ず隙を生むからだ。
後者は有効に思えるが鈴々の身軽さと運動量が凄まじいので近寄れない。
こちらは剣なので取り回しの良さと小手先で勝負。
「疾っ!」
鈴々が棍を引き体制を立て直す前に一息で踏み込むと同時に一閃する振り。
「にゃ!?」
反射的に崩れかけた体制のまま棍を突き出して来るのを誘い、一歩下がりさらに体制を崩す。
鈴々の重心が前に置かれ棍が伸びた瞬間に一気に肉薄。
重心が前に乗り、棍を持つ腕が突き出された隙を狙い刺突。
いわゆるカウンターを狙った。
「お兄ちゃん甘いのだ!」
「ちっ…!!!」
本来なら決まっていたであろう一撃は空を穿った。
鈴々はその場で突きの勢いを殺さず反動を利用して跳躍。
空中で前転しながら遠心力に任せて棍を垂直に落としてくる。
俺も突きの勢いを殺さず地べたを前転。
お互いに背を向け合う形で振り向きざま横に薙ぐように一閃。
木剣と棍がぶつかり合うものの、鈴々の膂力に敵わず木剣を弾き飛ばされてしまった。
「そこまで!」
と愛紗から試合終了の合図。
「あちゃー…、負けたか」
「鈴々の勝ちなのだ!」
嬉しそうにしてる鈴々。
俺は痺れる右腕を振りながら敗北宣…
「『ドコッ』うひゃぁ!?」
「ん?」
「にゃ?」
「え?」
変な声が聞こえて来た方を見ると、頭を抱え尻餅を着いた桃香の側に弾かれた俺の木剣が転がっている。
恐らく桃香達が帰ってきた所に弾き飛ばされた木剣が飛んで来て、建物に当たり驚いて頭を抑えながら転んだんだろう。
「おいおい、桃香大丈夫か?」
「当たっていなかったから大丈夫でござろう」
驚いた様に桃香に駆け寄る白蓮。
そしてその後からゆっくりと歩いてくる趙雲。
「悪かったな、桃香。んで三人ともおかえり」
桃香に謝りつつ出迎えの挨拶。
「志牙…君?」
「志牙!涼州から帰って来てたのか!」
「これはこれは朱霊殿。お久しぶりですな」
三者三様の反…「志牙君!おかえりー!」
転んでた桃香が凄い勢いで立ち上がり、頭からすっ飛んで来たのでその頭を押さえて突進されるのを防ぐ。
小さい頃からの経験上、コレは地味に痛いんだよね。
成長して威力の増した突進頭突きは食らいたくない。
「はいはい、ただいま。取り敢えず落ち着け桃香」
なんか感極まってお子様化してる桃香を宥めつつ白蓮や趙雲の下へ。
「義勇兵募集の立札を見たよ。そっちも義勇軍を立ち上げるみたいだな?」
「そっちもって事は志牙も義勇軍を?」
「ああ、南皮で集めてる最中かな」
「ふむ。朱霊殿も動かれていると…。して、そちらのお二方は?」
「ああ、二人共。こっちへ来てくれないか。みんなを紹介したい」
これで愛紗や鈴々は桃香の所へ行くだろう。
危うく劉備から関羽と張飛っていう翼を奪ってしまう所だった。
ひと通りの挨拶交換も終わった所で、
「実は愛紗も鈴々も桃香たちの義勇軍に入るつもりだったらしいんだけど、ちょっと間が悪くてな。俺が立ち上げる義勇軍に入って貰うって事になってたんだ。
ただ、こうして桃香たちが帰って来た事だし選ぶ自由くらいはあってもいいだろ?」
「なるほどなぁ…。私たちは確かに義勇軍を作るつもりだったんだけど、包先生が朝廷からの勅命で洛陽に行く事になってさ。
その見送りに行ってて今の所は義勇軍の義の字もなかったりするんだよな」
「そっか」
三傑に召集が掛かったか。
恐らく冀州袁家からの援助が開始されたんだろう。
「ねぇ、志牙君。包先生が洛陽に行ったって事は志牙君のお父様も?」
「ああ、オヤジはもう洛陽にいるよ。恐らく三傑が召集されたと見て間違い無いと思う」
「あの、申し訳ありません。志牙殿と三傑の方々はどう言ったご関係なのです?」
話についてこれない愛紗と鈴々、多分趙雲も。
「志牙の父君は三傑の一人の朱儁様なんだよ」
「「…は?」」
「にゃ?」
白蓮の言葉に思考がフリーズしたらしい愛紗と趙雲に、全くわかってないと思われる鈴々。
我に返ったと思ったら愛紗が俺の前で片膝を着き、
「っ!知らなかったとはいえ失礼を致しました。罰するのであれば私のみで鈴々の事は平にご容赦を」
なんか変な事を言い出した。
「あーいや、そんな事言われてもなぁ…。偉いのはオヤジであって、俺は別に偉くもなんともないんだけど…」
「し、しかし!」
何を焦ってるのかがわからないので、取り敢えず落ち着いて貰うために桃香と白蓮に愛紗を任せ白蓮宅に押し込んでおいた。
「お兄ちゃんはエラい人だったのだ?」
「はぁ…いや、全然、全く、これっぽっちも」
よく分かってない鈴々の頭を撫でながらため息を吐く。
愛紗って思い込みとか激しそうだなぁ…。
そんな事を思いながら蒼く澄んだ空を見上げていた。
続きます。




