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真・恋姫†夢想~朱霊伝~「六人目の大将軍」  作者: 羅貫厨
2章・歌姫+黄巾=乱
32/268

〜黄巾の乱〜朱家本邸→涼州へ

思った以上に文字数が多くなりました。


「「「天に代わってぇお仕置きよ!…あっ!?」」」


「「……………」」


「「「…………………」」」



 朱家本邸の門を開けたら母と思しき女性と妹と思しき女の子二人がセーラーでムー○なアニメの様な何かの真似をしていました。


 帰って良いですか?(ここ実家)


 朱霊です。



「「お邪魔しました」」


『パタン』



 固まってる三人を放置して回れ右。



「涼州に行こうか」


「そうですねー」



 初めて会う母と妹達のアレな姿は精神的に受け入れられず、朱家本邸を後にして涼州への旅を再開しました。


 俺の気持ちを察してか、なにも言わない風に感謝感激雨霰。



 洛陽から函谷関→潼関→長安。


 長安から天水までは一直線に行けますが、途中に大きな都市はないので安定を経由して天水へ。


 あの暴君と呼ばれた『董卓』が治める天水。


 荒れ果ててるのを覚悟してたんですがかなり平和。


 というか、凄く良い感じで統治されてるっぽい。


 天水に着くまでに立ち寄った邑はどこも笑顔が溢れていて平和其の物。


 とても暴君が君臨してるとは思えん。


 この世界の董卓は俺が思ってる様な董卓じゃないのかもしれない。


 まさかとは思うが、董卓も女の子とかだったらどうしよう…?



 若干の不安に苛まれながらも天水に到着。


 うん。やっぱ善政が敷かれている感じしかしない。


 洛陽の様に物凄い活気があるという訳じゃないが、疲れた様な顔をしている者は見受けられない。



「時間も良い頃合だし、食事にしようか」


「はいー」



 天水に着いた時にはお昼時だったので飯屋へ。


 …来たのは良かったんだが飯屋の前で一人の髪の紅い女の子が佇んでいて、そのお腹が、



『くきゅるるるるるる…』



 と鳴っている。


 飯屋で飯食えばいいのに何故棒立ちになっているのだろうか?


 もしかして金がない?


 なんか此の儘お腹空かした女の子を傍目に飯屋に入るのもなーと途方に暮れていたら



「お兄さん。ここは男の甲斐性の見せ所ではありませんかねー?」



 と、風が言うので男の甲斐性見せたるでと言わんばかりに女の子に声を掛けることにした。



「あー、入らないのか?」


「…(ふるふる)」


「お金がないとか?」


「……(コクり)忘れた」



 忘れたらしい。


 取りに戻るか帰って家で飯を食うという発想はないのだろうか。


 まぁ、声を掛けたのだから放置する訳にもいかないので



「…一緒に食うか?」



 と誘ってみたら、



「…(コクコク)」



 と可愛らしく頷いてくる。



「じゃぁ、一緒に入ろう」


「こうやってお兄さんは各地で女の子を餌付けして回ってるんですかねー」



 甲斐性がどうのこうの言って焚き付けたくせにそんな事を宣うペロキャン少女。



「ペロキャンへし折るぞ?」


「ぐー」


「寝るな!」


「おお!」


「……」



 そんなやりとりをしながら飯屋へ入る。


 まぁ、そしたらこの女の子。


 超食う。ひたすら食う。



「「…………………」」



 次から次へと空になっていく皿、皿、皿。


 俺と風はそれぞれ一人前でお腹一杯だというのにこの子は一体どれだけ食うのだろうか。


 この子の胃は異次元に繋がってるんじゃなかろうか…。


 …『胃次元』……なんちゃって♪


 お金が足りるか心配になってきた。



「…風」


「…はいー」


「…俺は皿洗いする事になると思う」


「ですねー…」



 景気よく積み上げられていく皿を前に俺と風は皿洗いを覚悟した。

 結果としてお金は足りました。


 皿洗いする事はなかったけど路銀がほぼ底を突いてしまった。


 会計を終え店を出て考える。


 明日からどうしよう…。


 先ずお金稼ぐ所から始めなきゃ。



「俺達はもう行くけど、君は…えっと…」



 名前聞くの忘れてたん。



「…恋は呂布」


「「!?」」



 りょ、りょっふぅぅぅぅぅ!!??


 うわああああああ!?逃げろぉぉぉぉぉ!!!???


 じゃなくて!!


 呂布だと!?


 あの呂布だと!?


 目の前の女の子は飛将、猛将っていうかただの小動物にしか見えんのだが…。


 というか、なんでもう董卓の所にいるわけ?


 この呂布は…もう説明とかする必要ないよね?


 しかし、いきなり呂布と会う事になるとは…。



「えっと、そっか。俺は朱霊」


「程昱ですー」


「…ん」



 俺たちの簡単な挨拶にコクりと小さく頷く飛将様。


 取り敢えず呂布なら董卓の家臣やってそうだし渡り着けて貰おうかな。


 此処までの善政を敷いてる董卓にも興味があるし。



「えっと、呂「……恋でいい」」



 いきなり真名を預けて来るってどういう事かな?


 アレか?


 この世界の女の子は食い物に弱いは呂布にも適用されると…。



「餌付け成功ですねー」


「せやなー」



 もう突っ込む気力も湧かないわ…。



「じゃあ、俺の事は志牙と呼んでくれ」



 疲れた様に真名を預ける俺に対し、



「…風と呼んでくださいー」



 突っ込みが無かった事が不満なのか、むーっとしながら真名を預ける風。



「あのさ、恋。頼みたい事があ「ちんきゅうきぃーっく!!!!!!」


「「!?」」



 何かが飛来し後頭部を直撃。


 吹っ飛ばされ宙を舞う俺。


 驚いたように俺を見上げる風とぼーっとしたような目で俺を見上げる恋。


 そして俺に蹴り入れたと思われる女の子が見え、そこで俺の意識は途切れた。

 目が覚めたら知らない部屋の天井が見えた。


 首だけ動かして周りを確認すると椅子に腰掛けた風が俺に被さる形で小さな寝息を立てている。


 何故か風の人形がペロキャンを落ちないように掲げてるんだが…。


 気にしないでおこう。


 ところで、どこだここ?



「お目覚めになられましたか。お気分はいかがですかな?」



 ふと気づくと見知らぬ青年が側にいる。



「えっと…気分は悪くないです。後頭部が若干痛むけど…」


「はは。痛むのは痛覚がしっかりと働いているからですね。生きている証拠ですよ」



 笑いながら青年は俺の額に乗せられていた濡れ布を交換していく。



「私は李儒。字を文優と申します。先程は陳宮が失礼を致しました」



 と挨拶と謝罪をされた。



「あ、いえ。お気に為さらず。俺は朱霊。字を文博といいます。この様な体勢ですいません」



 寝ながら挨拶と謝罪。



「いえいえ。お気になさらないでください。それに今動かれますと奥様を起こしてしまいますからね」



 ん?奥様?


 俺は独身なのだが…。



「えっと?俺は結婚してませんが…?」


「え?」


「え?」


 お互い不思議そうに視線を交わす俺と李儒。



「ですが、お連れ様が『お嫁さんみたいなものですー』と申しておりましたが…」


「……………」



 後でペロキャンへし折っとこう。


 それはさておき。



「そういえばここはどこなんでしょう?」


「ここは天水の城の客間ですよ。れ…呂布殿が気を失っている貴方とお連れ様を城まで連れて帰りまして」


「なるほど。それで俺はここに寝かされて「斗和、入るぞ」」



 と聞こえるやいなや一人の短髪で銀色の髪をした女性が入ってきた。



「おや、吹雪さん。ちょうど良かったです」


「客人は目が覚め……てるようだな。うむ」



 吹雪と呼ばれた女性はにやりと笑い安心したように頷いている。


 斗和というのは李儒の真名だろう。


 話し終えたのか李儒がコチラを向き



「此方は華雄。私の妻です」



 と女性を紹介された。


 お、おう。華雄なのか。


 もう何も言うまい…。



「華雄だ。よろしくな。いやー、ウチのチビがすまなかったな。あれはちゃんと叱っておいたから許してくれ」


「いえ、お気になさらず」


「そうか?そう言って貰えると助かるが…取り敢えず私は月様に報告をしてくる。斗和、後は任せた」



 と言い残し華雄は部屋を出て行った。



「任されましたよって、もう行っちゃいましたか。相変わらず忙しない人ですねぇ吹雪さんは…」


「えっと…」


「ああ、すいません。先ほどのチビと言うのは陳宮の事です。私と華雄の義理の娘なんですよ」


「義理の娘ですか」


「ええ、以前行き倒れているのを華雄が連れ帰ってきまして。親も覚えておらず行く宛もないとの事だったので養子に迎えたんですよ」


「そうだったんですね」



 あの陳宮がねぇ…猪突なのは母親譲りってことか。



「………おぉ…?」



 どうやら風が起きたらしい。


 ぼーっとした表情で周りをキョロキョロした後、じっと俺を見て何かを考えている。


 寝起きで糖分が頭に回って無いようだ。


 人形が落ちないようにしていたペロキャンを取ろうと…。


 なんでだ!?


 人形が俺に向けてペロキャン突き出してる!?


 人形なんだよな?


 深く考えたら負けな気がする。


 取り敢えずペロキャンを人形から受け取り風に咥えさせる。


 少しすると糖分が頭に回ったのか、



「お兄さん気が付いたみたいですねー」



 といつもの調子に戻った。



「ああ、結構前に目が覚めてたよ。ありがとな」



 と言いつつ風の頭を撫でてやる。



「ふふー」



 目を細めご満悦な様子の風。



「なるほど。『お嫁さんみたいなもの』と言うのも然りですな」



 何か納得したように頷いている李儒。


 納得しないで欲しい。



「そうですか?兄妹みたいに見えるかと思ったんだけどなぁ」


「お兄さん風の事は遊びだったんですねー。よよよ」


「よし、ペロキャンへし折る!」


「ぐー」


「寝るな!」


「おお!」



 そんな俺達のやり取りを見て笑う李儒。



「ははは。いや、仲睦まじいのは結構なことですがそろそろ玉座の間へ御案内させて頂いても宜しいですかな?董卓様がお待ちになっている頃でしょうし」


「ああ、すいません。そうですね。お願いします」



 そんなこんなで玉座の間へ案内して貰う事に。

 玉座の間へ通されると、恋、陳宮、華雄の他に何人かの家臣。


 一人は紫の髪に法被に晒、捻り褌っていう目のやり場に困る格好をしてる痴女。


 ほぼ半裸。



 一人は薄い紫の髪に髑髏の髪飾り、顔に猫ヒゲみたいなのがある幼女。


 ほぼ半裸。



 一人は…ちっこい。というか、小さすぎる。


 身長80cm程の辮髪で小太りな糸目のおっさん。


 ……人間だよな???



 一人は体付きのがっしりした無口そうな大男。



 玉座の隣に緑髪にメガネを掛けた神経質そうな女の子。


 そして、玉座に儚げで優しそうな美少女が座っている。


 あれが董卓か……。


 俺の中の、



『酒池肉林じゃぁぁぁ!!!がははは!!逆らう者は皆殺しじゃぁぁ!!!!』



 という董卓のイメージがガラガラと音を立てて崩れていくのを感じた。


 正直この子が暴君になるとか想像出来ないんですが…。


 そんな事を考えてたら、



「董卓様。李文優。朱霊殿と程昱殿をお連れ致しました」


「斗和さんありがとうございます。」


「ははっ!」



 と、包拳礼をして他の家臣たちと同じように並ぶ李儒。


 すると董卓が玉座から降りてきて、



「朱霊殿、程昱殿。この度は我が臣下の者が無礼を働き申し訳ありませんでした」



 と、正式に謝罪された。


 正直に言うと玉座から降りてきて謝罪までの一連の流れが洗練されすぎてて思わず見とれてしまった。



「えっと…どうされましたか?」



 董卓が不安そうにこちらを見てる事に気付いて



「あ、すいません!思わず見とれてしまって!悪気はなかったんですが」



 慌てて言い訳したら、



「へぅ…」



 と顔を真っ赤にして俯いてしまった。


 おっふ!この流れどうすんだ!?


 なんかビミョーな空気になってたんだが、



「程仲徳と申します。此度はお気遣い頂きありがとうございます」



 気を使ってくれたのか、空気を読まなかっただけなのか風が無理矢理場の空気を変えてくれる。



「え?あ~、…こほん。朱霊。字を文博と申します。此度はお気遣い頂きましてありがとうございます。

 えっと、大したことはなかったと思うのでお気になさらないで下さい」


「はいぃ…あ、こ、これはご丁寧にどうもありがとうございます。私は董卓。字を仲穎。真名を月と申します」



 あ、この子、素で真名まで言っちゃったよ。



「あ~…、はい。よろしくお願いします。俺の事は志牙と呼んで頂いて結構です」


「?…あ!へぅ……。え、えっとでは私のことも月とお呼び下さい」



 すごく間抜けなやりとりになったが真名を交換することに。



「えっと、志牙さんは何故天水へいらっしゃったのですか?」


「あ~、見聞を広める為に旅をしてたんですが…」



 天水に来てからの今までの流れをわかる範囲で説明。


 経緯を話したら皆さん苦笑してました。


 お陰で恋が消費しちゃった食費分の路銀は帰ってきた。


 そして、董卓と呂布の情報がいっぺんに手に入ったので残すは馬家のみになったんだけど、風が天水の治政に興味を持ったらしく少しの間天水に逗留することになった。






 董卓と呂布を知れたのは良いんだけど、反董卓連合が結成されたら俺はどうすれば良いのだろうか…?

次回は黄巾の将の皆さんを書いて行きます。

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