7話 防具店でお買い物
この物語は、フィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。
□□□□□ 7話「防具店でお買い物」 □□□□□
俺達は、朝食をすませ、屋敷を出る。
俺はナタクの事が気になって聞く。
「ナタクは、置いていくのか?」
「忘れてた。連れていこう。
店の中には、大きすぎて入れないかもしれない」
「店の前で待たせておけばいいか」
「そうだな、ナタク! カムヒア!」
「それでナタクに聞こえているのか?」
「ああ、大丈夫、念じればすむけど、雰囲気を出しただけだ」
ちなみに、『○○ カムヒア!』は、
古いとあるアニメで、ロボットを呼ぶときのかけ声だ。
しばらくして、ナタクが扉を開けて出てきた。
「すぐれた人工知能を持っているみたいだな」
「ああ、神様は有能だな。
私が設計したのは外見と空を飛ぶ能力と武装くらいだ」
「へー、ロケットパンチ以外に武装あるのか?」
「ないぞ、ビーム兵器は邪道かなって、
ロボは黙ってロケットパンチ!」
ああ、変なこだわりでポンコツな部分が出てしまったんだな。
「とりあえず、ナタクには後ろをついてきてもらって、
歩いて防具店に行くぞ!」
「お、おう」
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□□ 防具店 □□
「こんちはー」
挨拶して店に入る。
後からカズサも入ってくる。
「はい、いらっしゃい」
店の親父が返事をした。
小声で店の親父が聞いてくる。
「後ろの女性は、パートナー?」
「ええ、まあ、そんなところです」
適当に答えておく。
「どういったものをお探しですか?」
カズサが答える。
「弓矢やボウガンの矢を防げるようなものが欲しい」
早速、単刀直入に言うんだなあ。
「お値段の安いものなら、鎖かたびらがお買い得です。
2銀貨になります」
「んー、どうしようかな」
俺は、店に展示されている防具を見てまわる。
「こっちに、ビキニアーマーがあるぜ、
後ろがT型になっている危ない水着もある!」
「却下!」
カズサは間髪を入れず答えた。
「せっかくのいいスタイルがもったいない……」
俺は、独り言のように言う。
「それは、確かに一理ある。できれば私も格好良くありたい」
店の親父がすすめてくる。
「それなら、この全身鎖かたびらはいかがでしょう。
体のラインも出てなかなかセクシーになります」
「そんなに言うなら着てみる」
カズサは全身鎖かたびらを足から着て、上半身も着る。
「重くて、動きづらい……」
「少々重すぎましたか」
俺が思わず口を挟む。
「布でもいいので軽くて毒矢などを通さないようなものはないですか?」
「それなら、最高クラスの防具で魔法の布で強化されたものならあります。
少々お値段が張りますが、よろしいですか?」
「どれくらいするの?」
「下半身を膝上まで守るパンツが1金貨になります」
「高い」
「ちなみに、このようなものになります」
見せてもらったものは、地球でのスパッツのようだった。
上着の方は、袖がなく体にピッタリしそうなシャツだ。
「通気性もよく、お金持ちの冒険者に人気の品です」
カズサが答える。
「これに決めた」
自分で決めたのなら仕方がない。
カズサが今まで儲けた利益のほとんどがこの装備に消えた。
「まいどありー」
俺も決めないといけないけど、考えるのめんどくさいな。
「俺にも同じものある?」
「はい、ありますよー」
カズサが言う。
「おそろいにするのかよ。ペアルックかよ!」
「そうなるのかな?」
「はい、お会計4金貨になります。
お客さん達、太っ腹だから、店の最新の試作品をプレゼントしちゃうよ。
雨や日差しもさえぎり、弓矢なども防ぐ、皮製の傘という代物だ!」
カズサは、水色と白のストライプの大きな傘を見せられて
すごい買う気になった。
「ユー、買っちゃいなよ!」
僕達は、結局、魔法の布でできた下着のようなものを買った。
傘は、なぜかカズサのものだという風潮になっていた。
「傘は二人のものだけど、私が優先的に使うわね。
男は日差しとか気にならないでしょ」
買った装備は、店の試着室で着てピッタリ合うか確認し、
そのまま着る。
店の親父は、嬉しそうだ。
会計をすませて、店を出た。
「まいどありがとうございます。またの来店をお待ちしています」
帰り道も、カズサは、ランラン気分で傘をさして歩く。
「私、一度こういう大きな傘さして、街中を歩いてみたかったのよね」
これで水着を着ていたらレースクイーンだな。
目立ちすぎて逆に危なくなったりしないだろうか。
俺は、何か買い忘れているような気がした。
「そういや、肝心な毒消し買うの忘れてた」
「ああ、毒消しをすっかり忘れてた。まだ肌が露出している部分があるから
毒になる可能性があるわね」
俺達は、道具屋で毒消しと回復薬をいくつか買っておいた。
その後、ナタクを後ろにつれ、屋敷へと戻った。