6話 浴場で欲情
この物語は、フィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。
□□□□□ 6話「浴場で欲情」 □□□□□
俺達は、目的の大きな街へと到着した。
女剣士が話しかける。
「お礼がしたいので、我が屋敷まで来てください」
「はい、了解です。カズサもOK?」
後ろの馬車の中のカズサにも一応聞く。
「うむ、了解した」
「だそうです」
「わかった。では、屋敷へ向かう」
屋敷は、街中にあり、大きな2階建ての建物だった。
馬車を降りる。
女剣士は、使用人らしき男に馬車を任せる。
屋敷の中へと案内され、部屋も自由に使っていい事になった。
ナタクには、カズサの部屋で小さくしゃがんでいてもらう。
カズサと俺は別々の部屋だ。
夕食に招待され、そこで御馳走になる。
そこで報酬は、それぞれ2金貨(20銀貨相当)を貰った。
俺は、カズサに小声で釘を刺しておく。
「ずっとここに住むつもりがないなら、令嬢と深い関係になるなよ」
「んー、どうしようかなー」
「少しはこらえろよ、そして提案があるんだが」
「えっ、何?」
「明日、防具を買いに街へ行こう」
「うむ、それは賛成だ。もう死にたくはないからな」
「そうだろう。だからせめて今日だけはこらえとけ」
「そうだな。了解した」
俺達は、夕食後、それぞれ、風呂、散策、雑談などをして
時間をすごし、床に就いた。
朝になった。
俺は、風呂に入ろうと浴場へ向かう。
ここの浴場は、結構大きくて、10人くらい一度に風呂に
入れそうなほど大きな浴槽がある。
服を脱いで、浴槽へと入ろうとすると、先客がいた。
カズサが入っていた。
髪を風呂に浸からないよう頭上で巻いてある。
一瞬たじろいだが、レズだし一緒に入っても気にしないかもしれない。
俺は、タオルで股間を隠す。
「早いな、カズサ、御一緒してもいいか?」
一応聞いてみる。
カズサは、チラッとこちらを見る。
「ジロジロ見るなよ」
おおっ、言ってみるものだ。
否定の返事ではない。
という事は、一緒に入ってもいいのだ。
「それじゃ、お言葉に甘えて」
俺は、桶で水を汲み、体を軽く流す。
カズサと離れた位置の向かいになるように浴槽に入る。
んんっ、しまった。
これでは、ジロジロ見れてしまう。
お湯で反射してはっきりとは見えないが、
白い体と肉付きのいいでっぱりがわかる。
もっとよく見たいという欲情にかられるが、カズサの注意する声がした。
「ジロジロ見るの禁止!」
そうだな、ジロジロ見るのは、やめよう。
カズサに声をかける。
「防具を探しに、いつ何時頃行こうか?」
「そうだねー、朝食を食べてから出ようか」
「そうだな。わかった。そうしよう」
ちょっと沈黙が続いた。
「先に上がるね」
そう言ってカズサが立ち上がり、浴槽から出て行く。
うおっ、ちょっとびっくりした。
一瞬、両方の乳房が見えた。
びっくりして顔をそらしてしまった。
カズサのスタイルのいい後姿と
綺麗で品のある白いお尻が出て行くのを浴槽に浸かって見送った。
見せつけているのだろうか……。
しばらくして風呂を出る。
俺は、朝食を取るため食堂へと向かう。
食堂には既にカズサがいた。
朝食は、卵料理とミニトマト、葉野菜、パンが
並べられている。バイキングスタイルのようだ。
適当に選んで朝食を取る。
カズサから話しかけてきた。
「防具店は、昨日のうちに令嬢や女剣士から聞いておいた」
「おお、そうか、サンキュー」
「食べ終わったら、歩いて行くぞ」
「わかった。お金もけっこう入ったし、良い防具をそろえようぜ」
「わかっている。私たちは、防具が貧弱だからな、
メグちゃんがいなかったらどうなっていたことやら」
「そうだな、そういやメグいないな、神様のところに戻っているんだろう」
「大丈夫なのか? いざという時にいないとか無しにしてくれよ」
「ちょっと呼んでみる。メグー、メグやーい、メグちゃーーん」
メグが現れた。
「人を迷子みたいに呼ばないでですー」
「おお、来たのか」
「はい、神様に呼ばれれば声が聞こえるようにしてもらったですー」
「神様、気が利くなー」
「聞いてくださいシロー、天界に戻れたら、今度はまた、
事務処理や雑用をやらされてるですー」
「ああ、そうなのか」
「はい、結局、前の仕事と呼ばれたらシローの手伝いと仕事が
増えているですー、ブラックですー、ブラック天界ですー」
「はは、面白いな、天界なのにブラック」
「ぜんぜん面白くないですー、責任取るですーシロー!」
「はは、今度何か、お礼するよ。何か俺にできそうな事、
考えておいてくれ」
「わかったですー、約束ですー、それでは仕事が残っているので
バイナラですー」
「はい、バイナラ」
ちなみにバイナラとは、バイバイとさよならがあわさった言葉だ。
カズサが声をかけてくる。
「バイナラとは古いな、シロー」
「メグがバイナラだって」
「この世界はよくわからんのー」
「うむ、カズサもよくわからん」
「ぷっ、ははっ」
カズサが思わず笑いを吹きだす。
「はは」
俺もつられて笑う。
「では、行くか、いざ防具を買いに!」
カズサは、大げさに言う。
「ああ、行こか」
俺は、テンションについていけず答える。
俺達は、朝食をすませ、屋敷を出る。