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1話 LV6盗賊



この物語は、フィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。



□□□□□ 1話「LV6盗賊」 □□□□□


 俺とリストラ死神のメグは、森の中に転送されていた。

 

 俺は自分の持つ装備を確認する。

 

 下着は、ふんどしだろうか。

 短いスカートと袖のないシャツを着ている。

 

 武器は、魔剣アルトリアを手に持つ。

 神から貰った蛇腹剣だ。

 

 武器の試し切りがしたい。

 

 近くにウサギを見つけた。

 

 ちょうどいい相手だ。

 

 魔剣アルトリアの切れ味を思い知れ!

 

「トゥ!」


 俺は、剣を振る。

 

 ウサギはあっさり死んで、死体に……ならなかった。

 『ドロップアイテム ウサギの肉 ウサギの皮』

 

 俺の脳裏に感覚でわかるゲームのログのようなものがわきあがった。


 なんだこれ?

 

 近くにいた他のウサギも切ってみる。

 

「おりゃ!」


 『ドロップアイテム ウサギの皮』

 

 必ずアイテムが手に入るというわけではないらしい。

 さらにウサギを倒していく。

 

 トゥルルトゥルー!

 目の前に「レベルアップ LV2になりました」のエフェクトが現れた。


「まるで将棋だな」


 思わず口走っていたが、全然違うので言い直す。

前の世界の記憶があると、ついつい生活習慣が抜けない。


「まるでゲームの世界だな」


 所持品の確認をしたいと考えると、脳裏に所持アイテムが感覚で現れる。

 

 長らくほっておいた死神のメグに声をかける。

 

「メグー」


「何でしょう? シロー」


「あらためてヨロシクな。メグ」


 俺は、握手をしようと手を出す。

 

「死神は霊体なので、触れませんよ。

ちなみにシロー以外に声も聞こえないし、姿も見えません。

たまにいる霊能力が強いものには見えるようですー」


「そうなのか、うっかり人がいるところで話すと

独りでブツブツ言っている危ない人に見られるわけか」


「そうですー。さっき高く昇ってみたんですが、

近くに村があるみたいですー」


「えっ、メグって空を飛べるの?」


 そういえば、さっきからふわふわ浮いていた。

 

「はいー、飛べるですー」


 ふわふわと浮いて、俺の周りを飛んで見せる。


「そんじゃ、近くにある村に行ってみるか」


「はいですー」


□□



□□ 村の近く □□


 俺達は村の近くまで近づくと人相の悪い男が近づいてきた。

 

「にいちゃん、いい武器もっているじゃねえか、ちょっと見せてくれよ」


 人相悪い上になれなれしく怪しいが、

村人と対立したくないと思い、魔剣アルトリアを渡した。


「すぐに返してくれよ」


「おう、なかなかいい武器じゃ……、

なんだこれ、へにゃへにゃしてるぞ」


「蛇腹剣っていう武器だ」


「高く売れそうと思って声をかけたが、ダメだな

高く売れそうもねえ、はずれひいちまった」


「もういいだろう。返してくれ」


「おっと、やだね。もうこれは俺の物だ。

返してほしかったら、腕づくで取り返せ!」


 戦闘態勢に入ったからだろうか。

 相手のレベルとHPがわかる。

 

 LV6盗賊 HP 60/60

 

 ちなみに俺のステータスは、

 LV2冒険者 HP 20/20

 

 分が悪い。

 魔剣アルトリアも相手が持っているし。

 

 どうすべー。

 

 盗賊は、魔剣を使えないと判断したのか、

魔剣を置いて自分の武器、ナイフを取り出した。


 魔剣は俺の意思で動くはず、なら!

 

「魔剣アルトリアよ! 来い!」


 俺は、掌を魔剣に向け叫ぶ!

 

 すると魔剣は動き飛んで俺の掌に納まった。

 

「うわっ、なんだそれ!」


 盗賊は、驚いている。

 

 俺は、ここぞとばかりに剣を振る。

 

 ブンッ!

 

 刃が伸び盗賊の首がはねられる。

 

 LV6 盗賊 0/60

 

「やっちまった……。やっぱり手加減できずに首を飛ばしてしまった」


 『ドロップアイテム ナイフ』


 死神のメグが盗賊へ近寄る。

 

「これなら、私の特殊能力で生き返りそうですー。

生き返らせますか? シロー」


「たのむ。やってみてくれ」


 死なれると後味が悪いので頼んでみる。

 

 メグは死神の鎌を男に振るった。

 

 盗賊は生き返った。

 だいぶ疲れたような感じであたりを見回している。

 俺と目が合う。

 

「ひー、お助けー!」


 盗賊は逃げて行った。

 

 俺は、メグに近寄り、ねぎらう。

 

「ありがとう。助かったよ、メグ。夢見が悪くところだった」


「いいってことよ、シロー」


 なぜか、メグの返事はべらんめえ口調だった。


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