12話 ダンジョン探索
この物語は、フィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。
□□□□□ 12話「ダンジョン探索」 □□□□□
□□ 森の中 □□
俺達は、ナタクの肩に乗っている。
カズサもこれから熊の探索や戦闘があるため
傘はしまっている。
雑貨屋のおばちゃんから貰った地図をたよりに
熊の出る付近まで来ていた。
「カズサ、一緒に行動しても熊の探索に時間がかかるし、
別行動で見つけたら早い者勝ちという事でいいかな」
「いいわよ、シローは空を飛べるようになったのよね?
じゃあ、行ってらっしゃい!」
カズサは、俺の背中をドーンと押し、ナタクから落とした。
「ちょっ、心の準備があああぁ」
落ちていく俺は、魔剣を握り、チカラを込めて
ゆっくりと地上に降りる。
「乱暴だなあ、カズサは」
俺を出し抜いてレベルを上げたいのだろうか?
カズサは、熊を発見したようだ。
ナタクと地上へ降りて行くのが見える。
カズサの降りた方向から声が聞こえる。
「ロケットパーンチ! アーンード キッーーーク!」
カズサが何をやっているか、手に取るようにわかる。
必殺技を叫ぶのも有意義なのだろうか。
カズサの方向へ急ぐと、熊を既に倒していた。
「レベルアップしたわよ。レベル6になったわ。
アイテムドロップは、熊の毛皮だって」
カズサは、俺の方へ親指を立てて自慢している。
「良かったな。俺も持っているぞ、熊の毛皮」
「うそー、また、おそろいなの? 勘弁してほしいわー」
なんだか残念そうだ。
「この辺に、ダンジョンもあるはずだけど、
どんな入り口になっているんだろうな?」
「上空からは、何も見えなかったわよ」
辺りを見回すと、土手に横穴がある。
「ここが、ダンジョンの入り口かなあ」
「入ってみましょ」
穴はかろうじてナタクが通れるほどの大きさだった。
俺達は、奥へと進んで行く。
薄暗くなって見えにくくなる。
「ナタク、ライトで辺りを照らして!」
ナタクは、目からライトを出し、関節部分から光りが漏れ
辺りが少し明るくなる。
「ナタクって便利だなー」
まあ、神様が設計してくれたんだろうけど。
「神様が私のデザインの意図をくんで目からライトが
出る設計にしてくれたのよ」
俺の心の中を読んだかのようにカズサが言い訳のような事を言った。
カズサが先行して、ダンジョンを探索しようとする。
俺は、あわててカズサに近づき横につく。
「危ないから、カズサは下がった方が……」
「何よ。大丈夫よ」
言う事を聞かず、先行しようとする。
カズサの足元の地面が斜めに下がって行く。
「危ない!」
カズサが落とし穴に落ちようとする所を、
腕をつかまえて引き寄せる。
思わず抱き合う形になってしまった。
落とし穴には、尖った金属と、
落ちてしまって死んだ骸骨がいくつか見えた。
落とし穴を見たカズサは、ゾッっとした表情をした後、
お礼をいってきた。
「ありがとう……」
しおらしいところもあって、そういう所は可愛い。
「今度はシローが先頭ね」
やる事が極端なんだよなあ。
カズサは、ナタクの後ろへ移動した。
俺達は、どんどんダンジョンの下り道を降りて行く。
手前には大きなカラクリがあり、道は横へ伸びている。
俺は横道へと移動する。
ナタクも横道へと移動しようとすると、カチッと何か
スイッチになるものを踏んでしまったようだ。
「えっ、何の音?」
カズサが慌てる。
後方からゴロゴロと大きな音がする。
「きゃああ!」
カズサの悲鳴がした。
ドーーーン!!!
大きな金属の玉がナタクにぶつかる。
このままでは、カズサの所へ行けないので一旦、
ナタクは横道へ移動した。
大きな金属の玉は転がり、カラクリに乗せられ
また元の位置へと移動しているのだろう。
よくできたカラクリだ。
と、関心している場合じゃない。
この分だとカズサは、死んでしまっているだろう。
カラクリのスイッチを踏んでしまわないよう気をつけながら、
カズサの所へ行く。
カズサが倒れ死んでいた。
運良くと言えるのか、道の端によっていたため、ミンチにはなっていない。
俺は、メグを呼ぶ。
「メグー、メグ様ー、メグメグー」
メグが現れた。
「なんで最後がメグメグ何ですかー」
「そんな事はいいから、早くカズサを生き返らせてくれ」
「はいはい、わかっているですー」
メグが死神の鎌を振るう。
カズサは、HP1で生き返った。
「ありがとう、メグ」
生き返ったカズサが、メグに礼を言う。
「カズサ、回復薬も飲んでおけ」
「ありがとな、メグ」
「いいって事よ、バイナラ」
メグは、さっさといなくなってしまった。
「ああ、またすぐに呼ぶかもしれないから、
いておけと言おうとしたのに」
「どういう意味よ。私がまたすぐに死ぬって言うの?」
「いや、可能性があるというだけで絶対ではないんだけど」
「いいわ、今度は絶対生き残ってみせるんだから」
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□
カズサは、ナタクとくっついて移動している。
俺が先行して歩く。
大きな部屋へ到達した。
部屋の奥に宝箱らしきものがある。
カズサも見つけて、走り近寄る。
「カズサ、罠があるかもしれないから、気をつけて」
注意したもかかわらず、カズサは宝箱に触る。
パクッ!
宝箱はミミックだった。
LV20 ミミック HP200/200
カズサは、ミミックに食べられて瀕死だ。
「ナタク、カズサを助けるんだ!」
ナタクは、ミミックの口を開けるようにしてカズサを救い出す。
俺は、魔剣をミミックへ振るう。
刃はミミックへと伸び、くるくると旋回し、ミミックを粉々にした。
トゥルルトゥルー!
『レベルアップ LV9になりました』
『ドロップアイテム 20銅貨』
カズサもレベルアップしてLV7になったようだ。
「ううっ、痛い、気持ち悪い、宝箱が襲ってきたー」
カズサは、ミミックの存在を知らなかったようだ。
普通、ファンタジーゲームでもない限りありえないからなー。
「良かったなカズサ。なんとか生き残ったぞ!
回復薬も飲め」
カズサは、回復薬を飲んで落ち着く。
「カズサ、そろそろ帰るか?」
「まだ大丈夫よ、シロー、次、行くわよ!」
俺達は、ダンジョンの次の通路へと移動する。




