プロローグ
この物語は、フィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。
□□□□□ 「プロローグ」 □□□□□
目の前には、白い髭の爺さんがいた。
「お主の住む地球は、核戦争でほとんどの者が死んでもうた。
行き場を失った魂を異世界で分担して復活し転移する事になった。
お主もその一人じゃ、翼 志郎」
「俺は、死んだのか? 信じられない」
「そうじゃ、死んだ。
転移者には、神から何か贈り物を1つする事になっておる。
お主は、何を望む?」
「そうか、死んだのか。
俺はゲーマーだったから好きなゲームの武器がいいかなあ。
ソウルエクスカリバーっていう剣戟格闘ゲームの
アルトリアってキャラが使っていた『蛇腹剣』がいい。
使用者と個人契約して、契約者に体力回復と
本体への魔力吸収と自己修復の能力を付けといてくれ」
「わかった。そんな条件を満たす武器は、
神の力を持った素材でしか作れんのう。
わしがデザインしてやろう。
神と同等の力を持った物質以外なら何でも切る『神の糸』、
一見地味じゃが、もっとも強力な能力じゃ。
それで自在に操れる刃が繋がれている。
お主に扱えるかのう」
「ヘボゲーマーだったから自信ないなあ。
好きなこの剣の出るゲームも勝率50%行かないくらいだったからなあ。
強すぎて手加減できず殺しまくりそう。
何か殺しても生き返るアイテムないの?」
「そうじゃのう、贈り物は原則1つなんじゃが、
お主の優しさに免じて何か考えよう。
蘇生薬は、高価でそう大量にやるわけにはいかんし。
そうじゃ、良い人材がおった。
メグがおった。
死神は普通、死んだ者の肉体と魂を切り離す。
死神の鎌で切る事ができるが、
この死神だけは切った者がHP1で生き返ってしまう。
言うなら、成仏失敗。
死んだ者を生き返らせるのはかなり難しいのじゃが、
その者は、簡単に生き返らせてしまう。
死神として使えないので今は事務処理ばかりやっておる。
その者をそなたの従者としよう。
おーい、メグはおるかー」
金髪セミロングの美少女が現れた。
「御呼びでしょうか、神様」
「ふむ、メグ、この人間、翼 志郎の従者となれ」
「そんなー、こんな人間に従うんですか? リストラなんですねっ!
神様ひどいですー!」
「いやいや、ただの仕事内容の変更じゃ、
メグの能力、成仏失敗であるところの蘇生を、
この者のために使うと良い」
「神様が言うなら仕方ないですー、
でもやっぱりリストラですー」
「俺は、翼 志郎、シローって呼んでくれ、よろしく、メグちゃん」
「よろしく。
だけど、ちゃんはいらないですー、
これでもシローより長く生きてます!」
「歳はいくつ?」
「レディーに向かって歳を聞くのは失礼です。
教えてあげないですー」
神様から、魔剣を貰った。
「おおっ、かっこいい。
剣の名前は、魔剣アルトリアと呼ぶけどいい?」
「ふむ、よかろう」
軽く振ってみる。
ブンッ。
剣の刃が伸びた後、すぐに元通りの直剣になる。
「それで、その剣は、そなたの物じゃ。
他の人間には使えない。
契約終了じゃ」
「はや」
「それでは、地上へ転送するぞ。
良い人生を! グッドラック!」
俺とリストラ死神のメグは地上へと転送された。