見習い配達員は結構キツイ
一頭の馬に跨がり残りの2頭の手綱を操る。
自分でやってても無茶だな~とは思っていたが丸一日走り続けた所で一頭目の馬が潰れた。
倒れる馬から飛び降りながら別の馬に乗る。
その間決して脚を止めさせない。
だって立ち止まったら僕も動けなくなる。
そんな無茶苦茶な走らせ方をしていたら残りの2頭も次の日の夜中には潰れてしまった。
最後の馬が泡を吹いて倒れる寸前僕は飛び降りて走った。
このまま走り続ければ遅くとも明後日の朝にはたどり着けるだろう、僕はなるべく後の事は考えない様に走り続けた。
王都の門は夜間閉められている。
その為、早朝には門前で旅人がその門が開くのを待っているのは王都においては当たり前の光景だった。
"開~門、開門"
門番の声と共に王都の門がゆっくりと開いていく。
しかしそこに居たのは、全身埃まみれになり、身体中から湯気が出てる男が一人門前にいた。
「お前一寸待て!」
「怪しい奴め!」
「そこのお前止まれ!」
最初僕が呼ばれて入ると思わずそのまま素通りしそうになった所、門番達から槍を突きつけられて、始めて自分が職質されている事に気づいた。
まったく勘弁して欲しいものだ、こっちは急いでるって云うのに、僕は疲れきった頭できっと冤罪ってこうやって作られるんだろうな~と思った。
「お前こっちに来い。」
「いいか暴れるんじゃないぞ。」
「先ず王都に何をしに来た。」
僕はやっとマトモな質問がきてホットしながら答えた。
「冒険者ギルドミュンゼン支部の支部長から冒険者ギルド本部のギルド長宛の手紙を預かってます。」
「お通し下さい。」
僕が礼儀正しく返答すると相手もこれ以上係わりたく無かったのか、余りおかしな格好で彷徨かないようにと注意を受けるだけですんだ。
僕は物のついでとばかりに冒険者ギルド本部の場所を教えて貰った。
「お前場所も分からずに行こうとしてたのか?」
門番は呆れた様子ながら親切に教えてくれた。
「冒険者ギルドってのはあれだろ失業対策の為に最近出来たって云う・・・」
そこまで云うと門番は僕に優しく言った。
「冒険者ギルドの場所は商業地区の外れの倉庫のはずだ。まぁ真面目にやってればその内良い事もあるさ、頑張れよ。」
貴方の言葉が一番キツいです、言わないけど。
「ありがとう。」
僕は体を引きずりながらギルド本部を目指した。




