旅路Ⅱ-9
「対空レンジ最大!爆撃ペリカンを捜索。」
AIに指示を出し、上空の警戒を強める。
『爆撃ペリカン』は高高度からの絨毯爆撃を初手でプレイヤーに叩き込んでくると報告されている為だ。
その後、高高度から急降下爆撃を敢行した後上空1000㍍からの絨毯爆撃をしてから、再び高高度へと昇り、高高度絨毯爆撃・急降下爆撃・絨毯爆撃を繰り返すモンスターだとあるがその情報も2ループまでしかない。
その理由は3ループ目の最初でプレイヤーが全滅した為だ。
高射砲が無いため、プレイヤーは全く手が出なかったらしく、モンスターのLPを1ドットも減らせなかったとのこと。
『対空レーダーに飛行物体を感知!速度から該当モンスター『爆撃ペリカン』と思われます。尚、『爆撃ペリカン』は何者かに攻撃を敢行している様子です。』
「分かった。『爆撃ペリカン』がPRC射程内に入ると同時に報告を!攻撃は俺がやる。此方にターゲットを移した後『爆撃ペリカン』の撃破する」
「「「了解!!(です)!」」」
3人からの了承の返事を聞いた後、更に担当場所に関する指示を矢継ぎ早にだす。
「イリス!車両操作を!」
「ヒカル、ライル!対空武装の操作を!」
俺は、メンバーが受け持っていないPRCは言うに及ばず、地上に出現するかも知れないMOBへの攻撃も担当する事になる。
『有効射程まで後20秒!!』
その報告を聞き、操縦稈を握りトリガーに指を懸けスコープレティクルに『爆撃ペリカン』を収める。
「イリス!最大戦速で『爆撃ペリカンの下を掻い潜り敵を誘導する!
カウント3で!」
「3!」
「2!」
「1!」
「Go!」
その指示で陸上戦闘艦が
最大戦闘速度で疾走を始める。
此方から距離を詰めたことで射程距離が瞬く間に縮まっていく。
射程距離に入った直後、トリガーを引き絞りプラズマ弾を『爆撃ペリカン』へと撃ち込む。
此は当たろうが当たるまいが関係無い。
あくまでも、攻撃意思がある事を相手に知らしめる示威行動の一環なのだから・・・
『爆撃ペリカン』はプラズマ弾の射撃を野性的な勘で察知したのか、回避行動をとりプラズマ弾を掻い潜る。
『『爆撃ペリカン』より探査レーダーの発信を感知!ターゲッティングの移動を確認!!』
AIの報告によって、此方へターゲッティングが移動した事が分かる。
後は、この場を戦場にしない為に速度を維持したまま駆け抜け、手頃な場所で戦う事にシフトする事になるだろう。
「ヒカル、ライル!対空武装及びレーザー機銃で『爆撃ペリカン』が落としてくる爆弾を迎撃してくれ!暫くはそれに専念!他の指示は逐って出す!」
「「了解!(です)!」」
「イリス!速度、方角そのまま『爆撃ペリカン』を引っ張る!突っ切れ!!」
「まっかせい!!」
再びの矢継ぎ早の指示に三者三様の答えが返ってくる。
相変わらす頼もしいメンバーだ。
『爆撃ペリカン』が生き残るか?それとも俺達が生き残るか?その鍵は俺の判断1つに懸かってくるだろう。
旋回回避とループ回避を如何に封じるか、そしてそれを封じることが可能な対空ミサイル2種をどのタイミングで使うか?が勝負の分かれ目だろう。
さて、『爆撃ペリカン』お前に、此方の意図が読めるのか?




