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旅路Ⅱ-8

話し合いの末にふねの強化が決まった翌日。

俺達は、とある賞金首モンスターを追い掛けていた。


そのモンスターの名前は『爆撃ボマーペリカン』という、鳥型の飛行モンスターである。

飛行型のモンスターであるので、何処に出現するかは分からないのだが、一定の地域を飛び回っている事は報告されている様で、目撃例も多数ある。

のだが、この飛行型モンスターの厄介な点が1つある。


高高度を常に飛行している為に、既存の車両搭載武器では、攻撃すら覚束おぼつかないのだ。

現実リアル世界では、こういった高高度を飛ぶ兵器に攻撃するには、高射砲という特殊な兵器が用いられるわけだが、ゲーム内では現状その類いを所持しているプレイヤーは皆無であるいう状況であり、高高度の敵にはプレイヤーは無防備という体たらくなのだ。


掲示板の情報によると、『爆撃ボマーペリカン』が現れた場合、プレイヤーは高高度からの絨毯爆撃を喰らい、逃げ惑うか死に戻りの全滅の憂き目に有っているそうで、クラフター達を動員して高射砲を作成しようと奮闘しているのだとか。

ただ、開発に成功したという報告が無いことから、難航中らしい。


何故俺達がそのモンスターを狙っているか?だが、ふねには幾つかの対空用の武装が搭載されている事が判明したからだ。


対空武装の1つの名前は「アルマード対空ミサイル」といい、垂直発射される物で一定の高度に達すると内臓爆薬によって外殻を周囲に飛び散らせ攻撃を与える兵器。

もう1つの対空武装は「ゲイボルグT2」というもので、これも垂直発射式のミサイルであるが、目標より高い高度に達すると内臓する複数の鋼針を周囲にバラ撒き落下させることで目標に攻撃するという代物である。


勿論、ふねが搭載している既存の武装にも高高度にいる敵にも攻撃を加えられる物はある。

メイン武装であるPプラズマRレールCキャノンは言うに及ばず、艦付属のレーザー機銃も対空武装として使用可能である。


只し、レーザー機銃は高高度の敵にはあまり意味はない。

理由は、距離による熱量減衰が有るため高高度の敵に当たる頃には殺傷力が無くなっているからである。


高威力の砲もあるにはあるが、有効射程距離との兼ね合いで高高度を飛ぶモンスターには当たらない。



俺達は、いまだ 未稼動の武装を使える様にする為に、この高高度飛行型のモンスターを選んだ事、それがこの地域に留まっている理由なのだ。

おまけとして、偏差射撃法も修得しようと目論んでもいる。


偏差射撃とは、移動する目標を狙っても距離と速度の兼ね合いで砲弾は当たらない事などザラである。

移動する起動と速度から数秒先の位置を予測してその地点へ砲撃を撃ち込み、砲弾を当てる射撃方法が偏差射撃法である。


現在は、コンピューターによって速度や予測軌道を割り出して、狙う位置を算出してくれるのが一般的だが、軌道演算用のコンピューターが壊れてしまえば、軌道予測は己がしなければ為らない。


昔起きた世界規模の戦争があった時代、コンピューター制御はあまり発達しておらず、軌道予測は、射手の経験則によって為されていたという逸話も存在しているらしい。

航空機同士の戦闘において、この偏差射撃が出来るか否かが、航空機同士の戦闘ドッグファイトの勝敗を別けていたという話もあるらしい。



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