表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

遠い昔のはなし

作者: 雲雀 蓮


朝早くには月が別れを告げる



ほんのり残った彼女の気配しか感じられない

彼女の従者の星たちはすでに朝食の支度を始めている



お昼に近づくと太陽が挨拶する



おはようと言って私たちの体を温める

光と熱が私たちにとってはとても必要なものだ

それがなければ死は免れえない



夜になると太陽が別れを告げ、月が挨拶する



握手すらも拒む二人は同時に存在しても目を合わせない

月に合わせて従者は順に現れる




ほぅっと息を吐けば白い幽霊が現れる

やぁ、と手を挙げて離れていく



太陽からもらった熱が引いていく

空が熱を吸い上げているから

月がしっかり休めるように熱を集めているのだ



空は月が大好きだから



同じように空を泳ぐ雲は星が好き

他の誰かに見せたくないから覆い隠してしまう

きらきら輝いているところは誰にも見せない



でもそれを風が邪魔をする



風は雲が嫌いだから

ずんずんと遠くへ飛ばしてしまう。



そしてまた、月が僕らに別れを告げ、太陽が顔を出す。


またも彼らは顔も合わせず居場所を交換するのだ。



でも本当は太陽も月もお互いが大切で。

自分たちの役割を担うことでお互いを支えあっているの。




なんて。

そんな風に優しい世界が在ったのならいいね、と誰かが言った。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 優しい気持ちになりました。そういう風に世界を観れたら日常が幸せに包まれそうです。絵本みたいな情景が思い浮かんできてよかったです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ