ep11-7 私がきっと思い出させる
コースケは、突然のミオの出現に戸惑っていた。
「あの?君はだれ?」
コースケから発せられた1言はミオをどん底に落とすには十分だった。
「ミオだよ。覚えてないの?」
コースケは、頭を抱えて
「実は、僕は記憶喪失らしくて、発見される1年間に行方不明で3年前にこの近くで発見されたんだけど行方不明になる前の記憶がないんだ。」
そう言って、ミオを残して家の中へ入ろうとした。
それを見たミオは、
「ひ、酷いよ。ミオがどんな思いでここまで来たと思っているんだよ!コースケのバカ!!」
ドアノブを握るコースケの手が止まった。
コースケは、突然反転して、ミオの顔に顔を近づけた。
ミオは真っ赤な顔をして、怒り出した。
「いきなり、なにするのよ!」
コースケは真面目な顔をして、
「あの絵とそっくりだ、実在するなんて…君はひょっとして僕が行方不明の時のことを知っているんじゃないか?ちょっと見せたいものがある。」
コースケは、ミオの手を握って家の中に案内した。
コースケが連れて来た部屋には、ミオの絵がところ狭しと飾られていた。
「な…、なにこれ?」
「僕が夢の中であったことを絵に書いたものだ、いつも君がいる。」
ミオは絵を見ながら、コースケに説明した。
出会った時の絵の話や八大精霊を封印する旅の話しやコースケがいなくなった時の話しをした。
コースケは頭を抱えて、
「頭痛が酷くなってきたみたいだ。少々休ませて頂く。」
コースケは、その場で横になってしまったが、ミオは、コースケの寝顔を見ながら少し嬉しいキブンに浸っていた。
別れた後、コースケは、この地で記憶喪失にも関わらず自分の絵を書き続けてくれた、しかも書いてくれた絵はミオが大切にしていた思い出とオーバーラップする部分が多く見ているだけでその時のことを
思い出し、涙が自然と流れてくる。
ミオはこころに決めた。
例え、コースケが自分のことを覚えていなくても、
思い出してくれるまで傍にいる、自分が絶対にあの日のことを思い出させると…。
「僕は、また君を泣かせてしまったんだね、僕はダメなやつだ。」
コースケが寝言で聞き覚えのあるセリフを言った。
ミオはコースケを抱きしめ泣き続けてそのまま寝てしまった。
「ミオ、ミオ…こんなところで寝ると風邪をひくよ。」
コースケは、ミオより先にめを覚ましていた。
記憶喪失から三年、いつも頭の中のモヤが取れない日々が続いていたが、それがいまでは大部分が消えてミオとの思い出も甦ってきた。
ミオに申し訳ない…苦労してここ迄来たのに僕は追い返そうとしたんだ。
でも、こうしてミオと居られる今が本当に幸せだ。




