ep11-5 消えた…私の大事な人
コースケが消えから、早くも1週間が経とうとしていた。
街の復興は、八大精霊を中心に急ピッチに行われていった。
街は、活気を取り戻しつつ有り、世界は平穏を取り戻しつつあった。
一人を除いては…。
「サラ、ミオはどうだ?」
サラは頸を振って
「ダメです、飲み物も食べものも採らないです…兄さん、これじゃミオさん死んじゃいます。」
サラが目に涙一杯溜めて懇願したが、
「無理矢理食べさせてもあいつ吐くだろ?まいったな。」
2人の横をすり抜けるように大神官が通って行った。
「おい!はねっ返り!いつまで寝てんだ。」
大神官が、ミオの髪を掴んで引っ張り上げた。
「なんだ、ジジイか。もうほっといてくれ。」
ミオは、大神官の手を跳ねのけ、またベッドに横になってしまった。
大神官はため息をつき、
「あ〜、情けない。向こうはお前を待っているかも知れないにな…、まぁ私も暇じゃないから行くよ」
と、半笑いで立ち去ろうとした。
「ま、待った!どういうこと?コースケはどこかで生きているのか!」
大神官はニヤと笑い、
「あいつは本来いないものだった、あいつに関する記憶はお前以外は急速になくなっている、お前だけが特別なんだよ。すまんがオレもあいつの名前が分からなくなった。早くしないとお前1人でなんとかしないとならんぞ。」
ミオは立ち上がり、サラとジルを捕まえて走り出した。
「おい、おい。急にどうしたんだよ。ジル、サラはコースケのこと忘れてないよね!」
ジルは大笑いして、
「おい、おい。そんなに耄碌してないぜ?」
サラは真剣を考え込んでいた。
「すっ、すみません。大事な人だってのは覚えてるし、一緒に八大精霊を探したのも覚えてるんですけど…名前が何度聞いてもすぐ忘れるんです。」
ジルは顔面蒼白になった。
「ど、どういうことなんだ…。」
ミオは、ジルの肩を掴んで、
「どうすれば、コースケのところへ行けるの!」
ジルは考え込んだが、
「わからん。一番力が強い奴ならなんとかなりそうな気がするけど…それってお前だよな。」
ミオは、コースケが封じて以降魔術は、使っていなかった。
「でも、私、もう何も使えないし…。」
「オレ思うんだけど、会いに行くやつくらいの魔法は使えるようにしてあるんじゃないか?別れたくないって最期に言ったんだろ?」
ミオは頷いて、そうだ…なんで今まで気が付かなかったんだ、コースケなんだからそういうことするに決まってるじゃん。
ミオは、全身に魔力を集中させ時の魔術を発動させた。
「ま、待った〜!」
息を切らしてミラ婆がやって来た。
ミラ婆の肩の上にはチキとマリンが鎮座していた。
「この老いぼれに最期のお手伝いをさせておくれ。」
ミオは深呼吸をして、
「改めていくよ!コースケの所へ出発だ!」




