ep10-4 浮上都市の謎
「あっ見えて来たよ。」
ミオは興味津々で身を乗り出している。
浮上都市は、想像より巨大だった。
降りることは問題なく出来そうだ。
「黒龍、ちょっと降りてみてくれないか。」
黒龍は降下し、地表に着く直前に異常を感知し、再び浮上した。
「どうしたんだ。黒龍。」
「幻だ。ここに都市なんかはない。」
僕は頷いて、
「そうか、わかった帰ろう。」
黒龍は慌てて、
「どういうことだ、説明しろ!」
と叫んでいるみたいだったが、無視して、風の精霊とミオに帰る様に促した。
当然、全員が怒っていた。
『陰の精霊王。性格がネジ曲がっているにも程がある。』
風の精霊が睨みつけていたが、それよりミオに締め上げられてる方がきつい。
「さっき言ったばっかりでしょ!隠し事はなしって。」
僕は、ミオからの攻撃を逃れて、
「確証がなかったから、確認しないとわからないだろ。不確定な話をするのもね。」
と言った。
浮上都市について、みんなに説明した。
浮上都市とは、そこにはないがそこに存在する。
見えているのは影で、実体は異空間に埋没している。
それを引き出す事ができるのが時の精霊の力。
『待て、話が半分しか解決しないではないか、どうやって浮上都市を消す?』
「僕と一緒に地上に落ちることで因果律が消滅して消えます、そして異空間の扉は閉じる」
風の精霊は頷きながら、
『この地の災いは異空間の来訪者ということか。でも、なんでお前だ?』
「なんでもいいんです。媒体があれば、ただ媒体はその都市が知ってないといけない。」
風の精霊はその場に座って、
『もう、終わるんだな災は…じゃ、さっさと封印してくれ。』
「ありがとう。風の精霊。」
僕は、ミオの方に向き直して、
「じゃ、ミオ。封印を。」
ミオが、震えて拒否した。
「そ、それじゃコースケはどうなるの?いなくなるの?消えちゃうの?」
僕はミオの肩にそっと手を添えて、
「いいかい、ミオ。僕はこの世界の災にしかならない、いてはいけない存在、浮上都市と同じだ。消えないといけない。」
ミオは、頸を大きく振って
「違うよ。ミオにとっては幸せしか運んで来てないよコースケは…災なんかじゃないよ。」
僕は、頸を横に振って、
「もう一つ、君に言わないといけないことがあった…僕は既に死んでいるんだ。」
ミオの顔面から血の気が引いた。
「う、嘘。」
「うん。だから僕は消える事が自然なんだよ。」




