ep8-5 小さな生還
僕達は、子供達をアームに回収し、手当をしたが
助かるかどうかが微妙だが、ミオとサラとミラ婆が全力で回復している。
ジルが、ため息をつきながら
「サンホンの国王は、浄化主義者らしいからな。この機に貧困層を一掃したかったんじゃないか?」
僕は首を横に振って、
「貧困層は悪じゃないだろ、むしろ被害者じゃないか!」
ジルは怪訝そうな顔で、
「俺に怒っても仕方ないだろ。」
全く、ごもっともだ。
「すまない。」
「お〜い、暇人ども。ちょっと来い。」
ルシーナが呼びに来た、子供達の意識が戻ったのかも知れない。
「全く、誰が暇人だよ。」
ジルは文句を言いながら、僕と一緒に貨物室に行った。
「なんで助けたんだ!」
1人の少年が、ミオとサラに噛みついてた。
「おい、おい、どうした?」
僕とジルが駆け寄ると少年は更に激昂した。
「こんな世界で俺等にどうしろって言うんだ!」
僕は、サラとミオに小声で、
「なんか言ったのか?」
「意識が回復してからずっとあの調子です。相当酷い目にあってきたのかと思います。」
僕等が悩んでいると、ジルがその少年を殴り飛ばした。
「ガタガタ言ってんじゃねぇ。喚いて何か変わるのか!」
少年は肩を落として、
「だって死んだ方が楽だろ、こんなんじゃ。」
「助けなきゃいけないものがあるんじゃねぇのか、お前には!こんな小さい子たちを置いて死ねるのか!死ね前にやることが山程あるんじゃないのか!」
いつなく、ジルが饒舌に説教している。
サラを見たらちょっと笑っていた。
ミオが首を傾げて、
「サラ?なんで笑ってるの?」
「兄さん、お父さんみたいなこと言ってると思って…自分と重ねちゃったんですかね。」
ジルが肩を震わせて、
「お前等は黙っておけ!」
少年が俯いて、
「俺にも出来ることってあるのかな。」
「バカ言え、山程ある。例えば、限界集落のジジイババアを助けるとかな。」
限界集落…。あ、北の果ての旅館のおばさん達のことかな?
「ジル、この子たちそこに連れて行く?」
「そこって?」
「北の果ての旅館のおばさん達のとこ。そのこと言ってたんでしょ。」
ジルは、頭を掻きながら、
「そういうつもりじゃなかったんだけどな。」
「私はいいと思います。」
サラが、ニコニコしながら言った。
「お前な〜。」
ジルはがっくりと肩を落とした。
ミオが目を輝かせて、
「じゃ決まり!アーム、次はジュポンへGO」




