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異世界放浪 〜僕の家って何処ですか?〜  作者: 礫(レキ)
第1章 地上編
2/53

スキルって大事ですか?

僕とミオは、昨日宿屋のおばちゃんに言われた通りに隣の洋服屋で防寒具というか、あまりにも寒いのでこちらの地方に合わせ全て揃えることにした。

ミオは、楽しそうに服を選んでいた。

僕は、服選びとかは好きではないので、早々に地味な黒、紺系で統一した。

「コースケってそれでいいの?」

「いいんだ。それよりミオは決まったのか?」

「うん。これ、暖かいよ。」

洋服屋のおやじに支払いを済ませると、僕達は町外れの神官崩れのおやじの住む家に向かった。 

「これかな?」

「コースケ、今にも崩れそうだよ。」

と、ミオが不安そうに言った。

「入るしかない。」

僕はドアノブに手をかけてドアを開けた。

「なんだお前等は!」

いきなり、怒鳴られた。

「す、すみません。宿屋のおばさんに聞いて来たんですが…。」

おやじは苦虫を噛み潰したような顔で、

「また、あのババアか。仕方ない…どっちからだ。」

「ミオからやってもらおう。」

「分かった。」

ミオは緊張した面持ちでおやじの前の椅子に座った。

おやじは、立ち上がりミオの頭に手をおいたかと思うと手がぼんやり光った。

暫くすると、激しく光が周囲を覆った。

「うわっ!」

おやじがびっくり返り、瞬きして、僕等をみた。

「なっ、お前等何者だ?」

おやじは我に返り、

「すまなかった、ここは個別の事情は聞かないようにしているんだが、流石にびっくりしてしまってな…、上級回復術師の様だがスキルは、私には大き過ぎて見えん。済まないが他…大神官クラスでないと無理かもしれん。」

ミオは、ビックリしすぎて放心状態だ。

次は、僕がおやじの前の椅子に座る。

おやじは恐る恐る、僕の頭の上に手を置いた。

おやじの手がぼんやり光った瞬間、

バチっ!

激しい音と共に火花が飛んだ。

「痛っ!」

おやじが床を転げ回った。

「何なんだ?悪いがお前に関しては何もわからん、封印されてるみたいだ。」

マジか〜、簡単には行かないと思ったがしょうがないな。

「分かった、ありがとう。」

僕達は、神官崩れのおやじの家を出ようとしたら、上空にイッポンでみた、浮遊都市ニホンが浮かんでいた。

おやじも一緒に出て来て、

「あれも、あんたらの影響かい?」

僕は苦笑いで、

「ど、どうなんでしょう?」

「追いかけてきたのかなぁ?」

ミオが、ボソッと物騒なことを呟いた。

この先、ずっと付いてくるなんてないよな。

「あんたら、隣町の酒場に呑んだくれの大神官がいるからそいつに話してみればいい、そいつなら面倒なことにはならないはずだ。」

「おじさん、隣町までってどのくらいかかるの?」

「二山超えるからな、歩いて10日はかかるかな?」

は?歩いて10日だって?

「ふ〜ん。みんな歩くんだ。」

「バカ言え、歩くやつなんかいないよ。馬車で2、3日だ。馬車で行ったほうがいいぜ。」

ミオの目が輝いた様に見えた。

「ばっ、馬車だって。コースケ、私馬車に乗ったことないよ。」

「そんなの俺だってないよ。」

「だったら、使用人も馬車屋で斡旋してるから、あそこの馬車屋に聞いてみな。」

おやじに言われた通りに、僕とミオは馬車屋に入った。

「いらっしゃい。」

店主は、僕等を舐め回す様に見て、

「安い馬車は出払ってるんだ、来月くらいに来てくれ。」

ミオが、店主に向かって、

「高いのならあるんだ!見せてよ、価値通りならお金はなんとかするから!!それとも自信ないものしか扱ってないのかしら?」

あ〜、挑発しちゃったよ、大丈夫かな?

店主は、眉をぴくつかせて、

「言ったな、小娘!こっち来い。」

店主は、怒りに任せて立ち入り禁止と書かれた倉庫の扉を開けて、灯りをつけた。

「こっちは、貴族様仕様で、こっちが冒険者仕様、こっちが長距離商人向け仕様だ。」

僕は、ミオに耳打ちし、

「この3タイプを見て貴族仕様は豪華なだけで実用的でない、冒険者向けは一見よさそうだが、ちょっと狭い気がする…商人向けかな?」

と、言ってみた。

「うん、私もそんな気がする。」

店主は苛ついた感じで、

「お前等に本当に買えるのか?」

ミオは、ニヤリと笑い、

「でいくらなの?馬込みの値段を言ってみてよ。」

店主は、

「ビックリするなよ。貴族仕様は、100、冒険者仕様は、50、商人仕様は70金貨だ。 ハッハッハ、はらえるわけねぇ。」

「買うわ、それと馬車を扱える商人をつけていくら?」

店主の顔色が変わった。

「え?買える金あるのか?参ったな。こんなおおきな商売初めてだ。使用人はサービスだ。」

店主は、僕等を使用人のいる部屋に案内してくれた。

「悪いんだが、今男の使用人が出払っていて女の使用人しかいないんだが、平気かい?」

僕は苦笑いして、

「馬車を扱える者が欲しいんだが…。」

「そっか〜、どうしたもんかな…。ちょっとした問題を飲んでくれればいいんだが。」

「問題?」

店主は言いづらそうに、

「兄妹で…、お尋ねものなんだ。」

マジか…。どうしたもんだろう。

ミオの方をチラリと見ると、ちょっと苛ついてるみたいだ。

小声で店主と話しているみたいだがよく聞こえない。

『妹は色目を使ったりしないのか?』

「あ〜、あの旦那にですか…。基本、シスコン、ブラコンなんでそういうことはないです。」

ミオは、僕の所に戻ってきて

「取り敢えず、だめだったら交換に応じてくれるみたいだから…いいと思う。」

「ミオが言うならそれで行こう。」

「店主、その2人でお願いする。」

店主は、ビックリして2人を呼び出した。

出てきたのは、10歳くらいの少年と7、8歳くらいの女の子だ。

「ちょ、ちょっとこの二人に馬が操れるの?」

「バカにするなよ!馬ぐらいなんでもない。」

店主は、肩を竦めて

「すみません。言葉遣いが悪くて、ただ腕は確かなんで、心配無用です。」

ミオが女の子をちょっと睨んで、

「女の子の方は何が出来るの?」

「あ〜、回復術を少々くらい…。」

店主が言いかけたところで、ミオが女の子の手を握って、

「私と同じね。」

と笑うと、女の子も笑顔で応えたが、直ぐに少年が割って入って、

「気安く触らるな!」

店主が少年を叩き、

「すみません。ちょっと説明しておきますので馬車に荷物とか積んでおいて下さい。」

僕達は、馬車に荷物を積んでいると少年達がやって来て、

「何処まで行くんだ?」

「取り敢えず、隣町まで。そこから先はその都度だ。」

少年は、ちょっと考え込んで、

「俺達の雇い期間は?」

「結果次第かな?」

「あ〜、分かったよ。」

ちょっと不機嫌な感じで、店主と話して馬車に乗り込んできた。

「もう出発していいのかって、サラなんでそっちにいるんだ。」

ミオがサラを庇って、

「ガタガタ言ってないで早く出しなよ。サラちゃんていうんだ。よろしくね。」

「チッ!」

「サラちゃん、あいつはなんていうの?」

「ジル兄さんですか?」

「余計なことは言うな!」

ガタガタ。馬車が走り始めた。

「コースケ、この馬車って馬3頭で動かしてるんだよ凄いね〜。」

ミオは馬車が走り始めてニコニコしていた。

「御主人様、馬車は初めてですか?」

ミオと僕は目を合わせて、ちょっと吹き出してしまった。

「やっやめてよ。御主人様なんて、柄じゃないわ、ミオでいいよ。」

「僕も、コースケでいいよ。」

サラは頸を大きく横に振って、

「そ、そんな…。せめて様はつけさせて下さい。」

「けっ!変な奴等だ。金持ちのくせに威張らないんだな。」

僕は頸を横に振って、

「僕達は、金持ちじゃない。たまたま、運良くお金が入って来ただけだよ。」

サラが、険悪なムードになるのを察して話題を変えようとして、

「隣町にはどのような御要件でいくのですか?」

と、聞いてきた。

「あ〜、ちょっと事情があってスキルを調べに行くんだ。」

「スキル…ですか?あのおじさんじゃダメだったのですか?」

僕達は苦笑いして、

「二人ともわからないから、隣町の大神官に聞きに行くんだ。」

「お二人は特別な人なんですね」

「ジジイがもうろくしただけじゃ、ね〜のか。」

ガタガタ。

馬車が急停車する。

「何かあったか?」

僕がジルに聞きに行くと、

「囲まれた。物取りの類いの賊かもしれない。」

ジルは少し焦っているように見えた。

ミオに耳打ちして、どうにかならないか聞いてみた。

「う〜ん。私も街から出たの初めてだしな、犬とかに助けてもらったとか森の精霊がたまたま助けてくれたとかしか聞いたことないな。」

…、今はそれに賭けるしかないか。

「ミオ、神経を集中して祈るんだ。」

「え?何に?」

「森の精霊様に。」

「わ、わかった。」

「僕も一緒に祈るから。」

僕とミオは、神経を集中して、祈りを始めた。

周囲がぼんやり光に包まれた。

「こ、こんなことって。」

サラが二人を見て震えだした。

外では、賊が馬車の周りに集まりだし今にも襲いかかる雰囲気になっていた。

次の瞬間、賊の背後から無数の矢が放たれ、殆どの賊がその瞬間にやられてしまった。

残った賊の頭目らしい、男が、

「誰だ!この俺が…、」

そう叫んだ瞬間、無数の目が闇夜に光り、頭目の首が宙を舞った。

その頭を抱えた、精霊と思われるよ者が、馬車の前に1枚の紙をおいて、森の中に消えて行った。

ジルが馬車の中に向けて、

「終わったみたいだ。サラ、馬車の外にある紙をそいつらに見せてくれ。」

「うん、わかった。」

サラはそう言うと、外に出て、取ってきた1枚の紙を僕にわたした。

紙にはこう書いてあった。

『永き眠りよりお目覚めになり感謝しかありません。これからは全精霊の全てを賭けあなたをお守りします。』

う〜ん。ミオって凄い力があるみたいだな。

「ミオ、多分これって君のことだと思うよ。」

「え〜!?コースケでしょ?だって祈ってる時、凄い暖かいものに包まれてるみたいだったもん。」

「僕は、水の中にいるような気分だったけど…。」

う〜ん?結論は出ない気がするな。

「ミオ、この件も大神官に聞いてみよう。だけど、これからは危険は無さそうだね。」

サラが恐る恐る手を挙げて、

「あの〜、お二人は精霊師ではないのですか?だったらお願いしたいことがあります。」

「やめろ!サラ。出来るわけない。」

「でも、お兄ちゃん…。」

なんだろ…精霊師って?

「ま、大神官に聞いてみて、その精霊師だったら考えてみよう。ネ?」

「は、はい。」

サラは、小さく返事をした。

ジルが、

「今日はこの辺で休んで、朝になったら出発するがいいか?」

と、馬車の中に声を掛けた。

「ああ、構わないよ。」

この馬車は、大きいため、居住スペースがそれなりにあるので僕とミオとジル、サラ兄妹が寝るには充分のスペースがあった。

四人で軽く食事をした。

ジルは相変わらず無口だったが、ミオとサラはかなり打ち解けて和やかに会話していた。

その中で、2人がお尋ねものになった経緯を聞いた。

2人は、ここからかなり離れた山村で暮らしていたらしいが、その山村で封印されていた獣神(獣だか知性があるものらしい)の封印が解けそうなので、助けを呼びに行く旅を続けてたらしい。

2人とも、その精霊師のたまごらしく2人で封印解除、封印をするらしいのだが、とある都市でその実験をやったところ、封印解除はできたが、再封印に失敗し、獣神が暴れ周り一帯を火の海にして、結果2人はお尋ね者になったということだ。

2人の話だけ聞くのは不公平な気がしたので、僕達2人の話をした。

僕がニホンからこの地に来たこと、そこでミオに出会い、スラム街でのバイトや、図書館での出来事やミオの身請けや不思議なミッションの話まで殆ど話したが何処まで信用して貰えたかはわからないが、

ある程度、聞いてくれた手応えはあった。

その後、別れて眠ることにした。

翌朝、起きたら既に馬車は動いていた。

ミオはまだ寝ていたので、そのままにして上に上がるとサラが朝御飯の準備をしてくれていた。

「おはようございます。」

「いや、悪いね。用意なんかしてもらって。」

ジルがその言葉を聞いて、

「お前は、馬鹿か?使用人が朝御飯の支度をするのは当たり前だろ。」

「え?僕は馬車の扱いだけしかお願いしてないけどね。」

ジルが僕を睨んで、

「それだけであんな金アイツが俺に払うわけないだろ!」

サラが言いづらそうに、

「私達、殆ど給金頂いてなくて…今回、可能な限り尽くしてこなければ、奴隷屋に売るって…。だから、馬車の扱いだけってないですよね。」

と、悲しそうに言った。

「う〜ん。本当に馬車の扱いだけなんだ。僕等の話はしただろ、使用人というよりは仲間という感じでいてほしい。」

「本当にいいんですか?ありがとうございます。」

と、サラに抱きつかれた瞬間、ミオが上に上がってきて、

「サ〜ラ〜!!」

ミオの顔が怖い。

「あんた!コースケに手を出さないで、私のコースケ取らないで!!」

「あ〜、ミオ。誤解誤解、違うんだ。」

号泣しているミオを慰めながら、事情を説明した。

「うん、わかった。馬車屋のおやじが悪いやつなんだね。」

サラはミオをジーっと眺めて、

「ミオお姉さんって本当にコースケさんのことすきなんですね。」

「うん。そうなの。」

おい、おい。人前で、そういうことは…。

「だから、サラちゃん。取らないでね。」

「ははは。大丈夫ですよ~。」

完全、ドン引きじゃね〜か。

その頃、隣町の酒場では、

カラン、カラン。

目つきの悪い神装をした男が入って来た。 

酒場の店主が目つきの悪い神装の男に声を掛ける。

「ベリルの旦那。鳩便が届いてますよ。」

「あー。鳩便?クソがぁ、酒が不味くなるから、先に見とくか。」

ベリルは、店主から鳩便を奪うと手紙を読んだ。

『近日中に2人若しくは4人、お前のどこへ行く。オレには、手に負えないからお前に任す。 バーン』

ベリルの手が小刻みに震えていた。

「あいつ、ふざけやがって。なにが手に負えないだ…。手に負えない?あいつにできないのって最上級か、古代種族か…やっかいなこと押し付けやがって…。」

嫌そうな言葉の割には、口元はゆるんで終始笑っていた。

コースケ達の馬車には、昼食が届けられていた。

「え?これどうしたの?」

「昨日助けてくれた、精霊さんみたいです。ねぇ、兄さん。」

「ああ。多分な。我々には見えないけどな。」

そっか…貰いっぱなしじゃ悪いから、お礼の手紙でも書いておこう。

僕は取り敢えず簡単な手紙を書いて、昼御飯の器に手紙を入れておいた。

「ちゃんと読むかな?というか読めるのか?」

ジルは不安そうに器を見て器を外に置いた。

精霊達が迅速に器を回収して行った。

山越えは終わり、明日には街に入れそうな目処がたった為今日も馬車泊することにした。

日が沈んで、暫くたった頃、馬車のドアを叩く音がした。

コンコン。コンコン。

「ひぃぃ〜。」

「コースケ〜!オバケだ!」

僕は肩を竦めて、

「落ち着けって。オバケなんかいないって。」

「だって、ここに全員いるよ、誰がドア叩くのさ。」

う〜ん。確かに誰だろ、開けてみるか。

僕は、気にせず馬車のドアを開けてみた。

「うぎゃ〜!!」

ミオは、泡を吹いて倒れてしまった。

ドアの向こうにいた来訪者も腰を抜かしているみたいだ。

「どうぞ。精霊の方ですね。御無礼をお許し下さい。」

精霊は一礼すると馬車の中に入り、手紙とリングを手渡し、一礼して帰って行った。

手紙を開くと、こう書いてあった。

『粗末なもので御礼のお言葉をいただき一同感激して言葉もありません。我々との交信と御身を守るための指輪をお渡しします。御装着の程お願い致します。』

指輪かぁ…サイズとか合うのかな?でも今日は眠いから寝るか。

「2人とも、今日寝ることにしよう。ミオは僕が連れて行くから、2人は寝てくれていいよ。」

「それでは、失礼します。」

サラがぺこりとお辞儀して、ジルはぶっきらぼうに手を振って自分達の寝床へ行った。

僕は、ミオを起こそうと努力したが無理そうなので、背中におぶって、寝床まで連れて行った。

「ミオ、悪い夢見なきゃいいけどな。」

次の朝、目を覚ますとミオは居なかったので、上に上がると何やら騒ぎになっていた。

「大丈夫ですか〜?」

「おい!ミオ反応しろ!」

ミオが騒いでいるかと思ったら、ジルとサラだった。

「どうした?」

僕が声を掛けても、ミオは微動だにしなかった。

ミオの視線の先には二つの指輪があった。

ミオが奴隷屋に来た頃、店主にこう言われたことがあった。

「いいか、ミオ。ひょっとしたらだぞ、お前にも将来姉さんたちみたいに身請けの話が来るかも知れない。」

「但し、そいつがお前を本当に大事にするかはわからない。」

「てっ店長!どうすればいいんだ、その時は…。」

店長は、目を瞑って、

「その時は待つんだ。お前のことを大事にすると決めた時、そいつはお前に指輪を渡し、同じ指輪を自分もする。」

ミオは、ふと我に返った。

みんなの視線が自分に集中しているのがわかった。

「な、な、なんだよ。」

僕は肩を竦めて、

「どうしたんだ、ミオ?」

「これって?」

ミオは指輪を指差して、プルプルしてる。

「ああ、指輪だな。ミオと僕のだよ。」

ミオは瞳孔が開きっぱなしになっている。

「そうだ。サイズ合うかな?はめていいか?」

ミオは、激しく頷いた。

「おお、ぴったりだ、良かった。」

「じゃ、僕も。僕もぴったりだ。よかっ…。」

ミオは立ったまま号泣してる。

ジルとサラ首を横に振って、

「言い方が…誤解しますよ、しりませんよ。」

「同意だ。罪深いな…一生を以て償うべきだ。」

え?どういう…?

雑音とともに何やら頭の中に直接声が聞こえてきた。

『あ、聞こえますか?』

「はぁ。聞こえますけど。」

『よ、良かった、聞こえれば成功なので、また必要になったら連絡します。』

なんなんだ、この展開は?

「どうしたんだ、ミオ。そんなに泣いて。」

「店長が言ったんだ、指輪をくれる人はミオを本当に大事にしてくれる人だって。」

そういうことか。

「ミオ、これは妖精から貰ったものなんだけど、この次は本当に僕とミオの指輪を買おう、これは約束だ。」

ミオは僕に抱きついて、泣きながら

『ありがとう、ありがとう』

と言った。

う〜ん。そんなに女の子は指輪が好きなんだな。

勉強になるな。

サラとジルは、首を傾げながら

「多分、ズレてるよね。」

「本当に一致するにはしばらくかかりそうだ。」

馬車は隣町に到着した。

まだ午前中だから、流石に酒場はやってないよな。

でも、下見を兼ねて行ってみるか。

「酒場の場所だけ、確認して見よう。」

僕等は4人で酒場まで行くことにした。

いってみると、OPENの札がかかってた。

24H営業?まさかね。

「開いてるみたいだから入ってみよう。」

目つきの悪い神装の男がカウンターに座ってこっちを睨んでいる。

「おまえら!隣村からきたのか?!」

若干ろれつがまわってないしゃべりだ。

「はぁ、そうですけど。」

「こっち来い。」

僕等は、男の近くまで行った。

「オレの名前はベリルだ。大神官をやってる。」

「そこの小娘、お前からだ。」

ベリルは手を翳し、ミオの額に手を触れると

「うん。そうか、わかったが全ては未だ教えられないが、お前のスキルは精霊を統べしものだ。何が出来るかはお前自身が考えろ。」

やはり、そうだったか。でも、僕に精霊は何で指輪を渡したんだろう。

ミオは、小言を言われてるみたいな気がしたのか、大神官を睨み返した。

「あ〜、小娘。言い忘れたことがあった。」

「なんだよ。ジジイまだなんかあるのか!」

大神官は、片方の眉を吊り上げて、

「ジジイ?まぁいい。『強き思いは時空を超える』という言葉を肝に刻んでおけ。」

「次、そこの阿呆面。」

大分辛辣だな。

ミオの時と同じ様に手を翳し、額に手を触れた。

「はぁ。異世界人か。しかも影つきか、わかったがお前も同じで今のスキルだけ教えてやる、影だ。

暗躍するのかもしれないし、影武者かもしれない。そういうスキルだ。」

なんか、曖昧だな。

「そこの2人は、精霊師はやめろ!召喚士になって化け物をジャンジャン召喚しろ。二人とも召喚のスキルが抜群だ。」

「でも、村の人が…。」

「それは、俺がなんとかするから、この2人をサポートしろ。以上、帰れ!酒が不味くなる。」

僕達4人は、微妙な雰囲気で馬車に戻ることになった。

取り敢えず馬車の中で状況を整理した。

紙を用意して書いて行った。

・まずミオは精霊を統べるスキル。

・ジルとサラは召喚士で召喚術。

・僕はよく分からん影。

・ジルとサラの故郷の件は、大神官が何とかしてくれる。

「これ重要なんだけど、」

「ジルとサラは僕達と旅を続ける?大神官に強制されるものではないと思うけど…。」

2人は目を見合わせて、

「お前等の邪魔で無ければ…これ以上の条件は他にはないからな。」

「すみません。兄は素直じゃないので…。」

サラがぺこりと頭を下げた。

「改めて、よろしくだね。」

ミオが青い顔で前方を指差してる。

大きめのドアがウロウロしている。

非常に不気味だ。

「ジル、あそこの近くまで、馬車を走らせてくれ。」

「あいよ。」

近くまでいくと、ドアがデカい口を開け、僕達はそれに飲み込まれた。

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