ep7-4 闇の塔
闇の精獣と八大精霊がいる塔には、衛兵すら居なかった。
「う〜ん。入口には誰もいないね。」
「用心して行こう。」
僕等は、警戒しながら進んだが、最上階まで誰にも会わずに来てしまった。
「扉の向こう、あの塔と同じ感じがする。」
と、ミオが言った。
僕も同じ感じを持っている、恐らく嫌な罠を張って待ち構えているんだろう。
「開けるぞ。」
ジルが扉を、開けるのと同時に僕らの目の前には、
嫌な光景が映し出された。
昨日、浄化したはずの親子が此処にいる…くっ…。
僕はその前に横たわっている、黒龍を睨みつけたが、其れより先にミオが怒りの形相でゆっくり黒龍に近づいて行った。
「なんで、こんなことをするの?」
黒龍は静かに、
「怨念を鎮めるためだ。」
ミオは、首を横に振って、
「この人たちに、怨念などない!私が今お前を消し去ってやる!!」
ま、不味い、暴走ぎみだ。
僕の力で抑え込めるのか?!
ミオの光のパワーが半端なく上昇しているヤバい!
「黒龍!!本当に消えるぞお前!」
「光などではわが闇は消せぬ。」
どいつもこいつも、クソだな。
もうダメか…。
ミオの最大出力の光の術が炸裂した。
黒龍が消えたと思ったが…真っ黒な壁がミオの術を完全ブロックした。
しかし、その代償は小さくなかった。
ミオの術をブロックしたのは、八大精霊の闇精霊だったが、闇の半分が欠損したみたいだ。
「せ、精霊様!」
「黒龍よ、精霊王を見くびるな。我等全てを消し去ることもできるのだ。」
八大精霊の闇精霊は、片膝着きながら、
「精霊王よ、闇を消し去るならばそれもよいが私とて黙ってやられはさない。」
ミオは、まだ怒りが収まらない様子で、歩みを止めようとしない。
僕は、ミオの前に立って、制止しようとした。
「ミオ!止めるんだ。これ以上やっても何も変わらない。」
言葉が届くかは分からない、このままでも相手がミオならば何の後悔もない。
そう思うと自然に笑みが出た。
ミオの攻撃が止まった。
ミオは脱力して、その場に座り込んだ。
「コースケ、なんで笑ったの?」
「いや、このまま死んでも後悔ないなと思ったら、自然とね。」
ミオは、ムっとして、
「私はヤダよ。私がコースケ殺したなんて。」
八大精霊の闇精霊は座り込み、
「精霊王よ、矛を収めてくれたこと感謝する。封印してくれて構わん、その間に回復するとしよう。」
黒龍が、闇精霊の前に行き、
「精霊様、私が直ぐにこいつらを始末します。」
と言った瞬間、黒龍は闇精霊によって頸を締め上げられた。
「いい加減にせよ。わしの手で貴様を葬るぞ。貴様は敗者、負けたのだ恥を知れ!」
闇精霊は床に黒龍を叩きつけた。
「力は正義。それに負けたら恭順の意を示すのが我等の流儀。」




