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プロローグ

「お前は役立たずだ!今日からこの家の娘でもなんでも無い、出てゆけ!」

「お父さん・・・。」

父親と呼んでいた男から家の外に蹴り飛ばされた私は、涙を押し殺して家を後にした。


ー 10日後


私は森の中をさ迷っていた。

歩くほど森は深く暗くなっていく、空腹すらも忘れるような恐怖がジワジワと私を追い詰めてくる。

『何者かが私を付けている。』そう思える気配を感じながら私はその日の寝床を探す。

その日は大きな木の空を見つけそこで眠ることにする。


「扉を閉めて」

空の入り口に向かい呟く、木がうねうねと動きながら出入り口の穴を塞いでいく。

こんなことができるのは数日前のある出来事からだった。


ー 3日前


森の外周を目的もなく彷徨う私は、空腹で何時もは決して入ることのない森に入っていた。


甘い匂いに誘われて森に中に踏み入ると、一本の果物の木を見つけた。

その木には真っ赤に熟れた果実がタワワに実っていて、美味しそうな香りと見た目をしていた。

私は誘われるようにしてその木には近づくと、一つの赤い実を手に取った。

「シャリ」

齧り付くと甘酸っぱい果実の味と共に何かが頭に流れ込んできた・・体を駆け巡る!

「!!!・・何かが私を・・・創り・変えて・・いく。」

そのまま気を失った私。


目を覚ました私は直ぐに自分の異変に気づいた。

「身体の中を何かが駆け巡っている!これは・・!頭に答えが聞こえる。」

そう、魔力というものが身体中を血液のように巡っているのがわかる、そしてそれが魔法を使うために必要なものだということも。

それから私はこの魔力が尽きるまで、魔法の練習を行った。

それも頭の中に響く声に従って、魔力操作から魔力を広く薄く延ばす感知系の魔法そして結界や身体の傷を癒す魔法に最後は相手に攻撃する攻撃魔法へと。

3日間の詰め込み学習で、ある程度魔法が使えるようになった私は、今度はレベルを上げる必要があるそうだ。

と言うことで、森を探索しながら経験とレベルを上げて強く賢くなっていく私。



ー 追い詰める者の正体



朝になり私は、木の空から這い出すと周囲に警戒の魔法を展開する。

「居たわ、これが私の跡を付いてくるヤツね」

私はこの3日でかなり魔法が使えるようになっており、私に恐怖を与えていた相手との対決を決意させるに至っていた。


「出てきなさいよ!そこに居るのは分かっているのよ!」

私は藪を睨みながら魔力を込めた腕を構えた。

「ガサッ」

薮から出てきたのは、大きな犬?狼?真っ白い生き物。

「貴方は私の敵なの?」

と問いかけると

「・・敵では無い・・。」

と一言、

「それならどうして私の後を付けていたの?」

「お前を見護る・・定めだ。」

「見護る、定め?どういうこと?」

と聞き返せば

「お前とは前世からの繋がりが有る、前世はお前を護れなかった。今世は必ずお前を護ってみせる、だから俺と契約をしてくれ。」

というのです。


驚きながらも何かつながりを感じた私は、

「良いわ、どうすればいいの?」

すると大きなその獣は私の前に顔を近づけると膝を折頭を下げて

「我の頭に手を当てて「契約を」と言ってくれ。」

というので、頭に右手を置いて

「契約を」

「我はその契約を認める。」

獣の声に私達の体が光、そして確かな繋がりがそこに生まれた。

「我に名前を付けよ。」

と言う獣に私は

「タロウ」

と名付けた。

そのあとは覚えていない、何故なら身体中の魔力が吸い込まれてしまったからだ。



ー 新たな目覚め



どのくらい意識を失っていたのだろう?目が覚めると私はふわふわの絨毯の上で寝ていた。

いやそれはあの真っ白い獣のお腹の上だった。

「目覚めたか、主人殿。」

獣がそう言う私は

「貴方は・・タロウは私を護っていたのね。ありがとう。」

と答えて立ち上がった。

「グ〜ッ。」

直ぐにお腹が鳴って空腹を訴えた。

「食べる物ならそこに用意した。」

と言うタロウの言葉に目をやると、山盛りの食糧(?)があった。

「これを私に?」

「ああ好きにするが良い。」

と言われた私はまずは果物を口にした。


その後は魔物や獣の肉を適当な大きさに切り分けると、覚えたての収納魔法で収納した。


「どこへ向かう?」

タロウの言葉に

「もう少し魔法を練習して強くなってから街へ」

と答えた。

その後半年ほど私は、森の奥で修行という名の満ち足りた時間を過ごした。


ーー 新たな力、スキルの実発現。



森の奥でタロウと修行している時にタロウから、神聖魔法や古代魔法の手解きを受けた。

タロウは魔法が得意なフェンリルと言われる種族で、神獣と呼ばれたりしているそうだ。


そしてその中で私は私の真の力に目覚めた。

あの時食べた赤い実のなる大樹が頭に現れて、必要な魔法を思い浮かべて魔力を与えると、あの赤い実が目の前に現れて食べると、欲しいスキルが手に入るのだ。

タロウはそれを

「創造魔法の一種でスキルの実を作る能力だろう。」

と教えてくれた。

この能力で私はこの世のありとあらゆるスキルを創り手に入れることができる上に、他人に授けることもできるそうだ、だからこそ気を付けねばならないとタロウは言う。

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