練習試合編 1.試合決定
フーリが《堕天使》の魔獣を倒し、《堕天使》がフーリに宣戦布告してから一日。
フーリはその日、出社時間を大幅に過ぎた時間に目を覚ました。
「…もうこんな時間か…。もうちょっと寝るか」
「早く起きるにゃ!!!」
フーリはアサに顔をはたかれた。
「いいだろ別に…ワカメもいつも寝てるんだから」
「フーリ、今の状況わかってんの?《堕天使》に命狙われてんのよ?」
「《堕天使》が今すぐに殺しに来ることはないと思う。それに…」
「本当に魔獣のことを大切に思っていたらずっと一緒にいるはずだよ」
あの魔獣は「《堕天使》様万歳!!!」…とか言って自爆した。普段《堕天使》が魔獣をどう扱っているのかがよくわかる行動だ。
「…屁理屈はいいからとっとと支度する!!もう10時過ぎてるじゃん」
「ふあ〜。おはよーございまーす先輩」
「…何か言うことは?」
「朝ごはんおいしかったです」
「はあ…」
音々は腹が立っている。
「大体、この前《堕天使》のことブッ殺すとか言ってたじゃん。なのになんでこんなぐうたらしてられんだよ」
「…なんかあの技を使ってから体がだるくて…」
「…なるほど。よし、ちょっと表でろ」
「ふぁ?」
フーリは南森支店の近くにある空き地に引きずられていった。
「フーリ、この前言ってた技?使ってみろ」
「…あの時即興で思いついたんで恥ずかしいんすけど…嵐空拳!!」
フーリの体に風がまとい始めた。
「じゃあそのままつっ立ってろ」
「はあ?」
フーリは言われた通りにした。
「…あれ?おかしい」
風が出なくなってしまった。それに息切れも激しい。
「やっぱそれだ。原因は」
「どういうことっすか」
「そのエアなんとかいうの、ものすごく体力使うんだよ」
「そっか。あの時はアサの本能覚醒のおかげで負担が軽くなってたってことかな…」
「そんなとこだろう。…そう、そのいん…なんとかについて聞かせてくれないか」
「俺も意味わかんないんですよ…おいアサ、お前の出番だぞ」
フーリにつつかれ、アサは夢の世界から帰還した。
「…本能覚醒。簡単に言えば魔獣が飼い主の契約を交わした相手に力を貸し与えることにゃ。魔獣なら誰でもできるわ」
「…それは違うな。おい、ナイト!」
音々の腕から突然フクロウが現れた。
「…名前テキトーすぎじゃ?」
「…ナイト、本能覚醒って知ってるか?」
「申し訳ありませんが、そのようなものは存じ上げません…」
「アサと違って品行方正じゃないか」
「なぜフーリなんかに敬語を使わなければならない?」
「まあとにかく、魔獣なら誰でもできるわけじゃないんだな」
「でもアサが特別ってのもなんか違う気が…」
「ひっかくぞ」
アサがフーリの顔をメチャクチャにしようとした時だった。
「おーーーい!音々くん!フーリくん!」
「ワカメじゃん」
そう言えば今日ワカメこと翠玲を見かけなかった。
「どうしたんだよ。ランニングなんて珍しいじゃん」
「さっきまで、ハァ…雷山村まで行ってきてて…ハァ…」
「で?」
「雷山村との練習試合が決まった!!!」
「練習試合?部活でもあるまいし」
翠玲は説明を始めた。
「…《堕天使》に対抗するために互いの戦力を強化する…なるほど」
「おい、フーリ」
「どうしたんすか音々先輩」
「明日から練習試合まで任務はこのワカメがやる。だからお前はやらなくていい」
「マジすか?!」
「…その代わり」
「そのかわり?」
「明日から俺と地獄のトレーニングだ」
「えっ…」
音々とフーリの地獄の特訓がスタートした。
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