緊急招集編 4.アサと一郎
「本能覚醒については…俺らもよくわかってないんです」
「そっか」
一郎はアサからフーリに視線を移した。レオは話している三人の様子を見ながらシリアルを食べている。
「実は裏で僕も調べててね。君たちができることを知って呼び寄せたわけだが…」
一郎のしっぽがぴくっと動いた。
「このアサという魔獣は相当イレギュラーなようだ。俺の部屋で調べさせてくれないか」
「は?この役立たずが?…まあいいですけど…」
一郎はアサに目配せし、ドアへと歩いて行った。
「フーリ、レオ、俺の部屋には従業員に極秘の情報がたくさんある。入ってきちゃだめだぞ」
フーリとレオは目を見合わせた。
「めんどくさいにゃんねえ。ま、わたしが優秀なのに気づいたのは評価」
レオとフーリを残して二人は廊下へと出、二個先の部屋へと入った。
「…」
一郎は黙ったままドアを閉じ、鍵を閉めた。そして、長い息をついた。
「久しぶりだな、《猫》。邪気ですぐわかったよ」
「よく生きていたわね」
アサは人間の姿になった。一郎は椅子に座り、頭の後ろで手を組んだ。
「まさかこんなところでフーリの魔獣になってるとは思わなかったよ」
「そっちこそこんなところで魔獣の保護活動をしているとは思わなかったわ。《人狼》」
一郎は首を振った。
「もうその名前で呼ばないでくれ。僕はAの頭、売府一郎だ」
「で?もう話すことはないでしょうが。思い出話なんてする気はないわよ」
「お前は何がしたいんだ?」
一郎は部屋を去ろうとするアサをにらんだ。
「お前は失踪してからまだ一年もたってない。あいつもお前を探すのをあきらめてないはずだ。あくまで僕の予想だが…あいつは《堕天使》を仕掛けてくるだろう」
「フーリと一緒に立ち向かうまでよ」
「それが間違ってるんだ」
一郎は椅子から立ち上がった。
「お前はフーリに過去を言ってない。ネコの魔獣のようにふるまっていっるが、嘘。役立たずでバカなのも嘘。フーリとの友情も全部…」
「言わないで!!!」
アサは一郎のほうを振り返り、きつくにらんだ。
「もう私には…この方法しか残ってない」
「…フーリに手を出すなよ。僕の大事な仲間だ」
「あんたこそ…フーリに手出ししないで。私の大事な…友達だから」
一郎はやれやれと首を振った。
「わかった。僕はお前らの活動に一切妨害をしない」
「あと、二度と顔を見せないで」
アサは部屋を出て、ネコに戻った。一郎はもう一度椅子に座った。
(あいつは《堕天使》に何か恨みがあるからフーリに近づいたのか?でもあの時の《猫》だったら《堕天使》より実力が上だ。フーリに頼る必要はないだろう。いずれにせよ、なぜフーリに近づいたのかが真実を見つけ出す鍵になるだろうな。)
「蒼炎!!」
一郎は手に青白い炎を出した。
「《猫》をずっと尾行しろ」
一郎は手を振って炎を消し、窓の外を見た。
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