緊急召集編 3.狼が来た
そこにはガシャガシャと食器がぶつかり合う音、そして水が流れる音だけがしていた。
「まだ1日目・・・」
レオは青ざめた顔でスポンジに洗剤をつけた。
「フーリ、もう逃げ出そうよ・・・この監獄から・・・」
「ばか!!そんなことしたら器物損壊で逮捕されるじゃろがい!!」
レオはそう言われてため息をついた。
「まあ、こういう時間も悪くないと思うよ?」
フーリはレオの肩に手を置いた。
「悪くないって・・・無駄じゃんこんな時間」
「俺はアサと出会ってからかなりのムダな時間を過ごしてる」
レオは水道に水をためて背泳ぎしているアサを見た。
「フーリは試合の前何してたの?」
「音々先輩と地獄のトレーニング。思い出したくもない」
レオはハハッと笑った。
「あいつ、やっぱサイコパスなんだよ。目標を達成するまで飯抜き!!みたいなことやらされてさ〜!!」
その時、大きな音がして壁が壊れた。フーリとレオは瞬時に戦闘体制に入った。
「お、狼?!」
煙の中から現れたのは大きな茶色い狼だった。
「グルル…!!」
「んっ!!」
レオとフーリ、そして狼は睨み合っていた。次の瞬間のことだった。
「大体君たち、来るのが遅いんだよ!待ちくたびれて俺の方から来ちゃったじゃん!!」
(なんだ!?魔獣か!誰のだ!?)
フーリとレオの考えていることがわかったのか、狼はハッとした。
「いやー、ごめんごめん。自己紹介が遅れちゃった」
周りに青い炎が出て、狼は人間に変わった。
「「「え?!」」」
身長は180cmほど、茶髪で顔に傷があり、ワカメ上司より少し年上。狼の正体はあの映像に出ていたAの長、売府一郎だったのだ!
「え、は?なんでここに!?」
「だから、君らが全然こないから」
フーリ、アサ、レオは全員まだ状況が飲み込めていなかった。
「じゃあ、僕の家にレッツゴー!!」
その瞬間、そこにいた全員が厨房から消えた。
ドスン!
「痛!!」
三人は尻もちをついた。
「ごめんごめん」
一郎は笑いながら謝った。フーリは辺りを見回した。
「ここが・・・」
「俺の家」
フーリは立ち上がって暖炉の前まで歩いた。暖炉の上には宝石がはめ込んである剣が飾ってあった。
「さてフーリ、そしてアサ」
一郎は壁際まで歩いて振り向いた。さっきまでとは打って変わって鋭い目をしている。
「俺に本能覚醒、というものについて知っていることを教えてほしい」
「要件はそれだったんですね」
フーリは床に座った。アサは・・・なぜか目を見開いて下を向いている。そして一郎は、フーリではなくアサの方を見ていた。
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