練習試合編 4.音々 vs ライム
「乱水雨拳は五月雨の陣を使うことで発動できる。型は『夕立』と『時雨』の二つあり、ワカメはこの二つを使い分けることによって戦闘を有利にしている」
「音々先輩、よくそんな辞書みたいな言葉遣いできますね…それにしても、ワカメー!!!あんたカッケーよ!」
「そっか!ありが…」
フーリに笑いかけようとしたその瞬間、翠玲は倒れた。そして、一葉が立ち上がった。
「痛っっっったあ!!」
一葉は頭を押さえ、起き上がった。
「あっ…」
「翠玲、戦闘不可より稲妻一葉いなづまひとはの勝利とする!!」
「まずは一勝」
レオはフーリにウィンクした。
「クソガキ…」
フーリはジュースの自販機に向かうレオをにらみつけた。…翠玲はしばらくして、頭を抱えて起き上がった。
「ごめん、負けちゃった」
「心配すんな。お前ら二人が負けても俺だけは勝つ」
音々はイヤホンをつけ、目を閉じ、準備運動している。アサとフーリはあきれたように笑った。
「でもワカメ、あんた実は強いんだな」
「気づいちゃった?これからはちゃんとさん付で呼ぶようにね!」
「わかったよワカメさん」
「そういう意味じゃないんだけどなあ…」
ワカメは顔に手を当てた。
「そろそろ音々先輩の試合だな」
フーリがそういうとほぼ同時に音々とライムが結界の中に入った。
「受付か。俺はアルバイトも平等に扱う。手加減はしないぞ」
「だから、私、正社員なんですけど?!」
おそらく過去に何回も衝突したのだろう、この二人は。フーリはそう思った。足元に目を移すと、アサは当然のように眠っていた。フーリは強い風をアサにぶつけた。
「ふにゃあ?!」
「自業自得だ。役立たず」
「はあ…。始めー」
やれやれと言った感じの気の抜けたスタートだった。
「黒の矢」
そう呟くと音々は体に禍々しいオーラをまとった。オーラから帯のような斬撃が複数飛んでいった。
「放物線!!」
ライムが手を振りかざすと曲線が出現し、斬撃を跳ね返した。
「ちっ」
「今日の音々先輩やけに機嫌悪いぞ」
「やれやれだにゃ…」
「…ワカメ、なんでお前ニヤニヤしてんだよ。気持ち悪い」
「垂直二等分線!!」
ライムが手を広げると、音々の近くまで瞬間移動した。
「死ねええええ!!」
ライムは音々の顎に思いっきり蹴りを入れた。音々は吹っ飛んだが、すぐに起き上がった。
「なんかライムさん、さすがに殺気がやばくね?死ねって…」
本気で戦っているとはいえ、死ねは言い過ぎだろう。
「全く、カップルの喧嘩ほど面白いものはないねえ」
翠玲はまだニヤニヤしている。
「え、は、ってことは…」
「あの二人はつい一週間前まで付き合ってたんだよ」
「ええええええええ?!?!?!?」
フーリは驚きを隠せなかった。
「音々が、柄にもないにゃんねえ」
アサはなんとなく気づいていたようだ。
「単刀直入に聞きますけど、なんで別れたんすか?」
「それはね…」
翠玲は戦っている二人をちらっと見て言った。
「ライムさんがピザを切るのが下手なことを音々くんがからかっただけ」
「は…それだけ?」
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